表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空鉄の宇宙 ~親友と一緒に最難関VRロボゲーで最強を目指す~  作者: アカツキ八流
一章:廃れた宇宙、新たなる夜明け
17/41

コロニーの反撃/The Colony’s Counterattack


こんな理不尽なことってあるのか?


そう思いながら必死に飛び続けてから数分が立っている。


コロニーが俺と敵対した時すぐに距離を取って正解だった。

コロニーが撃ってくる砲台の威力が明らかにおかしい。ていうか、そもそもZS(ゼニススレイヤー)に使っていい威力じゃない。一発一発の威力が重装甲のZSでも一撃で蒸発させられるほどの威力がある。

恐らく、設定的には対戦艦用なのだろう。細かい照準合わせができず、撃つ瞬間を見ていれば簡単に避けられる。


問題は数だ。多すぎる。戦争でもする気かよ。いや多分戦争する時に使うやつだこれ。でもそれを一機のZSに使うなよ。

一発ずつであれば簡単に避けられるが、それが三十とかになると話は変わる。正直撃ってくる砲台を確認するのに精いっぱいだ。


弾を避けるのに専念するために、ARWは収納状態に戻している。これでコロニーの弾幕は難なく避けられるが、そのせいで別の問題も発生している。



相手の機体が完全にフリーになっている。

ARWを展開出来たら牽制できるが、正直今の状況でARWを操作できる余裕がない。

そのせいで、相手は完全にフリーだ。両手で持ったライフルを遠慮なくぶっ放してくるせいで全く気が抜けない。コロニーの大砲も絶対当たってはいけないが、相手のライフルも十分やばい。

どうやらあのライフルはチャージすることで弾の性能が強化されるらしい。一発限り威力、弾速、射程距離がすべて向上するというこの強化状態は普通は使えないように圧を掛ければいいが、何も警戒する必要が無い今はいくらでも貯められる余裕が有る。


そんな弾をしっかり狙い、一番避け辛いタイミングに撃ってくるのが厄介だ。今のところ大ダメージには至っていないが、着実に機体にダメージが蓄積している。



このままではじりじり削られて負けてしまう。どうにかしてこの状況を打破できる糸口を見つけなければ。


俺はヘパイストスの武装欄を確認する。この機体に装備されているのは六機のARW 、両腕のビームソード、そして申し訳程度の頭部バルカンのみ。一応手足の爪も武器として使えない訳ではないが、普通にビームソードを使った方がいい。

自分の注文通りに作られた機体だが、今は射撃兵装の欠如が非常にもどかしい。ARWを封じられた今、攻撃が一切できない。




いや、それは違う。

別に封じられているわけじゃない。ただ自分でリスクのない択を取っているだけだ。

でも今の状況が続いても負けるだけだ。ならば、安定を選び続ける必要はない。


そもそもARWなんて安定性の欠片も無い武装を使っているんだ。何で安定した戦い方なんてしようとしてたんだと数分前の自分をぶん殴りたい。


まずはこの不利な状況の打破だ。この状況を作り出している一番の要因は―




俺は4つのARWを展開する。そして、方向転換し、勢い良く突っ込む。


「まずはお前を倒す!」


俺に雨の様な弾幕を降らせるコロニーの方角へ。





「おっ、レイドラが動いたぞ!」


バトラックIIと分の悪い消耗戦を行っていたヘパイストスが急にARWを展開する。

しかし、その数は四機。ヘパイストスに装備されたすべてではない。


「さすがに全部は展開できないか...でも四基あれば剣崎氏を相手できると踏んだか?」


現在レイドラのいるポジションは持久戦を行うのには一番いいが、剣崎氏とコロニーどちらからも離れている。どちらを先に対処するにしても、かなり思い切った選択を行う必要がある。



でも俺には分かる。もう既にレイドラの、いや龍斗の選んだ選択肢はもう決まっている。


それは多分一番理想的な選択肢ではないが、一番派手な結果が訪れる選択肢となるだろう。



「おい、あいつ何やってんだ?!対戦相手はコロニーじゃなくて反対にいるZSだぞ?!」


元帥さんが焦りと困惑が混ざった叫び声をあげる。俺は元帥さんの肩に腕を置き、半分席から立っていた元帥さんを座らせる。


「大丈夫です。あいつならここからやってくれますよ。」





コロニーに近づくにつれて弾幕が濃くなる。


だがそんなのは今の俺に関係ない。減速せず、一気に砲台の懐へ飛び込む。


さすがにコロニー防衛用の砲台とはいえども射角限界は存在する。射角外に出れば近くに居ても撃たれることは無い。さらに、俺はコロニーの外壁とほぼ密着している状態だ。防衛装置が守る対象を撃つことはできない。


先行させていたARWはそれぞれ別の砲台に攻撃を仕掛けている。

ARWの攻撃力では一撃で倒すことは叶わないが、ダメージは与えられる。ARWでダメージを蓄積してビームソードでとどめを刺すのが今のプランだ。



まずは最初の砲台に斬りかかる。砲身を水平に一回斬り、短くなった砲身にビームソードを突き刺す。

ビームソードは折れることも刃こぼれすることもなく、機体のエネルギーがある限り使うことができる。腕に埋め込まれているため、腕がなくならない限り武装解除される心配もない。


突き刺したビームソードで砲台の中身を穿(ほじく)る。エネルギーによって生成された刃を当てられた機械類から黒煙が上がり始め、火花を散らす。


十分ダメージを与えたと判断した俺は、ビームソードを引き抜き砲台から距離を取る。


「まずは一つ!」


ダメージに耐え切れなくなった砲台が派手に爆発するのを確認し、次の砲台に向かう。




そこからは半分作業と化していった。ARWで傷つけた砲台にとどめを刺す。その間に空いたARWは他の砲台に攻撃させる。

射程範囲内に入っても、コロニーに密着していれば撃たれることは無い。俺の情報処理能力にも余裕が生まれ、稼働するARWを再び六機に戻す。


単純の作業になり少し気を抜けかけていた時に、急に戦況が変化した。


先程まではコロニーに近すぎて無抵抗だった砲台がそれでも構わないと言わんばかりにビームを発砲する。


「危ねぇ!」


何とか撃たれる前に動きを察知しヘパイストス自体は回避に成功したが、ARWが二機ほど巻き込まれ消滅する。ARWの耐久力が高いと言えど、ZSを消し飛ばすほどの威力を持っている砲台の攻撃は耐えられない。


「クソっ、あののっぺり顔との戦いに取っておきたかったけど、いまさら言っても無駄だ。このままどんどん行くぞ!」


気を引き締め、弾幕を避けながら攻撃を再開する。



避けて、斬って、刺して、撃って、ちぎって。

機体の武器となりえるものすべてを使い砲台を破壊していく。


すると砲台の数も段々と減っていき、残り5基となる。


砲台が砲撃を再開してからは避けた弾がコロニーに当たり、外壁は既にボロボロになっている。

しかし、既に砲台はコロニーの保護よりも俺の撃墜を優先している。躊躇なく最大火力でビームを撃ち続ける。


「そんなに適当に撃った弾に当たるかよ!」


危なげなく弾を避ける。さっきまで俺がいたのはちょうど二機の砲台と一直線に並ぶ位置だ。砲台が乱れ撃った弾はお互いに当たり、当然爆発する。



これで残り三機。残りも破壊しようとした時、ふと嫌な感覚がする。

俺は咄嗟にARWを一機自分の後ろに飛ばし、回避行動を取る。すると、高出力のビームがARWに当たり、少しずれてヘパイストスの右腕をとらえる。


まともに高出力のビームを食らったARWは砕け散り、ヘパイストスの右腕は火花を上げる。

完全に電子系統がやられている。使い物にならなくなった右腕をパージし、ビームが飛んできた方角を見る。


肉眼では見えないが、モニターで拡大するとライフルを構えたバトラックが映る。恐らくコロニーに弾が当たってもリスクが無いと判断したのだろう。仕掛けられた先制攻撃に見事被弾してしまったようだ。



決めていた目的だった砲台の破壊を完遂したいが、さすがに大会優勝を捨てる訳にはいかない。



残ったARWは三機。

機体の右腕は失ってしまったが、最大速度にあまり変わりはない。



「そんなに倒されたいならぶっ潰してやるよ!」


残った三機のARWを周りに停滞させ、ヘパイストスの最大速度でバトラックのいる方角へと飛び立つ。


書き溜めていた分がだんだんなくなってきて焦りながら書いてます。


バトラックIIが使っていたライフルですが、正式には「チャージライフル」というカテゴリーに属する武器です(詳細は決めてはいませんが)。基本は単発兵装、チャージすることにより長距離高威力の狙撃ができるというものです。

なので『バトラックIIエースパロット仕様』は分類的には「狙撃ができる中距離機」ということになります。要は機動力のある狙撃機です。割とチートの部類に入る機体です。


指は治ってませんが何とか書けたので次も投稿できそうです。それでは次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ