表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/266

7話目

「ハリスさん、それでは解体をしますので、お手伝いお願いできますか?」


「はい、喜んでさせていただきます、サーター様。」


私はサーター様の横で、肉や革を受け取れるように皿の準備をする。

長男のハリーは受け取りに来た村人たちを整理して、並べている。


手際よく、解体していくサーター様を尻目に並んでいる村人たちは看板を見て、



「ハリス様、ここには何が書かれているんですか?」


看板の内容を私に尋ねてくるのだ。


それもそのはずで、この村の識字率は1%以下だ。

そもそも文字が読めるのは、領主、サーター様、私とその息子ハリーのみだ。


だから、看板などを立てても誰も何が書かれているのかがわからないのだ・・・


それすらわからない領主ばか・・・


ただの無駄な板切れになってしまっているのだ・・・


これを作って立てるのにも人手を使ったと聞いているのだが・・・


そんなことをさせるくらいなら、

畑仕事や猟にでも行かせればいいものを・・・


あのバカは領民のことを何も知らないし、

何も知ろうともしない。


自分のことしか考えていないようなクズなんだな・・・


だから、私は村人たちからの質問にはこう答える、



「サーター様が討伐されたのだよ。」


「「「「「うぉおお!!!」」」」」


村人たちからは、歓声が上がる。

ただ、サーター様は今、捌くのに集中しているようで

村人たちからの歓声は聞こえてないようだ。



「ただし!サーター様の仕える領主にも、みな一応尊敬を込めるようにな!」


「「「「「えぇ~・・・。」」」」」


「・・・その気持ちは分かるが、あの 領主クズ がへそを曲げると

 我らが尊敬するサーター様にご迷惑をおかけしてしまうんだ!

 いいかお前達、ちゃんと気をつけるんだぞ!」


「「「「「・・・はい・・・・。」」」」」


不承不承という感じで同意してくれる村人たちに

私は思わず苦笑してしまう。



「・・・何をふきこんでるんですか?」


苦笑しながら私に尋ねてくるサーター様。



「いいえ、こちらのことです。作業は終わられたのですか?」


「ええ、それぞれ持ってきた皿や鍋を出してください。」


「かしこまりました。」


息子のハリーに言って、村人たちの持ってきた皿や鍋に

次々と魔物肉を入れていくのであった。



「久しぶりの肉だ!!」


みなが歓喜の声を上げて、持って帰るのである。



「ただ、一部余ってしまう肉がございますが・・・。」


「それは肉屋に行って買い取らせてあげてください。

 ただし!値段は通常の半値でかまいません。」


「半値ですか!?」」


「ええ、利益は求めておりません。

 ただ、村人たちのためになればいいんですから。

 それと牙や爪、骨ですが・・・・。」


「そちらはサーター様や領主がお持ちになられた方がよろしいのではないでしょうか?」


「まあ、それも考えていますが、一部をハリスたちにも渡しておきます。」


そう言って、骨や牙を私達に渡すのだ!?



「い、いえ!?これはさすがに受け取れません!?」


「なぁ~に、これから忙しくなりますから、その時にきっとお金の入り用になるでしょう。

 その足しにしてもらえればいいのです。」


そう言って、一部を持ってまた領主の館へと戻っていくサーター様・・・


その姿を我々はただただ頭を下げて見送るのであった・・・


サーター様が領主の館にたどり着き、扉を閉める音が聞こえて、

私と息子のハリーは頭を上げるのだが、



「・・・おやじ・・・一つだけ気になる点があるんだが・・・。」


「・・・なんだ?」


「サーター様・・・魔石を取りだして、

 すぐに自分のポケットにしまわれていたよな・・・。」


それはこの村の中心に運んでくる前の時である。

猪の魔物を倒して、喜んでいた領主ばかを尻目に、



「生きてるかどうかを確認してきます。」


そう言って、一番最初にサーター様が魔物へと近づいていったのだが、

その時に、


一瞬の出来事である!


魔物を切り裂いたかと思ったら、

赤い宝石を魔物から抜き取っていたのである!!



「・・・お前も見ていたか・・・。」


「やっぱりおやじもか・・・。」


魔物と動物の違いは、魔法が使えるかどうかで、

魔法が使えると魔物となり、魔物となると体の中に魔石と呼ばれるものが出現する。

魔力がこもった石・・・それが魔石である。


当然、先ほどまでの解体でも魔石は出てきていない・・・


間違いなく、サーター様が回収していたのだろう・・・・


それは何のために?


・・・わからない・・・


当然、魔石は高く売れる。

領主は借金で首が回らないような状態だ。


それの足しにするのは当然だと思うのだが、

掠めるように魔石を回収したのは一体・・・



「・・・我々は魔石がどこにあるかは知らない・・・それでいいな?」


「・・・ああ・・・わかった。」


おやじの言葉に俺は同意して、静かにうなづくだけだ。

これは・・・俺達は知らない方がいいと直感が注げて来るから・・・。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ