表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/266

68話目

拝啓 お父様いかがお過ごしでしょうか?


寒い日が続いております。

体調など崩されてはいないでしょうか?


さて、私がバリティッシュ領へと向かいまして、

数日が経過しましたので筆をとらせていただいております。


予想通りですが、ジョセフィーヌ王女様が

すでにバリティッシュ男爵様と接触をしておりました。


不安になるような文面ですが、ご安心ください。


接触はしているものの、それ以上の親展にはつながっておりません。

なぜかと言えば・・・


フエゴ侯爵の嫡男であるアーサー様がおられるからです!!


ジョセフィーヌ王女様もやり手ではございますが、

アーサー様に比べれば可愛らしいものです。


ところで、一つお願いがございます。


先日、バリティッシュ領で屋敷を一つ建設のお願いをさせていただいており、

さらなるお願いで心苦しいのですが・・・・


もうシエロ領に戻ってもよろしいでしょうか?


ジョセフィーヌ王女様でも私の手に余るのですが、

そこにあのアーサー様が加わったので、

荷が勝ちすぎて私の手には負えません。


というか、ハッキリと言って無理です!


アーサー様は笑顔で人が刺せるタイプです!


というか、人を殺しながらでも笑顔で他の人と接することが出来る人です!



先日のことですが、バリティッシュ男爵様の屋敷に

二人の暗殺者が現れました。


当然、バリティッシュ男爵様に危害が及ぶ前に

二人の暗殺者は、それぞれジョセフィーヌ王女様とアーサー様の手によって、

捕まえられまして、そのまま尋問したのですが・・・。


バリティッシュ男爵様には知られないうちに、暗殺者を放った貴族の情報を入手して

対処しようと私達3人で決めました。


そのため捕まえた2人がそれぞれ尋問をすることになりまして、

まずは、ジョセフィーヌ王女様の尋問ですが・・・




「・・・なぜ縄をほどいた?」


「なぜ?あなたが素直に私の質問に答えるとは思えませんので

 決闘をして公平にしようと思います。」


「・・・公平?」


「ええ、私が勝てばお話ください。あなたが勝てば、逃げていただいて結構です。」


「・・・バカなのか?」


そう言って、暗殺者は一瞬逃げようとしたのだが、



「クゥ!?これは、風の檻か!?」


「はい、すでに魔法を発動させていただいております。

 こう見えて、私、才女と言われる身でございまして、少々魔法には自信がございます。

 そのためこの檻を抜け出すためには、私を殺すしかございますせん。」


「・・・。」


「あ、ご安心ください。暗殺者様には所持していたナイフで、

 私も所持しているレイピアしか使いませんので。

 魔法はこれ以上使わないのでご安心ください。」


そう言いながらニッコリと微笑むジョセフィーヌ王女様に、

顔を隠しているとは言え、暗殺者から苦々しい空気が漏れていた。


それもそのはずで、暗殺を生業としていて武に自信があるというのに

それを王女とは言え、1人の小娘が侮辱しているのだから当然そうなるだろう。


ましてや、あのドラゴンスレイヤーを暗殺しようとしているほどの暗殺者なのだから

その実力は折り紙付きであるはずなのに、それを馬鹿にしたような提案をされたのだ。


暗殺者の方はゆっくりと覚悟を決めてナイフを構える。

それに合わせるかのように笑顔のままレイピアを抜いて、

ゆっくりと構えるジョセフィーヌ王女様。


私が、心配して風の檻の中に足をいれようとすると

それをジョセフィーヌ王女様付の侍女とアーサー様に止められて、



「一度見ておいた方がいいよ。

 我々の相手であるジョセフィーヌ王女様の実力と、

 あと、その歪んだ性格を。」


そう笑いながら告げるアーサー様。



「大丈夫でございます。

 むしろ、ここで邪魔をするようならば、我々がこの檻の中に閉じ込められてしまい、

 ジョセフィーヌ王女様に折檻されますよ。」


そう告げる侍女・・・


・・・どっちらも物騒な発言をしている気がするのは気のせいでしょうか?


というか、どちらもジョセフィーヌ王女様が勝つことが前提となっていることに気づく。

確かに才女と言われるジョセフィーヌ王女様であるが、

それは魔法に関してだと思っていたのだが・・・もしかしてレイピアも?


私は固唾をのんで2人がいる風の檻へと視線を移した。



「どうやら、そとの方々も我々を御待ちのようですし、そろそろ始めましょうか?

 今まで待っていただいてありがとうございます。」


そう言って、ゆっくりと動き出すのだが、

あの動きに合わせるかのように慌てて動く暗殺者。


・・・何であんなにビクビクしながら動くのだろうか?


そんな疑問がわくほど、暗殺者の動きがおかしいというか、

動かずに固まっていた。


むろんジョセフィーヌ王女様が動けば、大きく後ろに下がったりするのだけど、

ご自分からは攻めるような動きはない。



「ふふふ、そろそろ行きますわよ。」


ジョセフィーヌ王女様の笑みが更に嬉々としだしたと思ったら、

レイピアが目にも止まらない速さで動き出す。


その一瞬で、暗殺者の両肩から赤い血が徐々にしみだして

着ている衣服を徐々に血で染め出すのであった。



「二回目いきますわよ。」


そういって、次の瞬間には、両太ももの外側が今度は血で徐々に染まりだしたのだ。


・・・正直に言って、私には何が起きているのかが見えていない・・・


気がつけば、突いたのだろうか?衣服が赤く染まっているという状況になっていた。

その後も攻撃を仕掛ける前には一声かけてから、攻撃をするジョセフィーヌ王女様。

そのたびに衣服が赤く血によって暗殺者は染まっていった。


ただ、暗殺者は致命傷を避けているのだろう。

急所部分には一撃も入っていない。



「・・・やはり暗殺者は実力がありますね。」


私が、そう呟くと、その言葉を聞いたアーサー様がいきなり大笑いをするのであった。

な、なんで???


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ