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4話目

・・・ハリー君でしょうね。


私は先ほど射られた矢がハリー君の手によるものだと確信している。

彼くらいしか、この村で技量のある弓の使い手はいない。


だからでしょう。

先ほどから私の方を不安げに見てくる名主のハリスさん。


まあ、普通に考えれば、自分の息子が領主の暗殺を謀ったのですから・・・


家族ごとの死刑と思うでしょうね。


あとは奴隷として売りさばくとかですかね?


まあ、しかし、この領主のうなしのしたことを考えれば、

何の問題もないでしょう!


というか、自分の技術の高さを今は呪っています・・・


もうちょっと薄く造っていればきっと貫通して、

このバカに怪我を負わせることができたのに!!


そうすれば、領主はしばらく安静にしていて

私が自由気ままに出来たんですけどね・・・


ですが、ハリー君のしたことで私も理解できました!


今度、このバカが死なない程度で怪我をするように

計画を練ってみよう!っと。


それいい案だ!


ハリー君、君には私にその案を浮かばせてくれたので、

今度表彰をしてあげてもいいくらいです!


っと、変なことに気を取られ過ぎましたね!


まずは不安な顔をしてこちらを見てくる名主のハリスさんに

落ち着けるように言葉をかけなければ・・・・



「問題ないですよ。許容範囲です。」


これでこっちは問題なく片付きましたね。


これで後はこのバカが、気絶して、そこから気づいた時に、

記憶喪失になっていることを願うだけです!


とりあえず神に?


それとも悪魔に?


うぅ~ん・・・誰に祈れば一番奇跡を起こしてくれるのでしょうか・・・


そんなことを考えている時だった。



“おおぉぉぉぉーん!!”


森の中から大きな遠吠えが聞こえて来たのである!?


その声を聞いたハリスさんは顔を青くする!


きっとさっきの声が何なのか理解したのでしょう!

さっきの雄たけびは・・・


魔物の雄たけび!!


そうなると、ここに現れる可能性があり、

最悪な場合には村人が襲われる可能性がある!!


だが、そんな名主としての判断よりも別の判断が走っているのでしょう、

それは先ほど暗殺を企てた息子が森の中にいるということだ!


矢を射って、頭に当てたのだが、刺さらなかったことを目視しているだろう。

だから、森の奥へと逃げたとみた。


そして、偶然魔物と遭遇した・・・と・・・


それで魔物が雄たけびをあげたと・・・


何と運がない!!


さてと、どうしたものでしょうか・・・


これからどうしようかと考えた始めた時に、



「う・・・うぁ・・・・さ、サーターか?・・・な、何が起きた?」


このタイミング何で目が覚めですか!?


空気を読んで領主クズ!!


大人しく寝ておいてください!!


心の底からこのバカが目覚めたことを呪うのだが、

次の瞬間・・・


・・・魔物に襲わせたらいいんじゃね?


グッドアイディアです!



「空から石が落ちてきて、領主に直撃しました!」


「な、何だと!?」


「ですが、さすがはバリティッシュ家の甲冑です!

 見事その危機でも命をなくすことなく、怪我すら負うこともなく

 領主を守り切っております!」


「そ、そおか!!そうだな!さすがは先祖代々の品だ!

 やはり子孫に危険が及ぶとしっかりと守ってくれるんだな!!

 やはり、今日の視察は身の危険があると俺の本能に甲冑が訴えかけたに違いない!!」


「はい、そして・・・


 その甲冑があればきっと魔物も倒せます!」


「・・・ま、魔物だと!?」


「ええ、今、雄たけびが聞こえてきました!

 それも近い距離でしたから、きっとすぐに魔物がこちらに現れるでしょう!」


「ちょ、ちょっと待て!魔物が出たなら、すぐに逃げなければならないだろう!?」


「いいえ、今日に限って言えば、迎え撃つこともできるはずです!!」


「・・・なぜだ!?」


「それはルイス様が着てらっしゃる甲冑と・・・


 ソウルイーターを装備しているじゃないですか!」


「・・・ソウルイーター?」


「はい、その腰に帯びている剣もまたバリティッシュ家に伝わる由緒正しき剣であり、

 そして、数々の戦功を欲しいがままにした剣である・・・


 “ソウルイーター”


 と呼ばれる剣です!」


「そ、そんなに名剣なのか?」


「はい、多くの魔物を切り倒しておりまして、

 更にはその魔物達も一撃で葬られたとか。

 その姿を見た人々が、一撃で魔物が死んでいく姿を見て、

 魂を食べるていると言い出して、魂を食べる剣ということで、

 ソウルイーターの異名が付いたほどの剣です。」


「・・・この剣が・・・。」





サーターさんが領主ゴミに剣の由来を説明しているのを

私は驚きながら聞いていた!!


サーターさんの言葉を聞いて、マジマジと眺める領主こんじょうなし


だが・・・


あの剣は・・・


昨日、急遽村の鍛冶屋が打ったただの剣である!!


ど、どういうことだろう???


え?そんなに有名人だっただろうか?うちの村の鍛冶屋って?


しかも昨日出来たばかりだから、魔物なんか倒してもいないはず??


私の頭に疑問が浮かんでいると、サーターさんがこちらを向いて、

口の動きだけで私に要点を伝えてくる。



“は・な・し・を・あ・わ・せ・ろ”


なるほど・・・


すでにこの命はサーターさんに握られているも同然である。


息子の暗殺を空から石が落ちてきたと嘘をついてもらっているのだ。


ならば私が取る行動は一つだ!



「はい、それはバリティッシュ家に伝わる剣だと私も聞いております。

 もちろんソウルイーターの話もです・・・。

 ですから、それがあればどんな魔物であろうと一撃で駆逐できるはずです。」


そう言いながら、まだ森の中にいるであろう息子の安否を願っていた。


生きているのであれば、この領主えさを差し出せば、

その間に息子を助けられる可能性がある!!


今はその可能性にかけるしかない!!


サーターさんも何とかして、この領主を森へと連れていきたいと思っているのだろう!


それなら私はその考えに便乗させてもらう!!



「・・・そっか・・・ならば、私のとる行動は一つだ!!」


「「領主様!!」」


「サーター!お前にこれを預ける!だから、お前1人で行ってくれ!!」


ダメだ・・・こいつはトコトンクズだった・・・


自分の命を天秤にかけることなんて全くない!


自分が一番大事な男だったよ!!


ど、どうしようか・・・


そう思った時だった!


ガン!!


その音と共にまた領主がぐったりとするのであった。



「さて・・・、領主様も魔物を倒すのは自分しかいないと理解されたので

 森へと入って行きますか。」


「は、はい・・・。」


今、グーで殴った!?


殴って一瞬で領主様の意識を奪ったサーターさん・・・


いや・・・


サーター様に私ごときが逆らえるはずはない・・・



「どうやら興奮しすぎてしまったみたいですので、

 私が背負いますので森の中へと行きましょう。」


「はい・・・。」


何事もなかったかのように森の中へと入って行く

サーター様の後ろを私は着いていくのであった・・・


逆らえば・・・


殺される・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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