男どもは必死にサマーパーティの相手を探し出しました
その日が終わって皆で一般食堂の端に集まった。
「はい、皆、今日はお疲れさまでした」
ベッキーが挨拶する。
「皆のお陰で集客数はベスト３位に入ってます。トップは二年Ｂ組の焼きそばです。頑張って抜き去りましょう！」
「今度は一年には負けないゾー！」
後ろから声がかかった。二年Ｂ組の先輩連中だ。
「王子のクラスはどうなったの？」
ベンジャミンが聞いた。
「あそこはもう敵じゃないから、無視して良いわ」
ベッキーは元も子も無い事を言う。
「今日の接客トップはリア、ご苦労様」
「じゃあ明日は休んでも良い？」
私が喜んで言うと、
「何言ってんのよ、明日が勝負じゃない」
「そうよ。リアも頑張って」
「えええ！私も学園祭楽しみたいのに」
私もいろんなお店を回りたいのに。
「十分楽しんでるじゃない。今日も殿下にプリシラさんとの事暴露してたし」
「あれはわざとじゃないわよ。本当に王子が知らないなんて思ってもいなかったのよ」
私が言い訳すると、
「プリシラさん、殿下に色々言われてたみたいよ。」
「えっ、そうなの？不味かったかな？」
私は不安になった。
そこへプリシラがやって来た。
「ああん、リア、言うなら前もって言ってよね」
「ごめん。とっくに言ってるものだと思ってた」
「まあ、お陰で、もういつ言おうか悩む必要なくなったけど」
「王子怒ってた？」
「怒るも何も無いわよ。元々申し込まれてないし。はっきりメルヴィン様とお付き合いしてますって言い切ったから」
「えっ、そうなんですか？」
ブリトニーが驚いて聞いた。
「今なら殿下可能性あるわよ。行ってきたら」
プリシラが言うと
「様子見てきます」
と出ていったのだ。
「えっブリトニー、まだ、終わってないのに」
ベッキーがぶつぶつ文句を言う。
「まあ、後は明日やるしかないんだから」
私が慰めた。
「そうだよな」
そう言うと改まって、オーガストが私の前に来た。
「あのう。リア」
「ちょっと待ったあ」
ビルが叫んできた。
「あっ、待て俺も」
男たちが三人も私の前に来た。
「えっ？ どうかしたの？私まだあんまり何も悪いことはしていないわよ」
私は慌てた。最近は静かにしているはずだ。
「サマーパーティに是非とも一緒に行って下さい」
「是非とも俺と」
「いや、こいつらよりは子爵家の私と是非」
男たちが次々に申し込んできたのだ。えええ！私にもモテ期到来したの？私は心の中では喜んだが、
「あっ、ごめん。私先約あるから」
あっさりと私は断った。
「えっ、いつの間に。一番だと思ったのに」
「オリエンの次の日にカートに誘われたから」
オーガストの声に答えると、
「えええ！そんな前に」
「早すぎるだろ！」
「くっそう。じゃあ卒業パーティは是非とも俺と」
男たちは悔しがってきた。
「そんな先の事判んないわよ」
「馬鹿ね。そこもカートと一緒に決まってるでしょ」
馬鹿にしたようにベッキーが言った。
「じゃあベッキーはどう？」
オーガストが突然対象を代えた。
「何その節操のない誘い方」
呆れてベッキーが言う。
「あ、ごめん。でも、どうかな」
「残念ながら私も先約済みです」
「えっ、嘘？誰と？」
「俺と」
ザカリーが手を上げた。
「何と卑怯な」
「卑怯とか、関係ないだろ。君たちが遅いのが悪い」
「じゃあエイミーは？」
「あんた、本当に節操がないわね」
ベッキーが更に呆れるが、
「ごめん。私もベンジャミンと約束していて」
「えええ！そんな」
「早くしないと壁の杭よ。何しろ女の子のほうが圧倒的に少ないんだから」
ベッキーの声に三人は慌て出した。
