ちびもっふ
かなり空いてしまい、すみません。
あらすじ
家に帰ってきました。
ちゅんちゅん。
窓(現代ならそう呼べるかわからないほど開放的だけど)の戸の隙間から、眩しい光が差し込んでくる。
窓の戸を開けて、カーテンを下ろしながら全身で伸びをする。日が昇ったばかりの朝の風が舞い込んでくる。目を覚ますのに丁度いい、よく澄んだ冷たく心地いい風だ。
うん、今日もいい朝だ。
昨日は、あれからレイとライさんに軽く何があったのかを話しただけで、何事もなくみんな大人しく床についた。カナさんの圧がちょっと怖かったけど、特に何も言われなかった。カナさんの圧は自意識過剰かもしれないけど。いや、レナさんとカイ君の態度がそう思わせるのかな。やっぱりどこの世界でも、母は強し、だね。・・意味が違うか。
あっそういえば、今日もちびもふたちとのお散歩があるの忘れてた!昨日はフィリー(鷹獣人の少しませた女の子だ)に悪いことしたからなあ。あんまり構ってあげられなかったし、それを誤魔化すためにスープ用のハーブ採りすぎちゃったからなぁ。今日はみんなで遊べるように何か考えようと思ってたんだけど。
うーん、どうしようか。
「ミツキー!そろそろ起きないと、ちび達が痺れ切らして待ってるよー。」
やばい、もう来てる。
そりゃそうか。日が昇って少し経つし、昨日だって私を起こすレナさんの声を聞いて、水汲み場で待ち伏せてたもんね。
「はーい。直ぐ行きまーす。」
今日は、先に着替えて荷物を持ってから下に行こう。どうせみんな待ってるみたいだし、2度手間になっちゃうからね。ちなみに昨日の服は私が泥だらけにしちゃったから、今日は別のお古を着る。八分丈くらいのワイドパンツみたいな深緑色のズボンに長めの靴下、虫とか草とかいろいろ心配だからね。上は七分丈の袖口がゆるっと広がった白いシャツに、初日のケープを羽織る。一応袖口を細いベルトみたいなので止めてる。
そう、白いシャツ。
大事なことだから2回言ったよ。
だって、この歳で2日も連続で服を泥まみれにして、あの姉弟に何を言われるか。しかも今回は可愛い白のトップス。考えてみて。昨日の感じだと完全に私、イジられポジ確定・・。うん、今日は絶対汚さない、絶対。意地でも。
別に、フラグとかじゃないよ?自分にちゃんと言い聞かせておかないと!
そうそう、どうでもいいかもしれないけど、泥だらけになった服は昨日から裏の勝手口にぶら下がってた。なんでも泥汚れはしっかり乾かして、はたいてから洗った方がよく落ちるらしい。先人の知恵ってやつかな。え、誰でも知ってる?ごめんなさい、私は知らなかったんです。そういえば、昔の人は手が汚れたら砂とか土で手をこすって汚れを落とすんだって聞いたことあるなぁ。あ、そんな情報いらないですか、そうですか。
「「「ミツキー!」」」
おっと、とにかく急がないと。
ハッ、「ちびもふたちが私を呼んでいる!(キリッ)」
うん、バカやってる場合じゃないね。
私は颯爽とケープを翻し、壁のはしごから降りる。
最後に何段か飛ばして降り立った時に、ちょっと足が痺れたのは内緒だ。
しゅたっっ(軽く腕をあげてポーズを決める)
「ミツキ、かっこいい!」
「ったく、待ちくたびれたぜ。//」
「「寝ぼうだ、寝ぼうだ!」」
「ミツキ。。」(フィリーが控えめに私の裾を引っ張る、可愛い//。)
「みんなお待たせ!(キリッ)顔を洗ったら、すぐ出発だ!」
そう笑顔で胸を張って言ってから、ケープを翻してみんなに背を向けて顔を洗う。
なんだろう、この厨二病ごっこ。すごい楽しいっっ。みんなの視線も心なしか敬いを帯びてる気がする!よし、今日はこのままお散歩に行こう。フィリーの件もなんかこのままいけそうな気がする。
「それじゃあみんな、冒険に出発だぁ!」
軽くこぶしを突き上げてから、いつもより少し歩幅を大きく、胸を張ってみんなを先導する。
歩幅の狭いみんなは時々小走りでついてくる。若干2名は私より前に走り出て、ちょろちょろ寄り道をしながら私と離れ過ぎないようにしてる。ちなみに1人は私の裾をつかんだまま、1人は横と後ろでちょろちょろ、もう一人は少し離れた後ろで距離を保ちながらついて来てる。
あぁ、みんな可愛すぎて、今すぐにでもぎゅーっと抱きしめたい//。そうだ、今日は草原で全員をもふもふしよう!周りを転げまわるちびもふたちが目に浮かぶ。。
それぞれミツキのことを見てたこどもたちは、みっともなく破顔するミツキの様子に、(あ、まただ)ただ、そう思うのであった。
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