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51話目

「ぐ、グンテは!?グンテはどこに!?」


慌てて、ドラゴンスレイヤーであるグンテ殿を探す王様であるが、

その王様の目に飛び込んできたは赤黒い腕になって叫んでいるグンテの姿である。


その姿を見て呆然とする王様・・・



「だ、誰がグンテをこんな風にしたのじゃ!?」



“ご自分でしょう!?”


取り巻き達が一斉に王様の言葉に反応して、王様の方を見る!

心の中で、確実に声を出して!!


ご自分が自分の手に余るグンテ殿を殺そうとして、

この決闘をさせたというのに・・・


さて・・・


この現状を打破するために・・・


私は王様にうちの領主ばかならドラゴンを倒せますと告げようとしたのだが、

すでにこのバカ騒ぎで相当な時間がかかってしまっていたようで、



「グワァアアアアアーーー!!!」


何とドラゴンがすでに王都の上空に到着していたのである!?


ドラゴン・・・


あれは飛竜ですか。


ドラゴンの中でも最下級になる飛竜が上空を旋回していたかと思うと

いきなり方向を変えて、決闘場内へと飛びこんでくるのである!



「きゃあぁああ!!」


「どけぇ!!」


「いやぁ~!!」


怒声と悲鳴が入り混じる状況に陥る観衆。

逃げ纏う観衆の後ろから滑空してドンドンと観衆を殺していく。


ある者は口で、ある者は翼の衝撃で、ある者は尻尾の一振りで、

それはまさに地獄絵図のような状態になっていたのである。


更には逃げる人が前の人をなぎ倒して、さらに後ろの人が踏んでいく。



「・・・まさに地獄ですね。」


そう横にいて、アワワといいつつ腰を抜かしている領主へと話かける。



「さ、サーター!!」


「はい?」


「た、助けてくれ!お願いだから!助けてくれ!!」


「いや、最初は私も助けようと思ったのですがね・・・。

 誰もが気づかない間に、決闘場から出れば無事に逃げられたのですが・・・。」


そう!そうしていれば今頃、悲鳴を聞きながらもダッシュで

この王都からも逃げ出せたかもしれないのに・・・


やっぱりあの時に、領主にドラゴンが迫っている事実を伝えずに

腹パン一発入れて黙って担いで逃げるべきでしたね・・・


まあ、終わってしまったものは仕方がない!


ここでやるべきことは一つです!



「領主様。」


「な、なんだよ!!」


「いっちょ、ドラゴン討伐しときますか?」


私の発言に呆然とする領主、しばらくの沈黙の後、



「・・・いやいや!ちょっとそこまでおつかいに行くみたいに言うなよ!?」


「そうですそうです。

 初めてのドラゴン退治おつかいですよ!」


「いやいや、そんな可愛らしく言っても、

 言ってる内容がヘビーすぎるわ!!

 そんなちょっとそこまで見たいな内容じゃないだろう!

 ドラゴン退治ってさ!?」


「・・・あれはちょっと・・・大きくなったトカゲですよ。」


「大きくなり過ぎだからな!!

 あんなにトカゲが大きくなるわけないだろう!?

 それにあの翼はなんだ!!

 あんなに禍々しい翼がトカゲに生えてるわけないだろうが!?」


「あれは・・・そう!

 最近はやりの王都のファッションなんですよ!

 いやぁ~、素敵ですね。」


「そっか!なるほどなファッションか~。

 確かに王都は都会だからな!

 あんな奇抜なファッションをしているトカゲがいてもおかしくないな!

 

 ・・・ってなると思うか!?

 あるわけないだろう!!そんなファッションが!!

 つばさ?

 百歩譲って翼を模したファッションがあるかもしれないけどな、

 あんな禍々しい翼じゃなくて、天使の羽のような翼にするだろうに!?」


「ああ、あれは・・・個性ですよ。」


「まだ、ファッションってことを言いとおすか!?

 限界があるだろうに!ファッションで通すにしても!?」


「・・・そんなところだけは無駄に頭が回るんですね・・・。」


「な、なんだと!?無駄にって言ったな!?」


「先に言っておきますが、領主様なら簡単に出来るから私は言っているのですよ?」


「・・・何をだよ?」


「ドラゴン討伐ですよ。」


「いやいや、ムリだろうに!?」


「何をおっしゃいますか、その手に持っている剣は一体なんですか?」


「・・・ソウルイーター・・・。」


「そうです。一撃でも与えれば、たちまちあのような姿になります。」


そういって、私はグンテ殿の方を指さす。

その動きにつられて、視線をグンテ殿に向ける領主。


領主の視線に入るグンテ殿は、すでにあまりの激痛のためか

泡を吹いて意識を失った状態で倒れていた。



「あれほどの男でもかすっただけであのような状態になっております。」


「・・・そうだな・・・。」


ゴクリと生唾を飲み込みながら、私の意見に返事をする領主。



「もしドラゴンにソウルイーターで一撃を与えたら・・・。」


「・・・効くのか?」


「はい、必ず効きます。

 飛竜張りに大きなゾウですら、イチコロの猛毒が・・・。


 おっほん!!


 ソウルイーターは触れた生き物の命を奪う剣です。

 ドラゴンも生き物です。

 必ず効きます。

 魔物にも今まで効いてきたでしょう?」


「・・・あ、ああ・・・そうだな。」


・・・納得していますが、毎回魔物と遭遇した時には

気絶していたから記憶がないのでは?・・・とは、

口が裂けてもこの場では言わない。



「領主様は簡単にドラゴンを討伐することができます。」


「・・・。」


私の言葉に対して何と返事をしていいのか困惑している領主。

まだ決心がつきませんか・・・


そこで私は魔法の言葉を領主へと告げる。



「領主様。」


「・・・なんだよ?」


「ドラゴンを討伐すると?」


「何で俺に聞いてくるんだよ!ドラゴンを討伐すると

 あそこにいるグンテみたいに有名人になれるんだろう?」


「ええ、その通りでございます。

 領主様・・・王国中に領主様の名が広がるのです。」


「・・・え?」


ものすごい興味がありそうな顔を浮かべてこちらを見てくる領主。

・・・やはり領主はべらせたいにはこの手の話に食いつくな・・・



「明日には領主の名は王国中に広がるということは?」


私のセリフにゴクリと生唾を飲み込み・・・



「・・・モテるか?」


「はい、必ず。」


「ヨシ分かった!!じゃあ、ソウルイーターを貸すぞサーター!!

 部下の手柄は上司の手柄だ!!いざぁいぷぁはわっわああ!?」


私の蹴りが見事に領主の腹を捉えて、

領主は見事に空に舞っていきました・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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