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61話目

「うふふ、それで私はその・・・名前を何と申しましたか?」


「バリティッシュだ。」


「そうそう、そのバリティッシュなる男の元へと行けと?」


笑みを浮かべてこちらを見てくる。


どうせこの笑みも新しい男が手に入ったと思っていて、

笑みを浮かべているのだろうな。



「そうだ。知らぬかもしれぬが、その男はドラゴンスレイヤーの称号を持つ男だ。」


「まぁ!?先のドラゴンを討伐した方なのですか?」


「ああ、その通りだ。」


その言葉を聞いてにんまりと微笑むジョセフィーヌ。


それもそのはずで、このジョセフィーヌは、男狂いに加えて、

自分を着飾る物に目がない娘だ。



“ドラゴンスレイヤーの妻”


どんな宝石よりも素晴らしい着飾りとなると思っておるのだろうな・・・



「こんな私で良いのなら、喜んで行かせてもらいます。」


「うむ。」


そんな時だった、儂とジョセフィーヌは今日は中庭で話をしていたのだが、

その儂たちのところへと1人の男が飛び込んできたのである。


ただ、飛び込んできても・・・



「ぐわぁ!?」


儂たちの周りに配置されていた兵士達に捉えられた。



「あら・・・あなた。・・・いえ、元でしたわね。」


そういって、ジョセフィーヌが笑みを浮かべて、その男の元へと近づいていく。



「じょ、ジョセフィーヌ・・・。

 お、俺を捨てるのか!?

 俺はお前のために家族を捨てたというのに!!

 そして、お前の欲しがるものはすべて与えた!!

 我が領にある財をすべてお前に捧げたというのに!!」


「うふふふ、楽しい思い出をありがとうございました。

 ただ・・・

 もうあなたには飽きたのです。」


そう言って、今まで優雅に扇子を仰いでいたのだがピシャリと閉じる。

そして先ほどまで男を見つめていたのが、すぐに逆の方・・・儂の方へとまた顔を戻してきた。

そして、



「財もなくなったあなたと一緒にいても

 どうやって私に楽しめというのですか?

 まだ平民たちから搾取することは出来るのです?」


「・・・も、もう我が領の平民たちには蓄えもない・・・

 これ以上重税を課すことは出来ない・・・・。

 先日も、


 “今日食べるパンもないのです!!”


 と訴えてきたばかりだ・・・・。」


その男の返答に少し不思議そうな顔を浮かべて、また男の方を向いて、



「パンがないのならお菓子を食べればいいじゃない。」


その返答に唖然とする男。


・・・哀れよの・・・



「私は、次の方が決まっておりますの。

 すぐにでもご退席いただけないでしょうか?」


そう言って、その男を立ち去るように伝えるのだが、

それでもこの男は粘ろうとした時だった。



「・・・ジョセフィーヌ・・・。」


兵士に捉えられている男に近づいて行き、笑みを浮かべる。

その行動を良い方に捉えたからだろう、その男は安堵した声を出す。

・・・のだが!?


ジョセフィーヌはその男が携えていた剣に手を近づけると



「・・・ジョセフィーヌ?」


何をしているかわからない男はジョセフィーヌに尋ねるのだが、

それに対するジョセフィーヌの返答は笑顔のみ。


ジョセフィーヌは剣を抜いて、次の瞬間、

剣を地面へと落とした。

誰もがその行動の意味を理解できていなかったのだが・・・



「この男!!御父上に向かって、剣を抜きました!!」


その言葉に驚く男!!


それもそのはずだ!剣を抜いたのはジョセフィーヌなのだから!


さらに驚きの声を上げるジョセフィーヌ、



「この男、御父上を殺害しようと謀ったのです!!」


まさに寝耳に水のジョセフィーヌの発言に、



「私は何もしてない!!

 何を言っているのだジョセフィーヌ!!

 私が殺害を謀るなどあるわけがない!!

 なぁ、そんな冗談はやめてくれ。」


困惑する男、そして捕縛している兵士達も困惑する。

それも当然で、ジョセフィーヌが剣を抜いて、その男の目の前に落とした状況を

目の前でみているのだから!


そんな中、その男達からの発言も視線も気にすることもなく

こちらに向き直って、



「御父上、どうされますか?」


そんなことを尋ねてくるのであった。


ああ・・・


この娘を王都から追放できた良かった・・・


そう実感する瞬間であった。

そして、



「この男は・・・。」


儂の発言に固唾を飲んで見守る男に、



「儂を亡き者にしようとした!!

 すぐに処刑だ!!」


儂の発言に目を白黒させる兵士達であったが、

すぐにとらえていた男を牢獄へと連れて行ったのだあった。


・・・この娘は一体誰に似たのであろうか・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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