77話目
「おはようございます、バリティッシュ男爵様。」
私に向けて目を見開いて固まっているバリティッシュ男爵様。
あまりの驚きに言葉を失い、固まってしまったようだ。
サーター様は、今回は助けることもなく
そのままどこかへと行ってしまう。
・・・
しばしの沈黙が続く中、
再度私の方から声をかけていく。
「・・・バリティッシュ男爵様?」
「・・・ハ!?」
やっと正気に戻って来られたようで、
固まっていた体がほぐされてから、
「お、おはようございます。」
そう言って、挨拶を返してくれるのであった。
・・・
ただ・・・
その後、何を言っていいものか分からないようで、
続きの言葉はバリティッシュ男爵様からは返ってこない。
・・・女性慣れはしてないようですね・・・。
普段であれば、ここですぐに立ち去ったりとするのですが、
今回の目的はバリティッシュ男爵様との仲を形成することであるため
ここで見捨てることは出来ない。
「さきほどサーター様から、朝食を一緒にと誘われたのですが、
よろしかったでしょうか?」
「も、問題ない!あ、いや、全然問題ないです!!是非とも!!」
・・・私にこびへつらうようない返答をするバリティッシュ男爵様。
その後は、どうやら会話をしなければという義務感が働いたのでしょう。
私に対して、とりとめのない話をし始める。
「今日はハリスが野菜を持ってきてくれたんです!!」
・・・ハリスって誰でしょうか?
「昨日の見回りはですね、ハリーに事前に相談を受けてですね
領主としての義務がありますので、夜中ではございましたが、
村の巡回をしにいったのです。
そしたら、たまたま遭遇してしまって・・・。
決してやましい気持ちがあったわけではないのですよ!
その点は誤解しないでくださいね!」
・・・必死に言い訳をするバリティッシュ男爵様・・・
見苦しいですね・・・
それに先ほどから固有名詞でハリスやハリーと出ておりますが、
どなたのことでしょうか?
あなたが知っているからと言って、皆が知っているわけではないのですよ。
私は数日前に初めてこの土地に来て、
更には、住むところがないため隣の領土で宿泊しているのですから
この土地の方々と触れ合うことすらありません。
それに会話ですけど・・・
確かに私とバリティッシュ男爵様では、
先ほどの覗きの一件について話を聞いておりますが、
それを前提として名詞をいれずに説明をされるのは
いかがなものかと思いますが。
・・・この人・・・人に説明することになれていないのでしょうね・・・
その後も会話・・・会話というよりかは、バリティッシュ男爵様の
一人話に私は、とりあえず微笑んでいる。
・・・
ああ・・・
早くサーター様が来てくれないかな・・・
そんなことを願っているとどうやらその願いが聞き入れらたようで、
サーター様が扉を開けて迎えに来てくれたのであった!
その後は、場所を・・・食堂?に移してから
食事をとるのだけど・・・
・・・
美味しいのだけど・・・
正直に言って、もっとひどいものが出てくると思ていたのだけど
全然ひどいものではなかった。
むしろ王都の名店で出されてもおかしくないほどのおいしさを
もった料理が出されたのである!
シンプルにパンとハムと卵とスープという、
正直に言えばシンプルな食事だというのに
こんなに美味しいなんて・・・
私は驚いた顔をでサーター様を見ると、
こちらを向いて、微笑んで、
「すべてこちらの領での手作りの品ですが、
お口にはあいますか?」
「はい、大変美味しくて驚いております。」
「ははは、そんなおだてても何も出てきませんよ。」
「いえいえ、おだててるわけではなくて、純粋な私の感想です。」
空気を察して会話ができるサーター様に
正直に言って・・・
サーター様が領主の方がよかったのでは?
という、疑問が頭の中に湧いてくる・・・
ちなみに本物の領主であるバリティッシュ男爵様は・・・
さきほどから・・・・
ずっと私のために話をしてくれているのだろうけど、
私がサーター様と話をしていてもずっと話ているのであった!
・・・誰と?
見えない誰かでもいるのでしょうか?
・・・これで私に話かけているとしたら、
何で目の前にいて、話しかけている私の仕草が見えていないのでしょうか?
ちょうどサーター様との会話をしている光景が
絶対にバリティッシュ男爵様の目に留まっているはずなのですが・・・
そんな私の思いを察してか、
「平常運転なのでお気になさらず。」
そういわれるのですけど・・・
気になって仕方がないです!!
というか、バリティッシュ男爵様って・・・ものすごい小物感がするんですけど!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




