82話目
「アンブリッジ!!」
「はい、まずはフエゴの情報についてですが・・・。」
自分の宿に戻ってすぐにアンブリッジと確認していく。
さすが、私が質問することはすでに調べているようで、
必要な情報がアンブリッジの口から聞ける
「まずはフエゴは、残念ながらこの辺りにしか生息していいない魔物のようです。
王都では確認をされておりませんし、他のエリアでも同様です。」
「・・・そう。それは残念ね・・・。」
「はい・・・。そして、フエゴの肉ですが、
当然王都には流通はしておりません。
というか、このフエゴ領内でもフエゴの肉は流通しておりませんでした。」
「そうでしょうね・・・だって、この土地の守り神なのでしょう?
それが肉として売られているなんてありえないわ。」
「はい・・・。そして、やはりというか、
最近多くの冒険者をフエゴ侯爵家が雇っていたようで、
目標はフエゴの保護とのことでした。」
「それも・・・最悪だけど予想通りね・・・。
・・・うん?保護なの?いや、殺せないとは分かるけど・・・。」
「はい。話では、フエゴは人になつくようで、
人が呼べば簡単になついてくれるようで、保護することは容易なようです。」
「・・・そう・・・。それなら、野フエゴをこの土地に土地勘がない私達でも
容易に捕まえられそうね。」
「はい・・・ただ、こちらも残念なことながら、
すでにここ一週間ほどはフエゴが保護されたという情報が上がっていないようです。」
「・・・すでに野フエゴは、すべて回収されているということ?」
「そうだと思います。それで今日、その話題を出したのではないでしょうか?」
「そうでしょうね・・・。」
さてさて、どれもが予想通りだったとは、それは悪い意味で一緒だということである。
どうしたらいいだろうか・・・・
「そう言えば保護されたフエゴはどこにいるの?」
「どうやらギルドを通じて、フエゴ侯爵家に渡されていたようです。」
「・・・やっぱりね・・・。
どこかでアーサーが保護しているのね。私達には絶対に渡すつもりはないのね。」
「・・・そうだと思います。」
完全に後手に回っている。
こうなると私が取れる手がない。
「一応、ギルドには、フエゴ侯爵家が出している値段よりも
高値で購入する旨の依頼を出しております。」
「あら?ありがとう。
そうよね・・・今、打てる手はそんなところかしら・・・。」
そう言いながら考えていると、
「・・・一応、他の報告もさせていただいても?」
「?どうしたの?そんなにかしこまって・・・。」
「いえ、これは罠な様な気もするのですが・・・。」
アンブリッジが先ほどまでとは違って、モジモジしながら発言をする。
「別にその判断はあなただけには任せないから安心して。
だから、遠慮なく話して頂戴。」
こんなに優秀な侍女何てなかなかいない。
それにどうやら最近は剣術を習いだしたようで、
かなり強くなってきており、侍女兼護衛としても役に立っている。
そんな貴重な存在になってきているアンブリッジを
責めることなんてしないわよ。
「・・・これは私が調査していた時に聞いたことなのですが、
どうやら、フエゴを飼っている貴族がいるようです。
それがフエゴ侯爵家から渡されたモノなのか、
それとも野にいるフエゴを保護したものなのかは分からないのですが・・・。」
「・・・その貴族の名前は?」
「その噂と共に入手できました。
ですので、疑っているのです。」
「・・・なるほどね・・・。揃い過ぎているわね。」
「はい・・・。」
罠をはるにはちょうどいいし、アーサーなら間違いなくやってきそうだ。
王家から暗殺部隊をこちらによこしてもらって、
下級貴族程度であるならば、すぐにでも惨殺することは可能だわ。
・・・というか、すでに今までもやってきましたし・・・
ちょっと気に入った男がいた時に、ちょっかいをかけている蝶がいましたから
すぐに排除した時に使ったりしましたけど、すぐにでも葬りされます。
領地も代わりの者を簡単に派遣できますし・・・。
私の権力なら簡単に・・・。
「・・・一応聞くけど、その中の顔触れは?」
「・・・一人だけ、下級貴族がまざっております。
しかも領地を持たない騎士爵位です。」
「・・・狙って欲しいといっているようなものね。」
「はい。」
「ちなみにこの土地ではフエゴを個人的に保護することは許されているの?」
「いいえ。フエゴ侯爵家以外では許されておりません。」
「・・・じゃあ、罰しても問題はないと?」
「はい・・・。」
「・・・その貴族の情報を洗い出してちょうだい。
それと暗殺部隊についても手配をしておいて。」
「・・・よろしいのですか?」
「とりあえず情報を集めてからの判断になるけど、
もし黒であるのなら、暗殺部隊を向けても何の問題もないですわ。
黒と分かってから、王都に呼ぶのでは遅くなってしまうし、
手元に置いておいて損することもないから、呼んでおいて。」
「ですが、この土地はフエゴ侯爵家のモノですが・・・。」
「な~に、王家にとっては簡単なことよ。
私の権力を使えば、ここで多少暴れたとしても黙らせるだけの権力はあるわ。
不正の情報があれば何とでもでっち上げることも造作もないことよ。」
「・・・かしこまりました。」
「十中八九罠でしょうから、うまく餌だけ食べてみせるわよ。」
私はこうしてフエゴの肉の確保を進めていくのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




