三題噺第16弾「草」「クリスマス」「暗黒の殺戮」
“クリスマス”。
誰しもが恋人たちのイベント事だと思うだろう。
この戦場のメリークリスマス以外は。
戦場のメリークリスマス。
イギリス軍とドイツ軍が“暗黒の殺戮”と呼ばれる戦闘を繰り返した最中、クリスマスの日に突如として武器を放り投げ、休戦を申し込んだのだ。
イギリス軍とドイツ軍は先ほどまで殺し合っていたのに、旧知の中のように肩を組み、これでもかというくらい話し合った。
しかし、この休戦は上官の命令からなくなり、次の日から再び戦闘は激化したのだった。
“草”木も生えない荒野で銃声の音は鳴り響く。
戦争は正義なのか悪なのか。ここにいるものは、誰にもわからない答えを見つける事なく、何も考えずに、ただただ引き金を引きまくった。
自分が死にたくない一心で引きまくった。
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