休憩
お待たせしました
あらすじ
狩りから帰ります
「よっっ。やっぱり、ちょっと重いなぁ。」
薬草がいっぱいに入った篭を背負って歩くには、慣れない森はちょっときつい。でも、怪我をしているレナさんに無理はさせられないからね。それに、この世界で生きていくには、もう少し筋肉をつけておいて方が良さそうだし。うん、頑張ろう。
「やっぱり私が持つわよ、ミツキ。」
「もしかして、声に出てました?」
「ふふ、顔にもね。ここを少し行ったところに大きな切り株があったはずだから、そこで休みましょう。」
半分を越えたところで、レナさんが提案してくれる。
獣人とはいえ、カイ君も自分と同じくらい大きな魔物を運んでるから、多少は疲れてるだろうし、レナさんだって右足に怪我を負ってる。あんまり急ぐ必要もないから、ここで少し休んでおいた方がいいのかな。
「そうですね。そうしましょうか。」
「うん。急ぎじゃないし、ゆっくり行こう。」
カイ君も同意する。やっぱり少し疲れてるのかな。いや、レナさんが心配なのか。
少し歩くと、休むのに丁度良さそうな大きな切り株が見えた。
どさっ
ぼすっ
ついつい荷物を気にせずに座ってしまう。背中の薬草のことを考えてなかった。同じように荷物を雑に置いてしまったカイ君も、こっちを見て苦笑いをする。
「こらこら、私たちの食料、兼稼ぎになるんだから。二人とも、もうちょっと気をつけて置いてね。」
「「はーい。。」」
皆が顔を見合わせる。
「「「ふふっ、あははは。」」」
やっと、ずっと張りつめていた緊張が解けた。ここまでずっと、周りを警戒しながら黙々と歩いてきたもんね。
二人の表情も心なしか柔らかくなった。
「んーっ。さすがにちょっと疲れたなぁ。慣れない森の中を、荷物を背負って歩くのはなかなか大変だね。二人が羨ましいや。」
軽く伸びをして、おどけるように言ってみる。
「あはは、そうかな?
ミツキ姉、凄かったよ!初めてなんでしょ?こういうの。傷の処置とか、とっさの時にもちゃんと動けてたし。順応力というか、対応力?本当に凄いよ!」
「いやあ、照れちゃうなぁ。//」
あれ?カイ君の私の呼び方が、ミツキお姉ちゃんからミツキ姉に変わった!
レナさんと同じ呼び方!私もお姉ちゃんとして認めてくれたのかな?
始めて会ったの昨日なのに。今日一日一緒にいたからかな。
ミツキ姉、、、ミツキ姉。
ぐふ、ぐふふ、ぐへへへへへ。
やばい。無性にカイ君の頭を、両手で思いっきりわしゃわしゃしたい!
すーはーすーはー。いかんいかん。今は我慢、我慢。
ひとりで驚いたり、喜んだり、変な顔でニヤついたり、真面目な顔になったりするミツキを見て、レナは肩をすくめ、カイはまた苦笑いをするのであった。
全部、顔に出てるみたいです
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