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69話目

「そんな風に見えてるの?」


アーサー様からそんな切り返しが返ってきたのである。



「え?違うんですか?先ほどから急所には一撃も入っておりませんが・・・。」


「それはわざとやっているんだよ。」


「・・・え?」


「気づかない?風の檻にも変化が出てきていることに。」


「え!?」


私は思わず風の檻を見る。

見るといっても風なので、目にみえないのだけど・・・


あれ?


何か赤っぽくなっていて、風の檻がどこにあるのかが分かる・・・


これか!!


言われて気づいたのだが、風の檻が赤みを帯びていて

その影響で風の檻がどこまでは発生しているかが分かるのだ!!


そこで私はもちろんのこと、暗殺者も驚いたようで

ビクッと肩を震わせるのである!

どうやら暗殺者も今気づいたようである。



「・・・何ぜ私のネタ晴らしをされるのですか?」


ジョセフィーヌ王女様から少し怒気を込めた声でアーサー様に告げると、



「まだ、変化が起きたとしか言ってないですが?」


「・・・その先までいつもりではございませんかね?」


そう言いながら、何とアーサー様に視線を向けるのだ!!

私はその動作に驚いてしまう!!



「暗殺者を前にそんな視線を切るなんて!?」


思わず叫んでしまうのだが、そんなことを

まったく気にもしない様子のジョセフィーヌ王女様。

ただ、その隙を見逃す暗殺者ではない!!


私の言葉が終わる前には動き出す!!


あ、あれ!?


動こうとしたのは分かるけど、

なぜかフラフラとしだす暗殺者!?



「・・・え!?」


何とかその場に踏みとどまるのだけど、

フラフラとしてしまっていた。



「・・・毒か!?」


暗殺者がついに声を漏らしてしまうのだけど、

その声に首を振って否定するジョセフィーヌ王女様。



「そんな無粋なマネはしませんわ。」


「ならなんだ!?グゥうう・・・。」


そう言って、その場に立っていることすら難しいようで、

片膝をついてしまう暗殺者。



「ふふふふ。」


その光景を嬉しそうに見るジョセフィーヌ王女様。


・・・一体何が起きているのだろうか・・・


私には理解できていなかったのだが、

それを察したようにアーサー様が、



「あれは風の魔法のせいで常に傷口から血が少しずつ抜き出されているんだよ。」


「・・・え?」


アーサー様が言っている意味が分からなかったのだが、


「簡単なことですわ。

 傷口は血が固まることでそこから血が出なくなりますが、

 血が固まる前に風がその血を運んでいるんですわ。」


そう言って、にこやかに笑うジョセフィーヌ王女様。



「さあ、ここまで言えばわかりますわよね?

 あなたは徐々に血が抜けていっていて、

 今は立つことも出来ないほどの立ち眩みが発生していますわね?

 更にはそろそろ手足に力が入らないのではないですか?」


その言葉に反応するように暗殺者が動こうとするのだが、

動けずにもがいていた。



「わざと急所以外に傷を負わせたんだよ。」


アーサー様がそう言うと、



「心外ですわ。この方が強かったので、急所が狙えなかったのです。

 だから、少々苦しみながら今・・・耐えている状態なのですよ。」


そう言いながら、もがいている暗殺者を嬉しそうに見ているジョセフィーヌ王女様。


・・・わざとだ・・・


アーサー様の指摘通りに意図して、急所を外してやったことを確信する!


だって、苦しんでいる暗殺者を本当に楽しそうに見ているジョセフィーヌ王女様。

あんなに幸せそうな顔をしているなんて・・・


恐ろし過ぎます!!


もう暗殺者は動くことも出来ないのだろう。

片膝状態からすでに地面に這いつくばった状態になっていた。


その姿をまた嬉しそうに眺めるジョセフィーヌ王女様。


そこで初めて、暗殺者の方に動きがあり、



「た、たすけ・・・。ぐわぁあああ!!!」


完全に『助けて』と言おうとした瞬間に

その腕にまたレイピアを・・・いや、今度は深々と刺すジョセフィーヌ王女様。

そしてジョセフィーヌ王女様が言った言葉は、



「何かおっしゃいましたか?いきなり声を出されると魔法の詠唱かと思って、

 反応してしまいましたわ。」


そう言いながらも刺したレイピアは抜かずに・・・むしろグリグリとする・・・。


あ、ジョセフィーヌ王女様は助ける気はないな。


っていうか、情報を聞き出す気もないな。


・・・よし!


絶対にこのジョセフィーヌ王女様には逆らわないようにしよう!


じゃないと・・・


次は私があの暗殺者のような姿になることなるから!


当初の目標を投げ出した瞬間である。

気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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