53話目
「ここね!私を呼んでいるのは!!」
私の告白の音を飛ばしてきている場所まで近寄り、
上空を旋回しながら、どこからこの愛の告白をしているのかを
探しはじめる。
だけど・・・
「虫が多すぎじゃないからしね?」
地べたにはい回る人間が多すぎて、
私に愛の告白を告げてきている方がどこにいるのかが
まったくわからないわ・・・
こまったわねぇ~・・・
どうしようかと考えているとそんな悩んでいる私の目に、
ある光景が飛び込んできて、さらにはこの地獄耳・・・違うわ!!
とても都合のいい言葉だけが聞こえる耳に・・・
「僕に捕まれ!!」
「あなたぁ~!!どうして!どうしてこちらに戻って来たの!?
あなたはさっき建物まで到達していたじゃない!!!」
「君を置いて逃げるなんて出来るわけないだろう!!」
「あなた・・・。」
そう言って、彼氏彼女の人間が抱きしめあった時だった・・・
ガブゥ!!!
「私に見せつけてんじゃないわよ!!!」
そういって、思いっきりかみ砕いてやったわよ!!
そして、上空から滑空して、降りてきた私の目には地面に同じような光景が
いくつもあることに気づく!!
あそこの男と女は手をつないで走っているじゃない!!
あっちは抱きしめ合って・・・
いい度胸ね!!
私にケンカを売るなんて!!
皆殺しよ!!
そう叫んだと同時に、私は一度空に上がってから、
また一気に滑空を始める!
カップルは絶対にかみ砕いて、ぐちゃぐちゃにしてやるわよ!!
私以外の幸せ何てかみ砕いてやるわよ!!
あと・・・
ブサイクにも死を与えてあげるわよ!!
この翼に当てて、その衝撃で砕けなさい!!
・・・おおぉっと!!
危ないわ!
人間とは言っても、イケメンは正義よ!
危なく当たるところだったわ!!
ブサイク、ブ男どもは生きる価値なーし!!
あと醜い女は・・・
生きる価値あり!!
私の引き立て役は生きる価値あーり!!
カップル、夫婦は皆殺しよ!!
そんなことを叫びながら、私はまた、上空へと戻っていき、
再度滑空して、人間ども・・・おおっと!イケメンは生きなきゃダメよ♪
人間どもよ滅びなさい!!
私以外の幸せなんて私は認めないんだからね!!!
・・・
・・・ふうぅ~、だいぶスッキリしたわね。
だけど、ここの広場みたいなところ以外には、
まだまだ殺害対象がいるはずよね・・・
そう思って、私は上空へと戻って、再度襲い掛かろうとした時である!
地面すれすれを滑空していた私の目の前に・・・
「何か飛んできたわよ!?」
そう思った時には、すでにその何かは私の口の中へと入ってきた。
ちょっと!!
イケメンかどうか判別できてないから、
かみ砕けないじゃない!!
すでに滑空から上昇へと転換していたため
口の中に入った異物を吐き出すこともできずにいた。
もう!めんどくさいわね!!
再度地面の方へと向かって下降していこうと思った時であった!!
・・・ふぐぅ!?
いったぁ~~~!!!
口の中に激痛が走ってきたのである!!
何よこれ!?
口の中に走った激痛は、すぐに口の中だけはおさまることはなく
口から、喉へ、そして体へと激痛が走って行くのである!!
いたぁーーーーーいーーーーー!!
すでに翼を羽ばたかせる意識も忘れてしまっていたのだろう。
気がつけば、一気に下降していたのである!
下降の途中で、口にも力が入らずに口を開けてしまって、
口からさっき口の中に入ってきた異物を
ポロリと吐いてしまっていたのである。
・・・あ、ブサイクじゃない!!
かみ砕いておくんだったわ!!
再度口に加えるか、翼を当てて砕くかしたいけど
力が・・・力が入らないの・・・
下降している中、ドンドン意識が薄れていく・・・
まだ・・・
まだ私にはやらなくてはいけないことがあるの!!
私・・・花嫁になりたいの!!
そして、初夜で・・・
「初めてだから優しくしてね♪」
って言うって決めてたのにぃ・・・・
意識を完全に失った私は、地面に叩きつけれたのであった・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




