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王子殿下は私のポーションがぜひともほしいみたいです。

私はゴールで幼馴染のカートを探したが、カートは中々ゴールして来なかった。


変だな。カートの剣術は凄いのに、メンバーが良くなかったんだろうか? そうか他の科目でしくじっているのだろうか? そう言えばカートも刺繍は壊滅的に駄目だったよなと私は自分のことは棚に上げて思った。


「誰か探しているの?」

「うーん、知り合いがいるかなと思って」

ベッキーに聞かれて私が答えた。


「殿下」

ハンナの声に私は振り返ると第一王子殿下がこちらに向かって歩いて来るところだった。



「いや、学園では過度の礼儀は不要だ」

慌てて跪こうとするハンナらを王子は制する。


「そうかと言ってそのはちまきはどうかと思うが」

王子は私のはちまきを見て言った。


「申し訳ありません」

外すのを忘れていた。私は慌ててはちまきを外す。行事が終わってまで王族を刺激するのは良くはないだろう。まだ、帝国に追放されたくはないし。


「まあ、リアらしいと言えばリアらしいが」

王子は苦笑した。


「あのう、殿下が何故オーレリアさんの愛称をご存知なんですか」

私が聞きたいことをベッキーが聞いてくれた。


「愛称?ああ、愛称で呼んでいたか。すまなかった。彼女のことは知り合いのカートからよく聞くんだ」

一瞬王子は困った顔をしたが、愛称呼びしたことを謝って教えてくれた。


「えっ、いや、リア呼びは別に構いませんが、殿下はカートのことをご存知なのですか」

私は友達の名前を言われて喜んで聞いた。


「ああ、同学年だからな。彼からはオーレリア嬢の武勇伝を色々教えてもらっている。この前の入試のこともな」

「えっ」

殿下の言葉に私は固まった。そうかカートが殿下に教えたのか。


「君の母親が冗談で言っていた障壁展開を、室内で本気でやるとは思っていなかったとカートが笑っていたぞ!」

王子の言葉に私は更に反応できなかった。やっぱり母は冗談で言っていたのだ。それを真に受けた私が馬鹿だった。


カートも教えてくれたら良かったのに!


ここにいないカートに八つ当たりする私だった。



「そうですよね。普通室内であんな障壁展開しませんよね」

王子とベッキーは私をさかなに盛上ってくれている。私はムツとした。


「馬鹿で悪うございました」

私は拗ねて言った。


「何リア拗ねてんのよ。あなたが天然なのは判っているから」

「そうだ、カートもそこが良いとか言っていたぞ」

「そんな事言って絶対に馬鹿にしてますよね」

二人が笑って言うが、私は騙されないんだから。


「で、リア、ポーションはいつ作ってくれるんだ」

「えっ、意地悪な王子様には作りたくありません」

「いや、リア少し待て。例え、女性でも約束を破るのは良くないと思うぞ」

王子がいきなり態度を改めてきた。そんなこと言ってもいまさら遅い。


「そうだ。どのみち、明日の休みにでも薬草を採りに行くのだろう。カートを同行させてやる。それでどうだ」

「えっ、でも、それはカートに悪いし」

「それは構わん。あいつも好きで行くのだ」


なんでカートの行動をこの王子が決めるのだろう。カートは王子の側近なのだろうか?

私は不審に思ったが。


「殿下、何も平民の女にそこまでへりくだらなくても」

王子の側近のウィンチェスター公爵令息セドリックが貴族なら当然のことを言ってくれた。そう私を無視してくれて全然問題ないのだ。


「何を言う。セドリック。リアの作るポーションは凄いんだぞ。此度の北部の魔物討伐においてもリアのポーションが絶大な効果を発揮したと聞いている」

王子は訳のわからないことを言っている。私のポーションを軍におろしていたっけ?


「いや殿下。ポーションなど薬屋で買えば良いのでは」

何を言っているんだという顔でセドリックが言った。


「そうですよ。兄上。ポーションなど薬屋でいくらでも売っております。こんな破壊女の言うことなんて聞く必要はありません」

その横からいつの間にかゴールした第二王子が私を睨みつけてきた。


こいつらには絶対にポーションはやらないと私は決めた。


「それよりも兄上、食事の時間です。食堂に参りましょう」

「リア、約束だぞ。ポーションは待っているからな」

皆に連れて行かれながら第一王子が叫んでいた。


私は仕方なく軽く手を振っていた。




「リア、あんた第一王子殿下相手にその態度が出来るなんて凄いわ」

王子相手に手を振って合図するという私の暴挙を見てベッキーが呆れて言った。


「本当に」

他の3人も呆れて頷いていた。

王子殿下は何故かリアについて詳しいです。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
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『ブス眼鏡と呼ばれても王太子に恋してる~私が本物の聖女なのに魔王の仕返しが怖いので、目立たないようにしているつもりです』

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顔を隠すためにメガネを掛けてブス眼鏡と陰で呼ばれているエレは、真面目なメガネっ娘を演じているつもりが、やることなすこと目立ってしまって・・・・。そんな彼女だが、密かに心を寄せているのが、昔助けてくれた王太子殿下なのだ。その王太子が心を寄せているのもまた、昔魔王に襲われたところを助けてもらった女の子だった。
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