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65話目

馬車に乗って、バリティッシュ領を目指す。

馬車の中では、久しぶりに会えるルイスのことを考えていた。



「ルイスとは・・・いつぶりだろうか?」


そう呟きながら、思い出していた。




あれは5、6歳の時だろうか?


ルイスと一緒に遊んでいた記憶を手繰り寄せていく。



「じゃあ、上の服を脱いでください。」


「・・・はぁ?な、何を言っているんだアーサー?」」


「何って、今はお医者さんごっこをしているんだよ?

 それなら診察をしなくちゃいけないだろう?」


「・・・そ、そんな本格的にか?」


「当たり前じゃないか!!

 何をするにも僕は全力で望むのだ!!」


「わ、わかったから・・・。そんなに大声をだすなよ・・・。

 ほら、お前が大声を出すから、俺の父がこっちを睨んでいるじゃないか!

 俺にお前に従えって目で・・・。」


「それなら早くしてくれルイス。」


「わ、わかったよ・・・。」


そう言いながら、おずおずと恥ずかしがりながら服を脱ぐルイス・・・


その姿をジッと眺めていた・・・


この時、すでに僕は自覚していた。

ルイスのことが好きだということに・・・


ルイスの容姿は、平凡で、よく遊ぶ貴族達の中では、

下のランクに位置しているのは言うまでもない。


それに体力があるわけでも

運動神経がいいわけでもない。


じゃあ、何に惹かれたのかと言えば、

その性格にだろう・・・


貴族に対しては、必死に平等だ!と言わないばかりに

対等な感じで話をするが、本当はプルプルと震えており、

明らかに無理をして対等になろうとしていた。


・・・すでにこの頃には、自分が貴族の中でも最下級の人間であることを

理解していたが、それでも何とか威厳を保とうとして

虚勢を張っていたのが・・・面白かった・・・。


そのヒョロヒョロな虚勢をいつ破裂させてやろうかと思っていたことか・・・


考えただけで、ゾクゾクしていたのである。


さらにルイスは平民の子には、常に上から目線で話す。


貴族風を吹かせて、何か気に入るものを持っていようものなら

それを奪い取ってしまったりもしていた。

だから、平民の子達からは忌み嫌われていた。


それを・・・俺が指摘すれば、あのプルプルと震えて耐えるルイス・・・


ああ・・・


思い出しただけでまたゾクゾクしてきたぞ・・・


あのプライドの塊みたいなのをへし折ってやりたい・・・


そんな衝動に駆られて、

何度か折ってやったこともある。



「僕はフエゴ侯爵家の人間だぞ!!」


その声は絶大で、周りの大人たちはルイスを捕まえて、

僕の目の前まで連れてくるとそのまま地べたにルイスの頭を擦りつけていた。

それもルイスの父親までもルイスにそんなことをするのである!


あの時の顔・・・ああ・・・いい・・・


他にも、ルイスがある女の子を好きになった時があった。

その子は平民の子であって、貴族の子供であるルイスから

話しかけられたことで非常に喜んでいた。


その喜びの笑みをどうやらルイスは可愛いと思ったんだろう。

しばらく、その子とばかり遊んでいた。

そして、その子とついには手をつないで歩いていたのである。


顔を真っ赤にして嬉しそうに笑うルイス・・・

それを見た僕は、すぐにある行動をとった。


その後の経過が面白かった・・・



「うぅ~ん、やっぱりルイスちゃんと手をつなぐのはおかしいと思うの。」


「・・え!?」


女の子からそんなことを言われて驚くルイス。

だけど、それでも一緒に遊んでいるのだからと、

楽しそうにしていたのだけど・・・



「・・・ルイスちゃん・・・一緒には遊べないよ・・・。」


その言葉を言われた時のルイスの顔を!


奈落の底に落とされたような顔をしていた!!


どうしてそんな顔をしたいのを知っているかって?

その時僕は・・・


その女の子の横にいたからさ!!


その女の子と手を握って、

ルイスの前に立っていたからだ!!


あの時の俺を一瞬睨むが、すぐに諦めたような顔をするルイス。


自分では一生僕には勝てないと悟ったその顔・・・


・・・可愛かった・・・


だから、僕のモノにしようとしたのに、

父上から、二度とルイスには会えないようにされた・・・。


それから、バリティッシュ領へは一度もいけなかったし、

我がフエゴ領にもルイスは一度も来ていない。


それに僕はすぐに王都へと送られてしまったし・・・


王都の生活を終えて戻っても、難癖をつけて一度もバリティッシュ領へと

行かせてはもらえなかった。


だが!!


今回は違う!!


公認なのだ!!


あのジョセフィーヌ(びっち)には、まあ感謝しているよ。

嫌いだけど、今回の件については、出てきてくれてね。


あの女には渡さない・・・


あれ(ルイス)は、僕の玩具なんだから!!!


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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