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6話目

村の中央には俺が討伐した猪の魔物の死体が転がっている。

その魔物の横には、看板が立ててあり、



“領主ルイス・フォン・ブリティッシュが討伐した!”


そう記載させた。


これで・・・


これを見た村人たちは俺に尊敬の念を必ずもつだろう!!


そして村人を通じて噂は他の村へ・・・更に噂は王都まで届く・・・と・・・



「魔物を倒した真実はすぐに王都エトワールにまで届くだろうな・・・。

 するとどうだ!王都では俺の噂がもちっきりになるだろう!

 そして・・・俺はまずは王都に呼ばれて王から勲章を授けられる。

 それを見た大臣たちは俺に、自分達の娘をすすめてくるだろうな。

 まさに引く手あまたのような感じで・・・。

 それを俺は一度は断るのだが、それでも無下にもできずに・・・俺は・・・

 ふふふ・・・・はははははは!!!」


「・・・何の高笑いですか?」


「ぶほぉ!?い、いつからお前は執務室に入ってきてたんだ!?」


「“魔物を倒した事実は~”から領主様の傍におりましたが?」


「序盤じゃないか!?全部聞かれてるのか!?」


「はい、滑稽な姿を最初から見せてもらいました。」


「こ、滑稽だと!?」


俺は思わず大声を上げてサーターに詰め寄ろうとする!

さすがに寛大な俺でも滑稽と言われて許すわけにはいかない!!



「・・・ついに耳まで遠くなられたのですか?」


「な、なんだと!?」


「私は“外は素晴らしい光景ですね”とお伝えしたはずですが、

 それをどう聞き間違えて“滑稽”と思われたのか・・・。」


「・・・全然、俺の聞いた言葉とは違う気がするが・・・。」


「そうですか?気のせいですね、間違いなく。」


「そ、そうか・・・気のせいか・・・。」


「ええ、きっと。それよりも外の光景をご覧になっておられますか?」


「ああ!!見ていたとも!!

 村人どもはあの魔物を討伐したのが俺だと知って、

 きっと俺に尊敬の念を持っているだろうなぁ~!!」


「・・・それは・・・どうかと思いますが・・・。」


「うん?何か言ったか?すまない外の光景に見惚れていて、

 サーターの言葉が耳にまで届かなかったよ。」


「・・・いいえ、大丈夫です。

 それで、あの魔物ですがどうしますか?」


「うん?どうするとは?」


「あのままあそこに置いておいたら、腐ります。

 それならば解体して食べるなりなんなりしないとダメかと思いますが・・・。」


「・・・そうだな・・・。あのまま置いておいて、

 村人どもの尊敬の念を浴びていたというのもあるが、

 腐らせてしまうのはもったいないな・・・

 それなら、村の肉屋に売ったらどうだ?」


「残念ながら、村の肉屋ではあの肉すべてを買い取るほどのお金はございません。」


「な!?じゃ、じゃあ、買い獲れる分だけ売ればいいじゃないか!」


「それよりも・・・村人たちに配ってみてはいかがでしょうか?」


「はぁ!?何を言っているだ!?あれは俺が命がけで討伐した魔物だぞ!?

 それを何でタダで村人どもに配ってやらなきゃならんのだ!?」


「今回の件はまさに棚から牡丹餅状態でした。

 たまたま魔物が現れて、その時にソウルイーターをお持ちだった。」


「違うぞ!!俺だ!!俺だったから、魔物を討伐で来たんだ!!

 そこを勘違いするな!!」


「・・・失礼しました。領主様のお力で討伐した猪の魔物ですから、

 ここは大盤振る舞いをするのが一番かと思います。」


「・・・なぜだ?」


「ここのところ、狩猟の成果が村全体で良くないのです。

 理由は今のところ不明なのですが・・・。

 ですので、ここで猪をふるまうと領主様の株はもちろん上がります。

 もともと、あの魔物全てを領主様だけで消費するのは不可能です。

 ですので、ここは度量の広い所を見せるのに役に立ててはいかがでしょうか?」


「・・・俺を尊敬するか?」


「必ず村人たちはするかと思います。更には・・・。」


「なんだ?更には?」


「その噂が村人たちより隣の村、更には・・・王都へと伝わるでしょう。」


「・・・よし!皆に振るまえ!」


「ありがとうございます。それでは早速解体をして、各家庭にふるまいたいと思います。」


そう言いながら、サーターはすぐに執務室からでていく。

しばらくすると領主の館から出ていくサーターの姿があった。

どうやら早速解体に向かったようだ。



「これで村人たちが俺を敬い、更にはその施しを受けた村人たちから

 隣の村へと噂が流れて、更にはその噂が伝播していくのか・・・。」


確かにサーターの言う通り、村人たちならすぐに、広めてくれるだろう。

自分達に利する領主がいると分かれば、その噂を聞いた他の村人たちもここに来るか・・・



「う・・・ふふふ・・・。」


この村に来る村人の中に美女がいて、俺に見惚れてしまう・・・


まあ、俺は領主であり、貴族でもある!


そんな俺は正妻だけではなく、側室や愛人を持っても許される!


ああ・・・想像しただけで明るい未来が俺の前に現れるなぁ~!!!



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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