表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空鉄の宇宙 ~親友と一緒に最難関VRロボゲーで最強を目指す~  作者: アカツキ八流
二章:新たな帝王、そして古き者との対決
33/41

威力と精度/Power and Accuracy


「なんか予感はしてたけどおっそ」



のっぺり顔から機体を変え、3秒操縦した後の俺の感想だ。



「仕方ないだろ、砲撃機なんだ。それでもまだ機動力が良い方を選んだつもりだぞ?」


古兵は文句をいう俺に呆れたひょうじょうをむける。

見慣れた中距離射撃機を降りた俺は、次に重装甲な砲撃機体使うことにした。



中級者帯に入ってからもかなりの回数砲撃機とは戦っている。勿論、ヘパイストスにとってはカモもいいところなので、大抵の場合試合は数十秒で終わってしまう。


なので、俺の砲撃機に対する知識は意外にも少ない。判断材料に使えるのは初心者帯での対戦だが、プレイヤーが作った機体に比べあまりにも性能さがあるせいで参考にならない。

そのため、何か新しい情報を得られることを少しだけ期待しながらこの機体に乗ったのだが,最初の印象はあまりいいものではなかった。



「とりあえずこの機体の解説をしておくよ。この機体は『ビッグ・バッド・ボス』、略してB3(ビースリー)だ。砲撃機、っていうより高威力のビーム砲撃を愛してやまない『ゲロビ愛好会』が開発した機体だ。『扱いやすさ』を重点に開発されただけに、足回りは砲撃機にしたは割と良好。メイン武装の『ハイパーチャージキャノン』、略してハイチャは中距離でも機能できる武装だし、サブ武装にビームサーベルがあるから近接戦闘もできないことはない。他にも機雷やフラッシュグレネードもあるから砲撃機であるにも関わらずかなり近接機体に強い砲撃機だな。」


「でもこの機動力だとARWで簡単に狩れるぞ?」


「こいつが開発された時はARWを使うやつなんていなかったから勘弁してやれ。」



実際、ゲロビ愛好会の掲示板はARWに狩られた中級者砲撃機使いの嘆きで埋め尽くされている。

上級者のプレイヤーたちはなんとか対策できる機体を開発しようとしている様だが、いかんせん使い手が一人しかいないため実際に試すことができない。


中級者たちにもらった映像を参考に試行錯誤しているようだが,実際に対応できる機体が完成するまではしばらくかかりそうだ。



「砲撃機体の特筆すべき点はレーダーの性能が他の機体に比べて高いことだな。遠距離から敵を狙うという性質上,こうなることは当たり前ではあるが。例外があるとすれば,ホープライトみたいな狂った威力の武装を装備している場合だな。あれを装備しているとそもそもレーダーが装備できないから、本当に運ゲーになる。まあ、一対一であの武装を使う変人は一人しかいないから覚えなくていいよ。」


「その一人の予想は大体ついたわ...」


大会練習をしていた時の苦い敗北の記憶が脳裏をよぎる。


何回もよく分からない武装でボコボコにされ、心が折れかけたことも何回かあった。

クソ武装ソムリエ許すまじ。



「と、とりあえず今回もダミー相手に試し撃ちしてみるか。」


先程と同様に,動く設定にしたダミーを呼び出す。レーダーで位置を確認しながら、チャージしたビームをダミーの少し前の座標に放つ。



放たれたビームは浮いているデブリを蒸発させながら、一瞬でダミーに迫る。

直進していたダミーは突然目の前に現れていたビームの柱を避けることができず,その勢いのままビームに飲まれる。


とりあえず一発でダミーを仕留めることはできたが,少しやっていることに不満を感じる。


「これ、やってること砲撃っていうより狙撃じゃね?」


「まあやってることは狙撃機に近いな。違う点があるとすれば、大体の障害物を無視して撃てる点と威力が砲撃機の方が高い点だな。扱い的には使い易い狙撃機って感じだな。」


「じゃあ狙撃機は何がいいんだ?」


俺がそう聞くと、古兵は小さな笑みを浮かべながら答える。


「それは使ってみた方が分かり易いんじゃないかな?」





格納庫に一旦戻り、用意された機体で出撃し直す。



古兵が言ったように、狙撃機で出撃した俺は、機体の詳細を見て古兵が言っていたことを理解する。


正直総武総数はさっき使っていた砲撃機(B3)の方が多い。しかし、一つだけ明らかに異彩を放つ文字列が武装欄に存在する。


「なるほど、ステルス機能か...」


「明確にいうと強化機能だな。狙撃機は武装や装甲を少し控えめにする代わりに、強力な強化機能を取り付けるのが主流なんだ。この機体(カメレオンリーパー)はステルス機能だけど、他にも機動力を一時的に上げる機能やあらゆる攻撃を防ぐバリアを発生させる機能もあるぞ。」


「どれも使い方によっては滅茶苦茶に強そうだな...」


「実際どれも強い。砲撃機がよく使う迎撃武装と違って、強化はどれも攻めにも使えるってのが本当に優秀だ。上級者帯では砲撃機より狙撃機の方が多い理由は強化の存在が8割だと言っても過言ではないくらいだよ。」


「そんなに強いのか。」



強化機能が思っていたより高い評価を受けてたことは驚きだったが、自分で試すまでは短とも言えない。

俺はアームに取り付けられたそうさばんを呼び出し、強化を発動する。


すると、全天モニターに映る映像が一瞬ブレる。

その他には何も変化が感じられないが、どうやらこれで強化状態に入ったようだ。


「今のがステルスモードに入った合図だな。この状態だと、近寄らない限り目視でもレーダーでも察知できなくなる。勿論、見えなくなっているだけだから弾を撃たれたら当たるしこの状態でいれる時間に制限はあるけど、簡単に仕切り直して不意打ちを行うことができるのは間違えなく強いよ。」


古兵がそういうと同時に、ステルスモードが終了する。


「大体まとめると、使いやすさの砲撃機、一発逆転の狙撃機という認識でいいのかな?」


「基本的にはその認識でいいと思うよ。たまに相手を混乱させるためにあえて違うコンセプトにするプレイヤーもいるけど、運営が作る機体はそういうことはしないから安心していいよ。」


遠距離を得意とする二種の機体の説明を終えたところで、残りの機体を見る。


「高速近接アタッカーは普段使っているからいいとして、なんで最後に『変態型』ってのがあるんだ?」



古兵は苦笑する。


「まあ運営が初心者に使わせることはないと思うんだけど、一応教えておいて損はしないと思ってね。一応紹介するよ,運営の気まぐれによって生み出された失敗作たちを。」



検索:やる気 出し方



冗談はさておき、今回は遠距離機体の解説でした。


砲撃機と狙撃機をどうやって差別化するか迷った結果、こういう感じになりました。

一応完全上位互換ではないのでゲームバランスは保たれてるはず…いやもう手遅れじゃね?


珍しく神話系じゃない名前を考えてみましたが、割と安直な名前になりました。あと何でも英語の頭文字を使った略称にする癖を治さなければ…


新年早速ギリギリのペースで書いていますが、頑張ってこのペースで投稿を維持できるよう頑張ります!

毎日投稿できるようになりてぇ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ