41話目
どうやら俺の失態は完全にサーターの発言によって拭い去れたようだ!!
開始の合図と同時に距離を詰めてきたグンテの動きに
まったくついて行けずに、次の瞬間には腹にものすごい衝撃が走ったと思ったら、
ウソのようなスピードで転がっていくなんって!!!
あまりの衝撃にまた記憶がなくなっていた・・・
気がつけば俺の周りに衛兵や進行役が来ていて、
俺が気づいたことに安堵したかと思ったら、
「今のはグンテ殿の反則なので、もう一度行います!」
そんなことを言いだしたのだ!?
はぁ~!?今のをもう一回だと!?
今のは奇跡的に助かったけど、もう一度同じことになれば死んでしまう!!
絶対に断固拒否だ!!
ドラゴンスレイヤーなんかに挑むなんてまっぴらだ!!
・・・
それなのに・・・
どうしてお前らは俺を引っ張っても連れていくんだよ!!
どんなに俺がいやだぁ~と泣き叫ぼうが引きずっていく衛兵達、
しまいには・・・
「この場で殺されるのと、決闘場の中央に行くのとどっちがいいですか?」
そういって、俺の喉元にナイフを突き立てくるし!!
今殺される!?
普通に脅してくるんですけど!!
「こ、こんなところで死んでもごまかせないだろう!?」
そう俺が告げてもニヤリと笑い、
「グンテ殿に殺されたようにどうとでもなりますよ。
俺達には王様がいるんですからね。」
・・・だ、だめだ・・・この意見では俺の身が危険だ!!
すぐに別の意見に鞍替えして、
「だが、俺が死ねばグンテは殺せないぞ!?」
「バリティッシュ男爵様が死ねば、それを利用してグンテ殿を殺すのなんて簡単ですよ。
バリティッシュ男爵様を殺した罪に問えばいいのですから。」
そう言って、ニヤニヤとする衛兵達・・・
だめだ・・・
断ることも逃げ出すこともできない・・・
俺に残されている道は、グンテを殺すことのみだ・・・
そのことを悟るには十分であった。
だけど・・・そんなことできるわけがない・・・
そんな絶望に落とされた時だった!!
「領主様!!」
何とサーターが俺に声をかけてくるのである!!
思わずサーターに泣きつくのだが、
何と口の上手いことか!!
俺の失態が一気に改善されていくのを感じるのである!
観衆の空気も一辺していくのを感じる!!
これに乗れば・・・ああ、だけどだめだ!あの化け物には勝てない・・・
そんな絶望を感じていると、進行役が俺の耳元で、
「先ほどのペナルティということで、グンテ殿にはバリティッシュ男爵様が
攻撃を加えるまで攻撃をしないと宣言させていただきますよ。」
そういって、ニヤリと笑う進行役。
その言葉は・・・
俺にソウルイーターで一撃を入れろと言っているのだ!!!
・・・それなら俺が確実に勝つ・・・
だが・・・そんな卑怯なやり方で・・・
そんな躊躇が目覚めるのだが、それを察したように、
「先に反則をしたのはグンテ殿の方です。
そしてその反則のせいで、一撃を受けたのはバリティッシュ男爵ですよ?
当然、その報いは確実に受けてもらう必要があります。
先に反則したのは・・・グンテ殿のほうですよ?」
・・・そうだ!!反則をしたのはグンテの方なのだから!!
俺は剣を抜いて、決闘場の中央へと歩いて行く。
さ、さっきのは油断していたのだ!
今度は油断しないぞ!!
そのためにもソウルイーターを発動させてから俺は望むぞ!!!
そう覚悟を決めて、剣を持って・・・
「コケ―!ココココ!コケ―!ココココ!コケ―!ココココ!」
俺は鶏のマネをして、剣を嘴に見立てて、更には逆の左手を尻尾のように
お尻の部分へと持ってきて、鶏のマネをし始めるのであった!!
唖然とすると進行役とグンテ。
それもそうだろうな・・・
俺だって死ぬほど恥ずかしいんだ!!
だけど、サーターがそう言ったんだ!!
ここに来る前にソウルイーターを発動する条件の一つに鶏のマネをして踊るってさ!!
だよな!サーター!!
俺は踊りながらサーターの方を見ると・・・
・・・こっちを指さして笑ってやがる・・・
しかも大口を開いて腹を抱えて笑ってやがるのだ!!!
何を笑ってやがるのだ!!!
思わずサーターに文句を言ってやろうと思ったが、この舞をしている間はダメだ!
途中で止めるとまた最初からって言われたからな・・・
サーター曰く、
「鶏が卵を産みだすように、ソウルイーターが新しい生命を産み出すために必要なのです。
ただし、その産み出された声明には命が宿っていません。
身だけが産み出された状態ですね。だから、ソウルイーターはその身に命を宿させるために
誰かの命を奪うのです。」
・・・なんとなく理屈は合ってる。
だけど、どこか腑に落ちない・・・
だが、今はそんなことを感がている余裕も時間もない!!
やるしかない!!
・・・俺は・・・いつもこれをやっていのたか・・・
こんな大衆の面前でするなんって二度とやだ!!!
本当にそう叫びたいのをグッとこらえて、
俺はひたすら鶏のマネをした舞を観衆の前で披露するのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




