過去
遅くなりました。
同日、18:40 編集
すみません。ギリギリに付け足したので伏線的に結構重大なミスを犯してました。。
ついでに文章も少し修正しました!
伏線的な違いに気が付いた方は、凄いかもしれません。
(作者的には結構嬉しかったり、、(/ω\*) )
あらすじ
死神と獣に、ミツキたちが置いてけぼりを食らいました。
「くそっ!」
しゅぱぱぱぱ
「ぐっ」
ズッ
ドガガガガガ!!
音をも置き去りにした二人の闘いは、やがて互いの肉体の限界へと達していた。
彼らの速さは身体能力だけによるものではない。風魔法による身体強化である。
戦闘中、常に魔法の風を纏い、それを自分の動きに合わせて動かすことで常人を超えた動きを可能にする。これは以前ミツキが無意識に使っていた魔法である。ただし、この二人の魔法は熟練度が違う。
彼らは今音速をも超えて戦っている。こんな動きができるのは並々ならぬ修練をしてきた彼らだからこそなのだ。
たとえば、先ず動きが見えていなければ話にならない。加えて一瞬で次の動きを判断できる頭と音速以上の身体強化に耐えうる肉体。そして何より、魔法操作の技術が必要である。それだけの速度の中で一分の狂いなく自らの動きに合わせて風魔法を扱う、とてつもなく繊細な魔力制御力。それも息をするように自然に行える程のレベルでなければ、実戦で使うことなどできない。
それは、超人と呼ぶにふさわしい戦いであった。
白い毛先と濃紺の毛並みが美しい、半分獣人化した青年。彼の表情は険しいが口端は上がっており、それがより彼の野性的な狂気のようなものを際立たせている。
限界が近いようで、額には血管が浮き出ており息も上がってきている。
彼が舞うたび、汗と身体を掠めた刃が残した赤い血が宙を舞う。
(なんて速さだ。こんなスピード出せるのかよ。もう人間やめてるだろ!
そういう僕も付いていってるんだけど。ホント、自分でも驚いてるよ。
まあでも、さすがにそろそろ限界近いんだけどね。もうちょっとだけ持ってくれよ、僕の身体!っってんなこと考えてる余裕もないかっくっ!!)
対するのは、眉間が深い強面の耳の長い老人。厳格そうな彼は今、背筋がぞっとするような不気味な笑みを浮かべている。
3百年は生きてきたその体は既に悲鳴を上げており、先ほどから骨や筋肉がきしむ音が聞こえている。額には血管が浮かび、目は赤く充血している。
それでも、笑っている。
徐々に相手の攻撃も掠るようになってきた。彼が攻撃を繰り出すたび、彼の汗と相手の刃が掠め取った血が、きらきらと地面を濡らす。
歯を強くかみしめ大きく上がった口角と、吊り上がった目じりに細長く鋭い瞳孔。狂喜に笑う死神は、自分の限界を感じてさらに笑みを深めた。
(この速度でも付いてくるのか!くふふっ、くふふふふっ、くははははは!!
楽しい、楽しいぞ!
そう、そうだ。俺は今、この時の為に生きてきたんだ!!)
彼の頭にちらつく過去。
それを振り払うかのように頭を振り、快楽に身をゆだねるように再び戦いに意識を戻そうとする。
しかし限界を迎えた彼の身体は、刻みついて離れないその過去を否応なく突き付けてくる。
幾度となく経験したその痛み。限界を超え心をすり減らして歩いてきた、思い出したくない____記憶。
~~~~~~
「オラッ!さっさと立たねぇか!!」
ゴッ!
「かはっ、、けほっげほっ、、」
硬いブーツが骨にぶつかる重低音が身体中に響き、一瞬で肺から空気が吐き出される。どうやら背中を蹴られたらしい。
身体はもう立つこともままならないほど消耗している。
(立た・・なきゃ・・。処分、なんて・・されてたまるか!)
ふらつきながらも何とか立ち上がった。
がっはっ!!
今度は両肩を掴まれ、鳩尾に思い切り膝を入れられる。
「くはははっ。俺様がじきじきに相手してやってんだ。まだくたばんじゃねぇぞ?」
視界がかすむ。もう立っているのかさえ分からない。このまま眠りに落ちてしまえたらどれほど楽だろう。
「オーラ、さっさと立ぁて、よっ!!」
ざっざっ
ゴスッ!
また鳩尾だ。助走をつけて蹴られたらしい。まともに呼吸もできない。瞼も重くて開かなくなってきた。
立たなきゃ。
ひゅー、ひゅー、、、
「おいおい、なんだその目は?寝てんじゃねぇぞ!」
ガスッ
今度は左頬をぐーで殴られた。拳からはみ出した小手が痛い。これは少しの間上手く話せないかも。また叱られる。あぁ、手は後ろに組んでなきゃ。
カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン
「ちっ、もう時間か。命拾いしたな、《 》。また明日もかわいがってやるよ」
「あ、りがとう、ございました、、」
「おい、倒れるなら戻ってからにしろよ?俺が運ばされんだから」
ざっ、、ざっ、ざっ、、、
(やっと、つい、た、、)
どさっ
僕はやっとのことで藁が敷かれた小屋にたどり付くと、倒れるままに眠りについた。
カーン、カーン、カーン、カーン
「はっ!」
(もう朝か。昨日もごはん食べれなかったな)
「《 》くん!これ、昨日のご飯。少しだけだけど、もらっておいたんだ」
茶髪の男の子が話しかけてくる。
いつも僕にやさしくしてくれた子だ。けど、顔も名前もよく思い出せない。
「あ、ありがとう。」
僕は差し出された固いパンを小さくちぎって咀嚼する。昨日殴られた頬が痛くて噛みにくい。
ぐぅぅ
「君は?食べないの?」
「僕は、、」
僕は貰ったパンを半分にちぎって彼に差し出す。
「はい、これ」
「いいの?」
「君がくれたんじゃないか」
僕は笑って頷いた。
「うん!」
彼も眩しいほどの笑みを返してくる。
ガンガンガンガン
「時間だ」
小屋の入り口で大人の人が鉄の扉を乱暴に叩いた。朝の掃除の時間だ。
「おい!貴様ら
少しは風呂に入れ、臭いぞ」
通り過ぎざま、僕たちは大人の人に注意されてしまった。
そういえば、このところお風呂に入れてなかったから結構臭い。仕方ない、掃除ついでに身体も洗っちゃおう。
僕らの一日は、この掃除から始まる。
水の入ったバケツとブラシと雑巾を持って、大人の人の部屋から外壁まですべてを廻る。
ここは軍のじっけんじょうらしくて、結構広い。周りは3方を森に、北側を海の崖に囲まれていて、僕らが外壁より外に出ることは滅多にない。だから、周りがどうなっているのかもよくわからない。
僕たちは誰からも見放されてここに来た。ここにいるのはそういう子供たちばかりだ。
ここでは、最低限の衣食住に厳しい訓練の日々がただ繰り返される。根を上げてしまえば、処分か生還の難しい実験送りらしい。少なくとも僕は、戻ってきた子を知らない。
「今日も大変だったね、掃除」
「そうだね、けど思ったよりは早く終わった。
今のうちに僕らも身体洗っちゃおう!」
「うん!」
僕らは着ていた服を脱いでバケツの水をかぶり、身体中をこする。終わったら僕が風の魔法で一気に乾かす。
これかなり寒くて痛いから、僕らもあまりやらない。最終手段ってやつだ。でも最近は僕らの日課になりつつある。
「ありがとう!
今日は何の訓練かな、、」
「いつもと同じ。ひたすら走って筋トレして、大人たちとの模擬戦でたくさん叩かれて、最後に打たれ強さを鍛える。つまり大人たちのストレスの捌け口になるだけさ」
「あ、ははは。。そうだね、、」
茶髪の彼は少し俯いて目を逸らした。
そう、これが僕らの日常。当たり前だった。
だって僕らは捨てられた子だから。誰にも必要とされなかった、余りモノ。
僕らはただ、生きることに必死だった。
ここまで読んでくださり、ありごとうございます。
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知らぬ間に、ブックマーク50件突破してました!!
読者の皆様、本当にありがとうございます m(__)mペコリ




