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空鉄の宇宙 ~親友と一緒に最難関VRロボゲーで最強を目指す~  作者: アカツキ八流
二章:新たな帝王、そして古き者との対決
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革命の武器/Expect the Unexpected

ギリギリ滑り込みアウト(投稿遅れ


「では、これよりエキシビジョンマッチを開始したいと思います!両者には健闘を祈っています!それでは、行ってらっしゃーい!」


司会のWolv(ウルブ)さんがそう叫ぶと、ブレイヴさんとレイドラのアバターが一瞬光った後に姿を消す。



「おっ、やっと始まるのか。」


周りのプレイヤー達は携帯をポケットに戻し、画面に視線を向けている。

エキシビジョンマッチの大体の流れと目的を静香さんに説明した俺も画面に目を向ける。


隣で同じく画面を見上げている元帥さんが俺に話しかけてくる。


「お前はどんな武装が実装されると思う?」


「配信していなくても質問タイムはやるんですね。」


少し悪態をつくが、一応質問に答える。


「しばらく新しい狙撃機用の強化能力が実装されていないので、一番可能性がありそうなのはそれですかね。ついでに新しい狙撃銃が実装されてもおかしくないと思います。環境的に考えると、近接機にも使いやすい武装がそろそろ必要だと思いますね。でも二か月前のアップデートで新しい近接機用の武装が実装されたばかりなので、正直機体は薄いと思います。」


「あのヘビーバスターソードは中々味わい深いクソ武器だったよ…」


あの武器は酷かった。宇宙で使う前提の大きさなのに実体剣で、ビーム耐性が低い。おまけに、特別委力が高い訳でもないのに両手で使わなければ威力が落ちるという縛り付き。


発表当時はSNSが火の海になり、テツソラの公式アカウントが油を被った状態でナパーム弾を食らったかのような状態だった。

幸い、一週間以内に緊急修正によってゴミから最低ランク武器まで昇格したことにより炎上はなんとか鎮火できたが、その記憶がまだ新しい内にまた近接武器を実装するとは考え辛い。



「さて、お前の予想は当たっているかな?」


画面上では、両機とも母艦から出撃している。


モニターの前に張り付いているプレイヤー達はいち早く新武装を拝もうと、出撃した機体たちを凝視している。

俺と元帥さんもその例に漏れず、必死に機体の武装を見る。


「ブレイヴさんの方は予想通り狙撃機ですね。強化機能はまだ使っていないみたいですけど、メイン武装の狙撃銃は実装されている物とは一致しませんね。」


俺が元帥さんに報告すると、レイドラの機体を見ていた元帥さんが複雑そうな声で報告し返す。


「レイドラの方も予想通っぽいぜ。それもすげぇクソ武装の気配を漂わせている。」


「いやそんな訳ないですよ、さすがの運営でも初心者に特殊な近接武装を使わせるわけ―」



レイドラの機体の腰から掛けられた武器が目に入る。

その武器はかなり短く、棒のような形をしている。手元に近い位置から(かぎ)が生えており、その武器に関する僅かな知識からでもこの射撃戦環境に居てはいけないことが分かる。



「―十手(じって)?」



静香さんを含むこの部屋にいる全ての人の顔が困惑に染め上げられていた。





~一分ほど前~



意識が覚醒すると、既にコックピットの中にいることが分かる。


俺はリハーサルの時に指示された通り、急いで出撃準備を開始する。


「よし、新武装とやらを見せてもらおうか!」


出撃準備が完了すると同時に、機体情報が掲載されているウィンドウを開く。




機体名:コンバットプロトタイプ Type. Melee

主兵装:ビームジッテ

副兵装:耐ビーム粒子バリア

    アンカーフック




「…武装少なくねぇか?」


古兵の話によると、エキシビジョンマッチ用の機体は武装が少ない場合、ちゃんと試合が成立するよう既存の武装を装備しているはずだ。

だが、俺の目が正しければこの機体には三つしか武装が装備されていない。


どれも名前を聞いたことないが、一つだけ名前を呼んでも詳細が分からない武装がある。

その武装の詳細を開く。




ビームジッテ

二又のビームを発現することができる近距離用兵装。

ビーム属性の攻撃に強い。振るうことにより、一部のビーム攻撃を反射することができる。

自衛用の武器として重宝されている。




「ビームの十手ってことかよ…ってちょっと待った」


カタパルトデッキで出撃待機状態に入っているが、それどころではない。

他の武装の説明も急いで読む。


発動中はビーム攻撃を完全に無効化できるバリア。

ワイヤーに付いたフックを通してジャマー信号を送ることにより一時的に相手の攻撃を封じることができるアンカーフック。


どちら武装も単体としてみれば使いやすそうではある。

だが、この機体には一つ大きな欠陥がある。



「近接機体なのにまともな決め手がねぇじゃねぇか!」



俺の嘆きが出撃報告として認識され、機体が宇宙の大海原に投げ出された。





モニター前のプレイヤー達がざわつき始めていると、放送も動きを見せる。


「おや、レイドラ選手が腰に装備している武装、今まで見たことのない変わった武装ですね。鈴中さん、こちらの武装はどういう武装なのでしょうか?」


実況解説のアンドーさんも十手に気付いたのか、興味深そうに鈴中P(プロデューサー)に解説を求める。


「こちらの武装は新しく実装する予定の近接武装である『ビームジッテ』です。ビームダガーに分類される武装で、ビーム耐性が非常に高いことが特徴です。」


「ぜってぇこの武装作った理由『へビバ(ヘビーバスターソード)の埋め合わせ』とかだろ。」


元帥さんは鈴中Pの解説を聞くと、辛辣な意見を静かに呟く。

へビバの動画を撮ろうとした結果、全体勝率が10%以上落ちたのが苛立ちの原因だろう。


正直気持ちは分かるので微妙な表情で元帥さんを見守っていると、鈴中Pが解説を続ける。


「そして、この武装には一つ画期的な性能を持っています。」



「おい聞いたか?今『画期的』っていったぞ。」


「今映像切り抜いたわ。言質は取ったからもしクソだった場合いつでもSNSに晒せるぞ。」



健康的とは言い難い盛り上がりを一部のプレイヤーは見せているが、確かに武装性能についてここまで強い表現を使うのは珍しい。


半分期待、半分不安で画面を見つめていると、鈴中Pは自信ありげに発表する。


「なんと、この武装はビーム属性攻撃に対してタイミングよく振って迎撃することにより、ビームを反射することができます!」



「…確かに、画期的、ではあるな…」


「でも、何というか…」


「違くね?」



『ビームジッテ』の性能を聞き反応に困るプレイヤー達。

『ペガサス』全体は微妙な空気に包まれていた。



あ、あれ?全然話が前に進まねぇ...


レイドラの機体紹介だけで終わってしまいました。なんてことだ...


それはそれとして、多分初めての完全なオリジナル武装の『ビームジッテ』です。

まともじゃねぇ


割とロボットゲームやアニメって色々な武装を使っているので、自分だけのオリジナルを作るのが難しい気がします。考えてみても大抵色物しか思い浮かばない...


次回こそは戦闘開始だ...新年初のちゃんとしたバトルだ...

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