84話目
「・・・どうしてでしょうか?」
私は差し出されたフエゴの肉を一瞥して、
視線をまたアーサー様に向ける。
何を考えているのかが全く見えてこない!
「お互いの立場を考えてですよ。」
そういいながらにっこりとほほ笑むのだけど、
その笑みを受けても背筋に寒気が走るだけだ!
ろくなことを考えてない!!
頭の中にはそんな警鐘がずっとなっているのである!!
「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。」
「・・・警戒するのは当然かと・・・。」
まったく意図が読めずに困惑しながらも
何とか表面上は平静を装いながら、一挙手一投足を見逃すまいと
アーサー様の話に意識を向ける。
「アイリス様は、王派にソウルイーターを渡していいとお思いですか?」
「・・・え?」
「僕はそれは避けねばならないと思っているのです。」
「・・・。」
「そうなれば、アイリス様か僕がルイスのお近づきにということになりますが・・・。」
まだ話は続いているのだけど
私の中でアーサー様の言葉に引っ掛かりを覚えてしまい、
思考がそれてしまった!!
だって・・・
“アイリス様か”・・・・
“僕”が!?
ちょっと待ってください!!
アーサー様!あなたは男性ですよ!?
・・・噂には聞いておりましたが・・・
・・・両刀というのは本当のことなのでしょうか?
・・・あの目は・・・
本気ですね!!
熱量をもって私に対して説明を続けてくるのだけど、
私の頭の中には、その熱量がこもった言葉が
まったくと言っていいほど頭に入ってこない・・・
むしろ先ほどよりも“両刀って本当なんだ!!”という言葉が、
頭の中を何度も繰り返し流れる!!
「・・・アイリス様?」
そんな私に対して、どうやら違うことを考えていることを理解したようで
怪訝な表情を浮かべてこちらを見てくるのであった。
その怪訝な表情を見て、私はあわてて正気に戻って、
「大丈夫ですわ。」
そう言いながらにっこりとほほ笑むのであった。
「・・・まあ、アイリス様にとっては、私は敵ですからね。」
どうやら、私が思考していたのは、アーサー様の話している言葉について
考えていると思ってくれたようだ。
それならそれ幸いと思って、
「お互いの立場があるのは・・・、ご理解いただければと思います。」
「ええ、わかっております。
ですが、お互いの目的の一つは、あのジョセフィーヌ王女に
ソウルイーターを渡さないという目的はお互い一緒なのですから、
そこは手を組むとと考えていただければと思うのですが・・・。」
「・・・その手はそうだと思います。ただ・・・。」
そう!目的の一つは一緒なのですが、
そのほかの目的が違うためどうしたものかと考えてしまう。
そんな中で、また熱く語りだしたアーサー様であったが・・・
「僕のルイスに悪いことをさせることはできない!!
ジョセフィーヌ王女様を選ぶということは、
私利私欲なあの親子に都合のいいように扱われるということです。」
「・・・。」
私は完全に黙ってしまう・・・
それはアーサー様の意見に同意したことで
黙ってアーサー様の意見を聞いているわけではなくて、
“僕のルイス”
ええ!?
表現がおかしくないですかね?
いや、確かに先ほどから疑問がわいおりましたが、
また・・・いいえ!今回の発言で確信に変わりましたわ!!
アーサー様の愛はすでに性別を超えています!!
はぁ~・・・本気なのですね・・・
いや、話では聞いておりましたの聞いてはおりましたが、
本気でそうなのかということを知ってしまうと
本気で異性(アーサー様)と異性(バリティッシュ男爵様)を求めて
争うことなるとは・・・・
ただ、王都では噂になっていたのは、
秀逸な容姿を持つ同性と噂になっていた。
まさに絵になる同性&異性と噂になっていた。
そんな噂とは異なる人物の選択である。
バリティッシュ男爵様は・・・
見た目が下の中くらいだろうか?
性格も・・・決していいとは思えません。
むしろ静粛されるべきかもと思ってしまう性格です・・・
どこに惚れたのでしょうか?
・・・あ!?
いつも美味しいモノを食べているので、
たまにはゲテモノでも食べたいと思ったのかしら?
・・・まあ、どちらにしろあのアーサー様と争うことになるとは・・・
アーサー様に負けると女性としてのプライドが折られそうですわ・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




