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空鉄の宇宙 ~親友と一緒に最難関VRロボゲーで最強を目指す~  作者: アカツキ八流
一章:廃れた宇宙、新たなる夜明け
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初陣/First Flight

今回はちょっとした機体の補足を後書きでしてます。よかったら読んでいってください。


READY?



真っ赤な文字がモニターに表示されると同時に、アナウンスがコックピット内に鳴り響く。

だが、ゲームは俺達を待ってくれない。急いで俺はレイドラに指示を出す。


「出撃準備だ!トレーニングモードの時と同じ操作だ!」


レイドラは、即座に一番外側にある両ペダルを踏み込む。それと同時に、再び文字が表示され、アナウンスが鳴る。



GO!



即座に、レイドラは右の内側にあるペダルを踏み込む。


だが、機体は前に進まない。


「…何か間違えたか?」


レイドラが俺に聞く。

俺はレイドラに伝え忘れていたことを思い出す。


「出撃時には母艦に報告する必要があるんだ。小さい頃に見たロボットアニメとかでもあっただろ?」


「…それってやる必要なんか?」


不満そうに見上げてくるレイドラ。そんな目で俺を見ないでくれ、これは俺が決めたことじゃないんだ。文句を言うならロボットアニメ大好きなこのゲームの開発陣に言ってくれ。この手順を削除する気はないと生放送で明言しているけど。


「必要だ。それに相手は多分もう出撃しているから、ここでもたついているとどんどん状況が不利になっていくぞ。」


レイドラは溜息をつくと、決心を固めたのか両手のレバーを握り、叫ぶ。



「レイドラ、カグツチ、行くぞ!!」



瞬間、機体がカタパルトに引っ張られ加速する。レイドラと俺を席に押し付けるようなGが襲う。母艦の外へ弾き出され高速で移動する中、俺は周りを確認する。


「デブリ宙域か…マズいな…」


「何かこのステージに問題があるのか?」


かつて行われた戦争で破壊された戦艦やZSが廃棄された古戦場。デブリが大量に浮かぶこのステージは、テツソラの競技シーンでは定番のステージである。だが、このステージには、明確な特徴がある。


「このステージは機体の得意距離によってかなりの相性差が発生するんだ。そして今俺達が乗っているカグツチは相性最悪だ。」


「マジか。」


デブリ宙域に入ったあたりで、スピードを落とす。周りに注意を払いながら、レイドラに作戦を説明する。


「今いるランク帯はデフォルトの御三家しか使えないが、最悪なパターンは相手が使っている機体がフレイだった場合だ。遮蔽物がたくさんあって、相手は隠れながらこっちに射撃を行うことができる。こっちは近寄るのに苦労する上に、逃げられたら簡単に相手を見失って振出しに戻る。まあつまるところ相手がフレイ乗りだったら負けが確定する。」


「他のパターンは?」


「ネプチューンの場合多少はマシだ。遮蔽物を完全無視するバズーカの照射は厄介だが、近い寄りさえすれば割と何とでもなる。あと気を付けるのは肩部キャノン砲だな。視認性が悪いから気を付けないと致命的なダメージを与えられる可能性がある。総評としてはまだ勝ち目があるって感じだな。」


「ふむふむ。で、相手がカグツチだった場合は?」


「気にするな。カグツチを使う変人はお前くらいしかいない。」


「そんなに酷評する程この機体は酷いのか?」


「機動力があるのはいいけど射撃兵装が頭部バルカンしかないから近寄らないと攻撃ができない上に、軽量化のために装甲削っているからマシンガン数発で大破する可能性がある。一撃で大ダメージを与えるだけならネプチューンの方が少ないリスクでできるし、近接戦闘に慣れていない初心者にとってはリターンも確定しないハイリスクローリターンの機体だぞ。」


「い、良い要素はないのか?」


「…かっこいい?」


「今少し考えた結果がその答えかよ…」


作戦会議が逸れ始める中でも、周囲の確認は怠らない。移動しながら索敵を行っていると、一瞬遠くにあるデブリの裏から光が見える。


それが何か察した俺は、レイドラに急いで指示を出す。


「避けろ!左!」


レイドラも光に気付いていたようで、俺が声を上げると同時に回避行動を開始する。すると、先程までいた場所を巨大なビームの柱が通り抜け、周りのデブリを蒸発させていく。異常な推進力で急な回避を行ったカグツチは、危うく近くに浮くデブリにぶつかりそうになるが、レイドラの制御によって何とかその危機を脱する。


「やば、思っていたより細かい制御が利かない…」


カグツチのじゃじゃ馬っぷりに翻弄されるレイドラを傍目に、俺はミニマップでビームが照射された方向とその威力から敵の大体の位置を割り出す。


「とりあえず相手はネプチューンで確定した。ネプチューンは鈍足だからまだこの辺りにいるはずだ。追うぞ!」


そう言いつつ先程割り出した敵の大体の位置情報をレイドラに送る。レイドラはそれを見て驚いた顔をした。


「よくこんな短時間で分かったな。」


「何回もやってたら出来るようになっただけだよ。お前ならすぐにできるようになる。」


レイドラがペダルを思い切り踏み込むと、カグツチは猛スピードでデブリの間を縫うように飛ぶ。

モニターに映る景色が目まぐるしく変わる中、一瞬だがデブリの影から青いスラスターの光が見える。


「見えた!相手もこっちに気付いている可能性がある!迎撃に注意しろ!」


レイドラは黙ったまま、こくりと頷く。カグツチのスピードを僅かに落とし、いつでも回避できる状態で距離を詰める。すぐに、己の重装甲を体中のスラスターで必死に前に進める敵の機体がはっきりと見える。

すると、逃げ切るのを諦めたのか、急に相手が機体を切り返し、こちらを迎え撃つ態勢に入る。機体の両肩に装備されたキャノン砲が俺達に向かって照準を合わせる。


「来るぞ!!」


俺がそう叫んだ時には、レイドラは既に行動に移っていた。カグツチの進行方向を下にずらし、キャノン砲の射角外に逃げる。次の瞬間、ネプチューンのキャノン砲から放たれた砲弾がカグツチの頭上ギリギリを掠めていく。


「おっしゃ隙あり!ここで仕掛ける!」


キャノン砲の反動でよろけるネプチューンを見て、レイドラは右肩にマウントされた両手剣を両手で握り、カグツチのスラスターを出力最大で吹かし突っ込む。


だが、まだ相手は手札をすべて切っていない。


「待て、まだフラッシュグレネードがある!!」


レイドラに注意をするが、既に手遅れだった。よろけながらも、敵のネプチューンは右腰にひっそりと取り付けられた手榴弾を右手で握り、ボタンを押して起動させる。そして、軽く前に投げると、ツインアイの上にバイザーが掛かる。レイドラは必死に機体の軌道をずらそうとするが、最高速度に達したカグツチは簡単に曲がることができない。投げられた手榴弾はちょうどカグツチの目の前に迫った瞬間、爆発する。



フラッシュグレネードの攻撃能力は普通に使う分には無いに等しいが、至近距離で爆発した場合はそうとは限らない。目の前でフラッシュグレネードが爆発したことにより、カグツチのセンサーが一斉にブラックアウトする。唯一点灯しているのは、頭部へのダメージを知らせるダメージアラートのみ。


俺は焦りながらレイドラに指示を出す。


「やばい、避けろ!相手はもう動けるようになっているはずだ、あいつの弾をまともに喰らったらカグツチは持たないぞ!」


レイドラは真っ暗なコックピットの中必死に機体を動かす。だが、動き出したと同時に、機体が強い衝撃によりが激しく揺れ、ダメージアラートがコックピット中に響き渡る。




まだ壊れていない方のメインカメラが回復した時に目の前に映し出されたのは、破壊された左脚の破片と、両手で構えたバズーカをこちらに向けたネプチューンであった。




御三家機体の補足(基本性能)です


カグツチ

主兵装:両刃ヒートブレード

副兵装:頭部80mmマシンガン(バルカン)、ヒートナイフx2(腰部収納)

機動力:高

適正:宇宙

推奨プレイスタイル:近接格闘戦

高機動格闘機。だが、実際優れているのは速さだけ。スピードを出しすぎると曲がることができないため、まともに戦闘を行おうとすると一番の持ち味のスピードを活かせない。率直に言うと運営がはっちゃけて作った欠陥機。なぜ近距離兵装を二種類も積んだ。


ネプチューン

主兵装:ビームバズーカ

副兵装:肩部250mmキャノン砲x2、フラッシュグレネード

機動力:低

適正:宇宙

推奨プレイスタイル:中~遠距離砲撃戦

戦法を一言でいうと固定砲台。〇ァーチェと〇ンキャノンを足して二で割った感じ。足止めて適当に弾撃ってれば初心者でもある程度勝てる。フラッシュグレネードの自爆対策がしてある辺りちゃんとしてる。


フレイ

主兵装:ビームマシンガン

副兵装:脚部ミサイルポッドx2、ビームダガー

機動力:中

適正:宇宙

推奨プレイスタイル:中距離射撃戦

御三家の中ではぶっちぎりで最強。マシンガンもミサイルも初心者同士の戦いでは当てやすく、おまけに自衛に使えるダガーも持ってる。正直こいつ一人でいいんじゃないかなって感じ。カグツチ君が格納庫で泣いてるぞ。



これからも気が向いたら色々補足とかしていきます。


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