表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/266

97話目

「い~や~だ~~~!!!」


・・・今日も元気に村にこだまする・・・


領主様の叫び声!!


どうやら今日も元気なようだ領主様は・・・。


そう思いながら、私は今、家の中で今日領主様と一緒に行動する予定の

息子のハリーに声をかけに行く。



「ハリー、今日の準備はできているのか?」


「・・・ああ、そろそろ領主様は来るのか、親父。」


「ああ、元気な声が聞こえたからな。

 そろそろここに来る頃だな。」


「わかった、サーター様を待たせるわけにはいかないからな、

 すぐに出るよ。」


そういいながら、手早く荷物をまとめて家から出ていくハリー。

ちょうど家から出たところで、



「いいタイミングですね。

 ちょうど今、声をかけようとしていたところですよ。」


そういって、家の前にサーター様が立っておられた。


・・・右手には・・・


領主様の首根っこをつかんでいて、

どうやらここまで引きずってこられたようだ・・・



「サーター!!いい加減にはなせ!!」


そう叫ぶ領主様であったのだが、



「・・・離したら逃げるでしょう領主様?」


「それは当然!!・・・は!?」


自分でしたり顔をしながら肯定して、

ここで肯定してはいけないことを思い出したのだろう

しまったという顔をする領主様・・・


・・・いや、ダメだろう・・・


そう心の中で思いながらも口に出すことは私はなかった。

むしろこの話題にはまったく触れずに、



「ハリーもすでに準備できております。」


そういって、ハリーのほうへと視線を向けると、

頭を垂れて挨拶をするハリー。


そのハリーもまた思っているのだろうな・・・






・・・どっちが領主様なのだろうか?


目の前で繰り広げられている光景を見て、

俺はそう思ていたのである。


先ほどから・・・



「やばい!!今日は誰かが来訪してくる予定があったんじゃなかった!?」


「大丈夫でございます。

 本日の予定では、アーサー様が来訪される予定でしたが、

 すでにアーサー様にはこちらから、領地の治安維持のために

 魔物討伐に行くと昨日の時点で伝えておりました。

 ですので、何のご心配もいりません。」


「・・・そ、そういえば!昨日からソウルイーターの調子が悪いみたいで、

 これは研ぎに出さねば・・・。」


そう領主様が言いだしたところに、



「それも大丈夫でございます。

 昨日の時点で剣は研いで磨いておりましたので。

 どうぜ、腰に帯びているソウルイーターをご確認ください。」


そういってみるのを促すのだが、なかなか見ようとしない領主様に対して、

しびれを切らしたのか、あっという間に行動を起こしたかと思えば、

すぐに腰のソウルイーターに手をかけて抜くサーター様!


そして、すぐに領主様の手に渡して、



「いかがでしょう?新品のようにしておりますが?」


そういいうのだが・・・


それもそのはずだ!


それは昨日用意した新品の剣である!!


だから、当然新品の輝きをしたままである!!


あれは、数日前のことであった。

その日も魔物が出たとのこと、魔物討伐に行ったのだが、


魔物を見た領主があわてだしたかと思うと、

泣き始めたのである!!!



「「・・・え?」」


傍にいたサーター様も俺も間抜けな顔をしてしまうのだが、

そんな俺たちに全く気付くことなく、とういうか、泣き始めてかと思うと、

目を閉じる領主様!


怖いモノから目を閉じて逃げる!!


子供か!!!


そして、いきなり剣を握ってその剣をグルングルンと振り回すのだ!


まさに子供が泣いて、腕を振り回してる様相だ!!


それで魔物に剣を当てればよかったのだが、

当てたのは・・・


木の枝!!


森の中にいるのだから当然だ!


そして、剣が折れる!!


どんだけ脆い剣なのだ!!


下手すれば魔物に傷を与えることもできずに、折れるのではないだろうか?


で、そのショックで気絶する領主様・・・


記憶もその前後をなくされていたらしいし・・・


今日も気絶をされるんだろうな・・・


あの股間が濡れた状態の領主様をまた背負うのか・・・


そう考えただけで憂鬱なのだが、

それでもこれは大事な役目なんだと自分に言い聞かせて、

また今日もサーター様と一緒に魔物狩りに行くのであった。



~今日の成果~


魔物を見ただけで気絶する領主!


気絶までの最短記録を更新!!



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ