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空鉄の宇宙 ~親友と一緒に最難関VRロボゲーで最強を目指す~  作者: アカツキ八流
二章:新たな帝王、そして古き者との対決
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希望の光/Hopelight


コロニー廃墟フィールド。


試合開始直後で近くには誰もいないが、既に俺に取っては射程圏内だ。


「さて、と。俺は砲撃準備に入る。レイドラは射線から離れつつ接近して。」


「了解。行ってくる。」


ヘパイストスに乗っているレイドラは背中のスラスターを点火し、超高速で廃墟へ向かう。


俺はレイドラを見送りつつ自分の役割を果たすために機体を動かす。



現在俺が乗っている機体はかなり目立つ見た目をしている。

機体自体はかなり普通の見た目だ。色だけは金色と派手ではあるが、それでもヘパイストスなどに比べると割と凡庸な見た目をしている。


問題はその背中に背負われた巨大な銃だ。

その銃はZS(ゼニススレイヤー)基準で考えてもあまりにも大きすぎる。全長は機体の三倍以上あり、頭の上と足の下から完全にはみ出ている。傍から見れば銃が本体だと勘違いしそうなほどのサイズ差がある。



俺は機体を操作すると、背中の後ろに担がれた銃が前にゆっくりと移動する。機体の手で接続用グリップを握ると、空中にウィンドウが開く。

表示されたウィンドウ上で操作を行うと、銃が変形し始める。ガチャンガチャンと音が鳴るたびに細かいパーツが展開し、銃の大きさがさらに増していく。


変形が終わると、そこにはもはや砲台と呼ぶべき大きさの機械が浮いていた。

その中心でグリップを握る機体を操縦する俺は、両手を擦り合わせる。


「よーし、今日の運勢を占うとするか!」


俺はレバーのトリガーを引く。



砲台の砲口に光が集まる。

ゆっくりとその光は眩さを増していき、やがて前が見えなくなるほど眩しくなる。


そして、光の強さが最高潮に達すると同時に銃口から巨大なビームとして照射される。


ZS数機を余裕で消し飛ばせるほどの太さを誇るビームは廃墟コロニーに直撃する。ビームはコロニーの壁を崩壊させ、そのまま威力が落ちることなく反対側の壁も破壊しコロニーを貫通する。


砲台はしばらくビームを照射し続けたが、数秒後ビームは細くなりそのまま消える。砲台の各所から放熱板が展開され、俺の前に浮いているウィンドウには「クールダウン:60秒」と表示されている。



しかし、すぐにコックピット内にファンファーレが鳴り響く。


「おっ、今日の運勢は大吉か。」


母艦に送り返されながら、俺はそう呟いた。





「思ってたのと違うんだけど」



三戦ほど対戦を行った辺りで、レイドラは不服そうにヘパイストスから降りる。


「ていうかなんだよその武器。確かに高威力の武器を使うって聞いてたけどさすがに廃墟コロニーをぶち抜くのは予想外なんだけど。」


「そりゃそうだ。『ホープライト』はこのゲーム中で最高火力を誇る武器の一つだからな。」



現在俺が使っている武器である『ホープライト』は設定上『対コロニー専用報復兵器』と分類されている。


敗戦が確定したコロニーが残っている全てのZSにこの武器を装備させ、特攻覚悟で敵のコロニーに撃ち込ませる。

一発でも当てることができれば相手のコロニーに大穴が空き、その影響で内側からコロニーを内側から破裂させる。


敗戦したコロニーにとって撃ち出されるビームの光が最後の希望だからという理由で『ホープライト』と名付けられている。



正直、あまりにも悪趣味な名前だとは思うが。



しかし、そのコロニーを破壊するための兵器なだけあり、その威力はとてつもない。


ZSの装甲はもちろん、目の前にあるあらゆる障害物をすべて蒸発させるため、遮蔽物などを完全に無視して撃つことができる。


それはつまり相手の位置さえ予想できれば、スタート地点からでも相手を狙撃することが可能だということだ。

バトル開始時、最も重要視されがちなことは有利な位置取りに着くことだ。しかし、どのフィールドでも明確に有利に立ち回れる場所は限られる。ならば、そのどれかを選び撃ち込むことができれば、かなりの高確率で敵に大打撃を与えることができる。



ハンガーの壁に掛けられた『ホープライト』を眺めながらレイドラは何かを察して俺に問いかける。


「デメリットは何なんだ?とりあえずデカいのと撃つまで時間がかかるというデメリットは分かったんだけど、それ以外にもあるんだろ?」


「実質一試合に一発しか撃てないことだな。それもかなり長い間動くことができなくなるから、完全に的にされる。」



『ホープライト』はその使用用途上、何回も使われることを想定されていない。

元々特攻兵が使用する武器を何回も撃つ必要が無い。一発当てることができれば敵を倒せるし、外した場合はほぼ確実に撃墜される。なので、リロードがどれだけ遅くてもいいのだ。


ゲーム的に言えば、この武器にはクールダウンとリロードが存在する。

クールダウンは『ホープライト』を冷やすまでに必要な時間だ。その間は武器を収納することができず、全く動けない状態で終わるまで待つことしかできない。クールダウンに必要な時間は一分半とこのゲームのゲームスピードを考えればかなり長い。敵に気付かれ一発でも適当な弾を撃たれれば『ホープライト』を再起不能にさせられ使える武装がなくなる。


リロードはビームを撃ち出すために必要なエネルギーをチャージするために必要な時間だ。クールダウンが終わるまでリロードは始まらず、所要時間はクールダウンと同じく一分半だ。


二つを足して三分。その間、相方は一人で戦線を維持しなければいけないのである。



「一時期この戦略が流行った時期はあったんだけど、対策がバレたら一方的に不利な状況に陥ってしまうという欠陥があるからな。さすがにリスクが高すぎるし、すぐにみんな使わなくなってしまったな。さすがに対策できてるやつももうそろそろ出てくると思うし、もうちょっと続けてみようよ。」


レイドラは少し不満そうな表情を浮かべているが、こくりと頷く。


「分かった。でもあと五戦以内に対策を知ってる相手が出てこなかったらさすがに戦法を変えない?」


「いいよ。さすがにそれだけやってダメだったら望み薄そうだしね。」



俺達は再びそれぞれの機体に向かい、コックピットへ乗り込んだ。





再び宇宙へと飛び立った俺とレイドラ。


目の前の風景を見ると辺り一面に大量の岩が浮いている。それらの中心にはその大部分をえぐられた球体だったものが鎮座している。

そのあまりにも特徴的な見た目から一瞬で今回のフィールドを理解する。


「マーズ・デブリか。」


名前の通り、真ん中浮いている球体は火星だったものだ。

何らかの理由で火星の大部分が吹き飛ばされ、その破片が周りに浮いているらしい。


派手な見た目ではあるが、基本的に戦うのは破片のある場所なのであまり火星本体は関係ない。


「今回も同じ作戦だ。撃つ場所はそっちのレーダーにも送っておいたから、当たらないように気を付けながら接近してくれ。」


「了解。今度こそ戦えることを祈っているよ!」


テンション高くレイドラは突撃していく。

俺も『ホープライト』を展開し、予想ポイントへ狙いを定める。


準備完了という表示がされ、即座にトリガーを引く。


巨大なビームが照射される。


しばらく打ち続けた後に、クールダウンに入る。しかし、ファンファーレはならない。


「おっ、今回は対策を知ってる相手みたいだな。さて、しばらくは大人しく待つとしますか。」


しばらく何もできなくなった俺は、じっくりとクールダウンタイマーを眺めることにした。


一撃必殺兵器はロマン兵器。だから相応のリスクはつけなくちゃね?


ちなみにもう一つの最高火力兵器はドデカい核兵器です。

詳しく言うと、今回初登場したフィールド「マーズ・デブリ」の状況を作り出した兵器の小さい版です。

惑星を破壊できる破壊力なので多少小さくても十分やばいです。



ここからはちょっとした戦闘パートです!

割と自分でもうまく書けないか模索中なので少し違和感があるかもしれませんが...


それではお楽しみに!

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