表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/144

夏休み明けにいきなり第二王子に宣戦布告されました

夏休みが終わった。


私にはとても有意義な夏休みだった。私は今では2時間で超特級ポーションが作れるまでになっていたのだった。その練習のために毎日超特級ポーションを作っていたので、ダンジョンの薬草が少なくくなって、外部から結構割高の薬草を購入したりした。

預金が少なくなったとハンスに文句を言われたが、まあ、その分超特級ポーションがいっぱいできたのだからいいだろうと言うと、こんなにたくさん需要があるわけ無いだろう、と逆に怒られた。それもそうだ。


超特級も1年間ももたないし、うちの倉庫にはあり得ないことに超特級ポーションが有り余っていた。


うーん、これもさばく算段をしなければと贅沢な悩みを抱えていた。


「おはよう」

元気いっぱいで教室に行く途中でプリシラに会った。20日ぶりのプリシラは元気そうだった。


「ごめんね。うちに招待できなくて」

私はプリシラに謝った。祖母が来ていたドタバタで、結局皆を呼べなかったのだ。


「ううん。大丈夫よ。それよりもおばあさまの件、大丈夫だったの」

逆にプリシラに心配された。


「全然大丈夫。最初に母とケンカして家壊してくれた時にはどうしようと思ったけど」

結局祖母は私に20日間、付き合っただけで取り敢えず帰っていったのだ。また来るとの言葉を残して。

母も祖母が煙たいのか、すぐにいなくなったし、ジルおじさんも母がいなくなったので、来ることはなくなった。ポーション制作三昧の最後の20日間だったのだ。


「リアの所、皆凄いのね」

プリシラが感心、いや絶対に呆れているのだ。

私は何も言えなかった。


「プリシラのところであんなに歓待してもらえたのに呼べなくて本当にごめんね」

プリシラの家では、プリシラに初めて友だちが出来たと、プリシラの母にとても歓待されたのだ。私は平民だからって言うのに、周りの貴族たちを呼んでのパーティーなんかに出席させられたりして、結構大変だった。


「ううん。母がリアを気に入ったみたいで、また是非ともお呼びしなさいって言われてるの」

「ありがとう」

プリシラの母は良いけれどでも、あんまりお貴族様と付き合いはしたくない・・・・


何しろ肩がこるのだ。


「それより聞いた? Sクラスに帝国から短期留学性が来るんでしょ」

ベッキーが話題を変えてくれた。


「えっ、帝国から」

私は嫌な予感がした。


「よお、破壊女」

その時だ。後ろから聞きたくない声がした。


「け、煙男」

そこには、あのきざったらしいエーレン・ハイトが立っていた。


「だ、誰が煙親男だ」

「誰が破壊女よ」

私達は睨み合った。


「おい、帝国からのエーレン君。その女に近づいてはいけない」                                                                                                                        

後ろからさらにややこしい奴が来た。王国第二王子だ。


「こいつは破壊女として世界的に有名だ」

「誰が破壊女よ。いい加減にして」

もう王子も不敬も関係ない。


本当に私の周りってなんでこんな馬鹿ばかり集まるのだろう?


後でそう言うと「あんたが馬鹿だからじゃない」

とベッキーに言われてしまった。バカバカって一応私は主席なんですけど、

そう言うと「私は先生に一生ついていきます・・・・」

と恥辱にまみれた魔導学の試験答案の一部を読み上げられてしまった。

ベッキーはまだ、根に持っているみたい・・・・


「ふん、破壊女よ。良い気になるのは今のうちだ。今度のクラス対抗戦は目にもの見せてやるからな。どうやら貴様は遊び呆けていたみたいだが、俺は貴様を倒すためにこの夏休みは死の努力をしたのだ」

王子は胸を張って言った。


「何言ってるのよ。私も(ポーションづくりに) 血眼になっていたんだから。(最後の20日間は)」

私が言い返した。


「ふんっ、我が方は新戦力のエーレン君も入ってくれたのだ。貴様クラスなど一瞬で叩き潰してやるわ」

「ふーん、頑張れば」

私は別にクラス対抗戦なんてどうでも良かった。


「ちょっとリア、少しくらいやる気になりなさいよ」

横からベッキーが注意してきた。


「えええ、だって王子もたまには私らに勝てないと格好がつかないでしょ」

私は王子を可愛そうなものでも見るように見た。だって今は超特級ポーションが作れるようになったし、世の中全てが幸せだった。


「な、何を・・・・」

わなわなと震えながら第二王子は怒りに震えていた。


「破壊女、よくも言ったな。今度の戦いでは絶対に貴様を私の前に跪かせてやる」

「はいはい、でも、私達とやる前に負けないでね」

私の言葉は更に王子の怒りに火を注いだらしい。


「おのれえええ、覚えておけよ。余裕を持っていられるのも今のうちだけだぞ。プリシラ嬢。君は我がクラスではないか。敵と一緒にいてはいけないだろう」

プリシラは怒りまくった王子に連れて行かれた。



王子は三度目の正直となるのか。

はたまた、またリアに返り討ちにあってしまうのか。

対戦はもう少し先です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

次回作品

はこちら!

『ブス眼鏡と呼ばれても王太子に恋してる~私が本物の聖女なのに魔王の仕返しが怖いので、目立たないようにしているつもりです』

https://ncode.syosetu.com/n7402hm/

顔を隠すためにメガネを掛けてブス眼鏡と陰で呼ばれているエレは、真面目なメガネっ娘を演じているつもりが、やることなすこと目立ってしまって・・・・。そんな彼女だが、密かに心を寄せているのが、昔助けてくれた王太子殿下なのだ。その王太子が心を寄せているのもまた、昔魔王に襲われたところを助けてもらった女の子だった。
そんな所に魔王の影が見え隠れして、エレは果たして最後までニセ聖女の影に隠れられるのか? 魔王はどうなる? エレと王太子の恋の行方は?
ハッピーエンド目指すので是非ともお読みください!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ