魔導実技の授業で地上に巨大なミニ太陽を出現させてしまいました・・・・
次の数学の授業も最悪だった。これは寝る余裕もなく、もう必死にやらないと到底理解できなかった。
朝の最悪な授業を終えて昼をとって次は更衣室でジャージに着替えて魔導実技だ。
ようし、久しぶりに暴れられるぞ。
私は喜び勇んで訓練場に入った。事故が起こらないように障壁で周りが囲まれている。
「では最初に皆の魔力の実力を見せてもらおう。じゃあ順番にオーレリア」
「はいっ」
喜び勇んで前に出る。
「あ、お前は良い」
魔導実技のコールマン先生があっさり言った。
「えっ、なんでですか」
私が文句を言うと、
「君の実力は入学試験の時に教室壊して判っているから。君が全力出したらこの訓練場が壊れる」
教師はにべもなく言った。
「そんな。私もなにかしたいです」
私は納得行かなかった。でも確かにこの障壁弱そうだし、私の障壁では半分の力でも壊れるかも。
「うーん、じゃあお前は何が一番苦手だ」
「えええ、苦手な魔術ですか」
考えるに障壁以外は全て苦手だ。
「障壁除いたら全て苦手です」
「本当かよ。障壁は天災級なのに」
教師が問題発言して来る。
「じゃあファイアーボールで。頼むから小さいの頼むぞ」
「えっねそれ苦手・・・・」
私は無詠唱で手を出すが、当然何も出来ない。
「何遊んでいるんだ」
教師が怒る。
私は焦って何回も手を出す。
「本当なのか? じゃあ蝋燭の火をイメージして出よ火の玉」
教師がそう言うと小さな火の玉が出て的に当たった。
私も蝋燭の火を思い出してやってみる。
「出よ、火の玉」
そうしたらなんということだろう、本当に消えそうな小さな小さな火の玉が出たのだ。
「うそ、出来た」
私は喜んで言った。ファイヤーボール初めて出来た。途中で消えたけど。
「よし、お前は隅でそれを練習していろ。絶対に蝋燭の火だぞ」
教師は念を入れて言ってきた。
「はいっ」
私は嬉しくて端で始めた。
端で一生懸命練習する。ファイヤーボールは一番簡単な魔術みたいで、出している生徒が多かった。ベッキーもハンナもファイヤーボールで私より大きい。
「出よ火の玉」
私は蝋燭の光と言われていたので、大きな声を出して、小さなかわいい火の玉を出していた。
何とか的に当たりだしていた。
「あ~らオーレリアさん。今日は平民の男の子と食堂でイチャイチャしていらしたみたいですけど、注目のあなたがこれでは・・・・・」
横に立ったブリトニー・フェデラー子爵令嬢が笑みを浮かべて言ってきた。
「本当に。微笑ましいですわ」
その横でドロシア・ガーランド子爵令嬢も笑ってくれた。
「やっぱりファイアーボールはこのくらいじゃないと」
手のひらほどのファイヤーボールを出して的に向けて放っている。
「本当に、そんなんだったら蚊も殺せないわ」
ドロシアが笑ってくれた。
これって完全に馬鹿にしているよね。せっかく人が可愛いファイヤーボールで練習しているのに。私は気が短い。ピキッと切れてしまった。
そして、絶対にろうそくの火だからなと念を押されたことを忘れてしまった。
ろうそくよりも大きいのって言えば太陽かな・・・・私は燦々と私達を照らす太陽を思い描いてしまった。
これだけ練習したのだから、もう無詠唱で出来るはずだ。
そして、私は頭の中に太陽を思い描いてしまったのだ。
「えっ」
私の目の前に巨大な火の玉が一瞬で生成されたのだ。人の背の何倍もある巨大ファイヤーボールだ。
「うそ!」
私を煽っていた二人の子息令嬢は目を見開いて固まっていた。
それはゆっくりと的に向かって飛んでいく。
「やめろ!オーレリア」
コールマン先生が大声で叫んだ。
「やっちゃった」
私は瞬間的に絶対的な自信のある障壁を張る。
「全員伏せろ」
コールマン先生が叫んだ。
私はファイヤーボールを上部と下部を開けてぐるっと囲もうとした。
「いけーーーー」
叫ぶ。
凄まじいスピードで障壁が火の玉を囲む。
次の瞬間凄まじい閃光が訓練場を襲ったのだった・・・・・
その瞬間、凄まじい閃光と爆発音が学校中に響いた。
何しろ巨大なミニ太陽が地上に出現したのだ。
訓練場の障壁は一瞬で弾き飛ばされていた。
しかし、その爆発を私の障壁が何とか間に合って防いだ。
私の障壁は完璧だった。巨大爆発にもびくともしなかった。
しかし、障壁のない下部と上部はファイヤーボールの爆発が直撃した。
閃光が消えて、爆炎が薄れた後には、地上に巨大なクレーターが出現していた・・・・・
貴族の女の子らにはちょっと刺激が強かったみたいで、私を挑発していたブリトニーとドロシアは閃光で目がくらんだ瞬間気絶していた。女の子の大半が涙目で、男たちも言葉もないみたいだった。
「すげえええ。さすが破壊女」
オーガストの言葉が全てを物語っていた。
リアは最強です・・・・・




