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73話目

清々しい朝に、私はゆっくりとベッドから起き上がる。



「おはようございます、ジョセフィーヌ王女様。」


「おはよう。」


そう私が侍女のアンブリッジに返事をすると

アンブリッジはそのまま何も言わずに私の傍によってきて、

持っていた湯桶を置き、私の体を吹きあげていく。



「今日もいい朝ね。」


「さようでございますか、それは何よりです。」


「やっぱり睡眠をとる前に適度な運動をするのが、

安眠には効果的なようね。」


私はそう言いながら、辺りを見回しながら、ふと目についた窓辺へと

歩を進めて、おもむろに扉を開ける。


扉はこの部屋専用のバルコニーに続いており、

私は清々しい風を裸のまま全身に受けなら、外に出ようとした。


今、私がいるのは、バリティッシュ領の隣領のフエゴ領にある

街で一番高級な宿に泊まっており、階層は5階である。


他に高い建物など、領主の館しかないのだが、

ここからは領主の館が見えない逆位置になっているため

例え私が裸でバルコニーに出たとしても

誰からも見れることはない・・・はずなのに・・・



「おはようございます、ジョセフィーヌ王女様。」


・・・なぜか、私のバルコニーにイスを置いて、

優雅にお茶を飲んでいるアーサーがいた・・・



「あ、アーサーさまぁ!?」


侍女のアンブリッジが驚きの声を上げてしまう。


それもそのはずだ。

当然、私だって侵入不可能と思っていたのだから、

アンブリッジだって、侵入してくるとは思っていない。


・・・というか、何を暢気にお茶なんて飲んでいるのよ!!


まあ、それでも私は取り乱すことなんてしないですわ!



「おはようございます、アーサー様。」


優雅に笑みを浮かべて挨拶を返すのだけど、



「ジョセフィーヌ王女様!!!」


慌てたような声を上げるアンブリッジ。



「・・・どうしたというの?」


振り返って、アンブリッジを見た時に、

私は先ほどまでいた自分の部屋の状態が目に入ってきて、

すぐに自分がどんな状態なのかを思い出す!!



「朝から眼福をありがとうございます。」


そう言って、私に対して笑みを浮かべてくるアーサー・・


その言葉が意味するのは・・・


裸の私がアーサーの前で立っていることをさしているからです!!


ただ、ここで悲鳴を上げては、王女としてのプライドが許さないですし、

何よりも・・・



「・・・ここで悲鳴を上げれば、貴方を貶めることもできると思いますが。」


ニッコリとアーサー様に対して微笑む。


・・・脅しの材料に使った方がいいですわ・・・


ただ・・・


そんなことで動じるようなアーサー様ではなく、



「私はかまいませんよ。」


「・・・へぇ・・・。」


「そんなことすれば、貴方の方が立場を落とされるのは

 明白だと思うのですけどね。」


そういって、すっと私の部屋の中へと指を向けて、



「ここからでも5人ほどの男が裸で倒れているのが見えますけど?

 ずいぶん夜中までお盛んだったようですね。

 ただ・・・それでも満足していないとは・・・。」


「・・・フエゴ領の男性は、王都に比べて少々軟弱なのでしょう。」


「・・・それはそれは、申し訳ございません。

 ただ、まあ、フエゴ領には、もののふも多く居りますので、

 今回、ジョセフィーヌ王女様が目にかけた者達が

 少々軟弱ものだったのではないでしょうかね?」






そう言って、微笑むアーサー様に笑顔を崩していないが、

明らかに青筋を立てているジョセフィーヌ王女様・・・


私は、2人が放つ心底凍りつきそうな空気の場に入ることが出来ずに

固まって見ていたのだけど、ようやく気づいて、

急いでジョセフィーヌ王女様の元へと歩みより



「し、失礼します。」


そういって、取り急ぎ前を隠すためのローブを

ジョセフィーヌ王女様に羽織らせる。



「ありがとう。」


そういって、お礼の言葉を述べられるのだが、

顔は私の方を一切向かずにアーサー様から視線を外すことはない。


何とかこの場を終わらせようと止めに入ろうとしたのですが

それを無言の圧力で両方から浴びてしまい、

すぐにジョセフィーヌ王女様の後ろへと回る。


・・・ダメです・・・


私みたいな小物ではこのお二方の空気の中にはいることはできません・・・


しばらく2人は無言で見つめあっていたのだが、



「少々自信がおありのようですし、

 どうですか、少々お試しになりませんか?」


どうして、誘われるのですかジョセフィーヌ王女様!?


ジョセフィーヌ王女様の発言にビックリしていると、

アーサー様からやんわりと断られ、別の用件を話され始める。



「また機会があれば、お誘いください。

 今日訪問させていただいたのは、バリティッシュ男爵様のことで

 お伺いさせていただいたのですが・・・。」


「それならお話を・・・。」


そう言いながら、自分の今の状態に気づいたようで、



「少々こちらでお待ちいただけますか?」


そんな王女様の言葉にアーサー様が、



「それならば、そこに転がっている者達で

 時間つぶしを少々させていただければと思います。」


・・・その言葉を残して、私と王女様は、寝室から出て私室にて準備を整えていると、



「アーサー様ぁ~~~!」


・・・男の甘美の声が響き渡って来たのであった・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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