帰宅
あらすじ
町へ帰ってきました。
2021/03/13
ちょこっと修正。カナさんの語り、ちょっと説教説教しすぎてたので。
「「ただいま。」」
「ただいま戻りました。」
「おかえりなさい。
あら?レナ、どうしたのよその足。」
「あー、ちょっと魔物に引っ掻かれちゃって。」
「軽く処置はしましたが、結構深かったので、詳しい人に見てもっらた方がいいと思います。」
「そう。レナ、そこに座りなさい。私が見るわ。」
カナさんがちょっと怖い顔で言う。
「うん。」
黙ってみていると、カイ君がそっと教えてくれた。
「お母さんは回復魔法が得意なんだ。僕も教えてもらってて少しはできるんだけど、まだまだかすり傷を治せるくらいで。」
「そうなんだ。」
カナさんはレナさんの足の布を外すと、首を傾げた。
「あら、そんなに深くないわね。みんな怖い顔をしてるから身構えちゃったじゃない。」
「え?そんなことは‥‥ 」
そういいながら、レナさんの傷を見る。
「あれ、ホントだ。もっと深いと思ったんだけどなぁ。」
「僕ももっと深かったと思う。結構血も出てたし。」
「本当ね。私も足を切るくらいの覚悟してたんだけどなぁ。本当にただのかすり傷だ。」
さすがにかすり傷ではないと思うけど、傷は浅い。血も止まっていて、既にかさぶたができてる。
「一応、回復魔法をかけておくから、今日はあんまり動かないで安静にしていなさい。」
「うん、わかった。」
「良かった、レナ姉。僕、、、。」
「そんな顔しないでよ、カイ。」
「だって僕のせいでレナ姉が。また目の前でお姉ちゃんを、、。僕、ぼく、、。」
カイ君が子供みたいに泣きながら言う。
「カイ・・・。」
レナさんがカイ君を抱きしめる。
「レナ、ミツキ、カイ。何があったのか説明してくれるわね?」
「「「はい。。」」」
みんなで今日あったことを話した。エルフの森の国境まで行ったこと。薬草を採っていたら魔物に襲われたこと。レナさんがカイ君をかばって怪我をしたこと。帰りに切り株で休んで少し元気になったこと。
全てを、包み隠さずに話した。
「そう。ミツキ、本当にありがとう。」
「いえ。大したことはしていませんから。」
「そんなことないわ。レナを、カイを、助けてくれたもの。」
カナさんが優しく笑う。
「それにしても、あの切り株でねぇ・・・。」
「「「・・??」」」
「あの切り株って?」
「私たちもね、似たようなことがあったのよ。あれは昔、お父さんと二人で狩りに行ったときね。私結構な大怪我をしたのよ。お父さん、凄く慌てちゃってね。あの大きな切り株で休ませてもらったの。少し休むつもりが急に眠たくなってきちゃって。結局日が暮れかけるまで寝ちゃったの。だってお父さん、私が気持ちよさそうに寝てるからって、起こしてくれなかったんだもの。でもそのお陰か、傷の具合がすっかり良くなっちゃってね。目立つ傷跡も残らずに済んだのよ。
あの切り株はね、昔から森の守り神様がいると言われていてね。獣人のみんなに、大事に大事にされてるの。森の神様があの切り株で私たちを見守ってくださっているのよ。切り株が大樹なるよりずーっと昔から、ね。あなたたちも、今度お礼に行きなさい。お水をあげて、落ち葉の堆肥を根元の土に混ぜてあげるの。そうして、ちゃんとお礼を言ってきなさい。」
「そんなことあったんだ。知らなかったわ。」
「森の神様かぁ。私も疲れてたけど、まるで魔法でもかけられたみたいに元気になりましたし。本当にいるのかもしれませんね。」
「そうね。私たちも感謝の気持ちを忘れずに、大事にしていかないとね。」
「そういえば、今日も魔物を捕ってきたんでしょう?薬草なんかも。今から晩ご飯の用意するから、ミツキ、カイ、手伝ってちょうだい。レナは座ったままできることをお願い。また今日も、ご馳走ね。」
「「「はーい。」」」
ご飯の用意が終わったころ、タイミングよくレイとライさんが帰ってきた。
今日も家族みんなでのご飯だ。
やっぱり、平穏な暮らしがいちばんいいね。
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