表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/266

46話目

俺はあの時、妻を見送ってしまったことを今でも後悔している。


なぜなら・・・


それ以降、妻は私の元へと帰ってきていないのだ!!!


先に宿屋に戻って宿屋の準備をしていたのだが、

結局その日はもう戻って来ることもなかった・・・


その次の日も・・・


その次の日も・・・


そして・・・2年戻ってきていない・・・


この2年間一度もだ!!


俺は当然心配して、あの時出会ったのが貴族であったため城へと何度も足を運んだ。

だけど、妻に会うことは出来なかった・・・


一応、妻は生きていることは知っているのだが、

その姿を見ることは出来なかった。


なぜ生きているのかを知っているかと言えば、

別れたあの日からしばらくして、一通の手紙が送られてきたのだ。


そこには住所も何も書かれていない手紙であり、

内容は、



“あなたへ


私のことは忘れて、次の幸せを見つけてください。”


それだけが書かれた手紙である。

それとペンダントが同封されていたのだが・・


確かにそこに書かれた文字は妻の字であったが、

無理やり欠かされたのでは!?と思ってしまう!


相手は貴族なのだから、そう理解するには十分だ!!


貴族に無理やり捕まってしまった妻は今は・・・

想像するだけでも耐えられない!!


俺は何としてでも妻を救い出さなければならない!!


そう思って、俺の出来ることとして、城へと相談を

毎日のようにしに行っていたのである。


学のない俺にはそれ以外の方法が思いつかないし、

周りの俺の友達には、



「まあ、仕方ないだろう・・・。

 それよりも新しい恋を楽しめよ。」


そう言って、諦めさせようとする友達ばかりだった。


貴族に逆らうわけにはいかないのは分かるが・・・


俺にはあいつ以外の妻はいないんだ!!


俺にはあいつ以外の女性はいないんだ!!



「何を言ってるんだお前?

 この間、嫁にウソをついて、あそこの飲み屋の女とデートしてただろうが?」


・・・


「ああ、おほん!!

 そんなことはない!!

 ・・いや、まあ、少しだけ手をつないで歩いたことがあったかも・・・。」


「な~に言ってんだお前!

 俺達に自慢してたじゃねえかよ!

 あの子の部屋で二時間ハッスルしたってよ!!

 胸の形はもちろんのこと、どんな声を聞かせてくれるって

 嬉しそうに話していたじゃねえか!!

 普段口下手くせにそんな時だけは饒舌になりやがってよ!!」


「・・・。」


ちょっと友達の話は忘れよう・・・


俺にはあいつ以外の妻はいないんだ!!


俺にはあいつ以外の女性はいないんだ!!


妻がいなくなってからは、何もかもがうまくいかなくなっていた。


元来の口下手であるため、接客は不向きであり、

みるみるうちに宿屋の経営は苦しくなっていき、

結局、営んでいた宿屋は他の者に盗られてしまった・・・


こんなことになったのもあの貴族のせいだ!!


あの貴族が妻を盗っていったせいだ!!


手紙には、手紙以外にもペンダントが同封されていたが、

そんな手切れ金何ているか!!


そんなモノよりも妻を返しやがれぇ!!!





俺は宿屋の店主の飲み仲間だよ。


ああ、毎日のように貴族に盗られたと言っている店主の話を聞いているのだが・・・


確かに貴族に妻を盗られたことには同情はする。

だけど、こいつが妻がいなくなってから言った言葉を俺は今でも覚えてるのだが・・・


その頃、とある飲み屋の女に熱をあげていたこの男は、

妻がいなくなったことを良いことに・・・



「これでいつでも一緒にいれるな♪」


そんなことをその女に言っていたのだ!!

その頃には理解していたのだろう。

貴族に妻を盗られたことを・・・


だからだろう、自分では積極的に妻を探すこともなく、

とりあえず城に行って、妻が不明と言いに行っているのは知っているが、

それって・・・


ポーズだよな?


いやいや、俺がそう思っているのではなくて、

街のみんながそう思ってるぞ?

というか、お前この間・・・



「これでみんなが俺が妻のことを心配しているって思ってくれるぞ!!」


って、飲み屋の女と盛り上がっていたのを知らないとでも?


え?


どうして知ってるんだって?


あれだけ大声で飲み屋で叫んでいたら、

誰もが知っているからな!

どうしてバレてないって思ってるんだこいつは?


それにお前・・・俺達はいつもあの飲み屋の女は止めておけって言ったよな?


あの女は男をとっかえひっかえしていて、

金品を巻き上げたら、次の男へと移っていく女だって忠告したよな?

そんな時にお前は、



「今まではそうだったかもしれないが、俺は違うんだ。

 本気で俺に愛しているんだよ、彼女は。」


そう言って、どこから湧いてきたか分からない自信に満ちていて

俺達の意見は全く聞いてくれなかったよな?


その結果・・・


お前は相当な金をあの女に貢いだし、

さらには奥さんから送られてきた手紙に添えられていた相当高価なペンダントを、



「これ・・・私に?嬉しい!!・・・あなた・・・。」


初めて“あなた”と呼ばれて、舞い上がってすぐにプレゼントしてたよな?


嬉しそうな顔をしていたけど、

その後俺達が、それは手切れ金だぞ!


止めておけって言ったにもかかわらず、

そのままプレゼントしていたじゃないか・・・


たぶん、お前の奥さんがお前のことを心配して、

売れば数年は何もしなくても食っていけるようにと

きっと送ってきてくれたものだったのに・・・


そして、最後には、妻がいないことをいいことに

飲み屋の女を自分の宿屋の女将にして一緒に働き始めたよな?

それについても俺達が止めておけって言ったにもかかわらずに・・・


俺達は心配だったんだよ。

頭の悪いお前がうまくあの女に使われるんじゃないかと思ってな。


そしたら結果・・・


お前の手から宿屋の権利権をすべて

飲み屋の女に渡していたじゃないか!!


そして見事に追い出されたと・・・


今の宿屋はって?


飲み屋の女が貢いでいる男と共に

今では相当儲かっているみたいだぞ!


男を転がすのがうまい女が営むと

どうやらお店もうまく転がるみたいだな!


そこでやっと自分が本命でないということに気づいた宿屋の店主は、



「やっぱりあいつがいぃ~い!!うわぁ~ん!!」


気持ちが元妻の鞘に戻って来たって事だよ。


・・・あ、違った!!


あそこの道具屋の娘にも・・・


それにあそこの薬屋の娘にもちょっかい掛けた後だったかな?


とりえず・・・4人ほどの女にフラれて、

やっと元妻が良いって言いだしたんだった。


・・・同情?


ちょっと言っている意味がわかんないなぁ~・・・


だって・・・


どうみても自業自得じゃないか?



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ