ミツキ、ふりーだむ
ようやく。ようやく、小説の題名及びあらすじ通りの展開です。
ほとんどタイトル詐欺だなんて、そんなことありません。ありません!
前回までのあらすじ
ザッシュがザッシュじゃなかった!
もう、レイめ!
レディ、、とは言わないけど、戦闘初心者をこんな奇っ怪な動きをするお爺ちゃんと二人きりにする?普通。
ザザザザッ
森を抜ける風の音に紛れて敵が周囲を駆ける。
っ来る!
何度めとも知れない、見えない敵からの攻撃。
さすがのミツキもなんとなく攻撃のタイミングが分かる。
ありとあらゆる投擲物の雨あられ。
それは矢、手裏剣に似たもの、棒手裏剣、石や土塊、果ては眼に見えにくい無色透明の鋭利な破片のようなものと、本当に様々。
その上火の玉や水の玉、光の矢など魔法も混じってると来た。
すべてに有効な防御魔法など無いに等しい。
つまり、力業で凌ぐしかない。
その上さらに、全ての攻撃のタイミングを微妙にずらして、魔法防御の隙をついてくる。嫌らしいことこの上ない。
その為、常に全方位に防御を張っておかねばならないのだ。
親の顔が見てみたい、、、おじいちゃんだから無理か。。
しかも時々姿が見えたと思えば、地面に散らばった投擲物を回収してすぐ森の中に紛れる。とても反撃などできない。
敵の攻撃が止む気配もない。
・・・。
____。
っぁぁああああ!!!!
もうっ、面倒くさい!
ミツキは怒ったような、イライラしたような、とにかくスゴく嫌そうな顔をした次の瞬間
__ゆらり
「ふっ、ふふふ、ふふふふふ」
ふいに両手をだらりと下げ、不気味に笑い出した。
今だ止まない攻撃の最中に、だ。
どうやら、ついに壊れたらしい。
~~~~
気を抜くことのできない戦いの中、何故か両手をだらりと下げ大きな隙を見せる敵。
ロッドは罠を警戒しつつも、その隙を逃すまいとより強く激しい攻撃に転じる。全ての罠を使いきる勢いだ。
さらに、威力を増した投擲物が途切れるその瞬間を狙い、風の刃を纏ったロッド自身が特攻を仕掛けに行く。
~~~~
いっこうに終わらない嫌らしく巧みな攻撃。
いつまで続くとも知れないまどろっこしい戦い。
「ふっ、ふふふ、ふふふふふ」
ミツキは、キレたのだ。
両腕をだらりと下げ、幽鬼のごとく揺らめくミツキ。
眼前に迫る攻撃。
さらにその投擲物の背後には、周囲を切り裂き揺れ動く影が迫っている。
仕留めた!
ロッドがそう確信したその時、
ズガンッ!
ズウゥゥゥンッ
目の前に岩壁が現れ、足元が大きく揺れる。
同時に起こった凄まじい衝撃波が、纏った風の刃もろともに、ロッドの身体を塵のごとく後方へと吹き飛ばした。
突然のことに疑問は尽きないが、とにかく空中で体制を整え風魔法で衝撃を緩和しつつ着地する。
何が起こったのか衝撃の元を辿れば、今度はにょきにょきうねうねと、樹々が生き物のように動いているではないか。
もう、開いた口が塞がらない。
ミツキという特異な存在をよく知らないロッドには、とても理解できる、受け入れられる状況では無かった。
それはもう、とっくに許容範囲を越えていた。
「・・・へっ?・」
ロッドは間の抜けた声を漏らすと、思考と共に完全に動きを停止した。
気がつけば、周囲に張った罠は吹き飛んでおり、いつの間にか触手のように伸びてきた樹に巻き付かれて、身動きひとつ取れなくなっていた。
~~~~~
ふんスッ
「よしっ!」
ミツキは鼻息荒く両手を腰に当て、何かやり切ったような顔で大仰に頷いた。
「まったく、おじいちゃんならもっと体を大事に、自宅でのんびりしてれば良いのに」
真っ白い顎髭を伸ばした鼻の高い老人を前に、何だか、しょうがない子を叱るような、諭すような態度でぼやくミツキ。
対する老人ロッドは、口を半開きに目を瞬かせ間の抜けた顔のまま、左目に大きくかかった山高帽がいまにも落ちそうな状態だ。
なんだか、コテッ、と変な擬音が聞こえてきそうだ。
本来なら、『誰の為行だ!』と盛大につっこみたい(つっこんで欲しい)ところだが、今のロッドにはそれどころでは無かった。
「な、何を、、した?、、」
呟くように言葉を漏らすだけで、精一杯だ。
「ん?えっとぉ、
地面の土を、こう、勢い良くガッ!と盛り上げて
木をムチみたくシュビッ!と操って周りの罠を森ごと吹き飛ばして
そのまま木のムチでおじいちゃんをぐるぐる捕まえ、た、、??」
擬音語と共に大きな身ぶり手振りを加えて、感覚的な割りと適当な答えをするミツキ。
最後は何故か頭をコテンっと傾げた、疑問符つきである。
本人としては、結構一生懸命説明したつもりなのだが。。
再び、間の抜けた顔のまま動きを停止するロッド。白目を剥いてるようにも見える。
また、今にも「へっ?」と聞こえてきそうだ。
いや、今度は魂のような見えない何か大切なものが、ロッドの口から抜け出ているような気もする。
しばらくすると
突然、カッ!と音が聞こえそうなほどに勢いよく目を見開き
「んなバカな事があって
た ま る くゎあ あぁぁ"ぁ"!!!」
__ああぁぁ__あぁぁ__ぁぁ____、、、
これでもかという程大きな声で叫んだ。
見事な木霊付きである。
もちろんミツキは半目で耳を塞ぎ
少し距離をとっている。
これでもオタクの端くれなのだ。お約束くらいは知っている。
いつも守るかは別として、、
音が遠のいてから、顔を軽く斜めにくいっと傾げて
気がすんだ?といった顔でゆっくり近づくミツキ。
ピシッ
何かにひびの入いる音が聞こえると、
「こんの、アホんだらああぁぁ"ぁ"!!!」
再び雷が落ちた。
今度は近くでもろに食らった為、しばらく耳鳴りの音しか聞こえなかった。
自業自得である。
たとえ、その間にどんな悪態を吐かれていたとしても。
そこは、不幸中の幸いと言えるかもしれない。
と、そこへ
がさがさがさっ!
「ミツキっ!!」
何やら慌てた様子のレイが飛び込んできた。
っ?!
ぐりんっ!と凄い勢いで振り返るミツキ。
その目がしっかりとレイを捉えた。
くわっ!
ガバッ!!
もふもふもふもふもふもふもふもふ
、、、、、、、、
_______
奇声を聞きつけ慌てて駆けつけたレイを襲ったのは、、ミツキだった。
「ちょ、、いいかげ、、
はな、、、離せぇえ"ぇやっ!!!!」
突然のことに混乱ししばらく固まっていたが、いつまでも離れないミツキにさすがに正気を取り戻した?レイが、ミツキを投げ飛ばした。
それはもう、思いっ切り。
半獣人化した身体で。
ごひゅんっ
ドゴッ!
ガッ!ふっ、、、
投げ飛ばされて吹き飛んだミツキは、その先にあった木に背中を打ち付けそのまま動かなくなった。
「あ、、み、ミツキ?
ミツキっ!!」
今度こそ正気を取り戻したレイが、自分で投げ飛ばしたミツキに駆け寄る。
「ミツキっ、ミツキ!
しっかりして、ミツキ!」
慌てた様子でミツキの体を大きく揺すり、必死に名前を呼ぶレイ。
「、ん、、あ?
、、も、もふもふ、、」
ぼんやりと覚醒した意識の中、ミツキの目に真っ先に入ってきたのは、__犬耳。。
ほぼ無意識に手が伸びていた。
そして、
ゴスッ!
ミツキは再び意識を失った。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
ギャグ回、、息抜き、、、、です。ですっ!
次回からシリアスが戻ってきます。きっと、たぶんシリアス。
少しでも面白いと思っていただけたら幸いです。
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はい、すみません。




