ちびもふ紹介!
今回は短めです。設定を練り直しました。
これまでのあらすじ
しばらく町でお世話になることになりました。
2019/5/15
読みやすいよう、レイアウトの変更と、文章の方にも修正を入れました。
「おはよう!」
そう言って、レイのお姉さんが窓の扉を一気に開ける。
「んむぅ・・・」
日は昇ったばかりだが、山から覗く太陽は、ミツキを眠りから覚ますのに十分眩しかった。
「おはよう、ございます。。」
元引きこもりのミツキにとっては、まだ寝てる時間だ。
むしろ眠る時間とも言える。
とはいえ、昨日は色々あって疲れたのか、夕食後すぐに眠ってしまったから、眠気はあまり残っていない。
「はい、おはよう。
顔を洗ったら、朝ごはんまで子どもたちのお散歩お願いね。
朝ごはんを食べたら、今日は私と一緒に狩りに行くわよ!」
レイのお姉さんはそれだけ言うと、すぐに下へ降りていってしまった。
外からは既に、子どもたちの楽しそうな声が聞こえてくる。
朝早いって言うのに、元気いっぱいだ。
獣人族のほとんどは、空が白んだ頃に目を覚ますんだって。
みんな早起きだね。
中には夜の見張りを専門とする種族もいるみたいだけど、ほとんどの人は、太陽に合わせた生活をする。
夜行性とかはあんまり関係が無いみたい。
まだはっきりしない頭を醒まそうと、寝ぼけ眼のまま、家の裏にある水汲み場へと向かった。
ちなみに私が使わせてもらっているのは、二階の端っこの部屋だ。六畳はある。
あまり仕事のない私には、中々の厚待遇だ。
水汲み場の真上にあって、階段も目の前にあるから、水汲み場にいちばん近い。
階段を降りてすぐ、水汲み場を壁で挟んだ所は調理場だ。
今はレイのお母さんが、鼻唄混じりに朝ごはんを作ってくれている。おかみさんに挨拶をして、勝手口から裏に出た。
水汲み場から見上げると、家の壁に梯子(木でてきたくぼみのある突起)かあり、私の部屋の窓へと繋がっている。
何かあった時の為らしいけど、子どもたちの遊具になってたみたいで、かなり使い込まれてる。
昇り降りも楽そうだし、慣れたら私も使おうかな。
そんな事を考え、水汲み場で私が顔を洗っていると、子どもたちが集まってきた。
ん?ここって表からは見えないはずだよね?
と思ったらなんと、お姉さんが私を起こす声が聞こえていたらしく、私が降りてくるまで近くで待機してたんだそうだ。
恐るべし、ちびもふたちの聴覚。
まぁ、お姉さんの声大きかったもんね。
「ミツキ、お散歩いこ!」
「まちくたびれたぜ。」
「「はやく、はやく!」」
「わたしが色んなハーブ教えたげる。」
子どもたちは毎朝、お散歩のついでに朝のスープに使うハーブを採ってくるのが日課らしい。
上から順に、簡単なちびもふたちの紹介を。
人懐っこい犬獣人のフィリップ。
尻尾がせわしなく動いている。私の裾を掴んで離さない。可愛い。その手、泥ついてるけど。
ちょっと背伸びしたがるお年頃、獅子獣人のレオ。
ツンデレさんかな。彼の方を見ると、目を逸らして少し赤くなった。可愛い。尻尾が揺れてる。そっちは嘘つけない感じかな。
息ぴったりな双子のイタヅラっこ、鼬獣人のウィルとウィズ。
私の周りをちょこまかと動き回っている。可愛い。ちょっと悪態が多い気がする。悪ガキって感じ。
知識豊富なおませさん、鷹獣人のフィリー。面倒見がよく、少し気のぬけた大人しめの女の子。可愛い。感情表現があまり得意じゃなさそうだ。
みんな子どもなので、毛が柔らくてふわふわしてる。
もふもふしがいがありそうだ。ぐふふふ。
おっと、いかんいかん。みんなに警戒されないよう、しっかりしないと。
私のもふもふ計画が…げふんげふん。
町に早く馴染みたいからね!
「よし、すぐ着替えてくるから、少し待っててくれるかな?」
「わかった~。」
「うん、待ってる!」
「ち、しかたないな。」
「「おそかったら置いてくぞー」」
ちびもふたちが待っているので、梯子を使って急いで着替えにいく。
昨日、お姉さんに借りた動きやすい服に着替える。初期装備のカバンとナイフも忘れない。何かあったら私がみんなを守らないとね!
一応、鏡の前で一周も忘れない。
よし。
下りも梯子を使って素早く戻る。
「お待たせ!じゃあ、行こうか。」
子どもたちに手を引かれて、東の森へと歩いていく。
おさんぽ。非常に楽しみである。うん。ぐふふふ。
時折変な顔で笑うミツキを
子どもたちは、不思議そうに見ていた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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