39話目
王様は俺に『確実に殺せ』と言って、俺がそれに返事をすると
満足したような笑みを浮かべて、帰っていった・・・
まあ・・・
王様の命令だから仕方がないよね!!
そう思うしかない!!
あとは・・・
ドラゴンスレイヤーであるグンテを俺が殺せるかどうかだ!!
・・・自信がない・・・
だって・・・
今までの戦歴は・・・
一切記憶にないんだからな!!
どうやって倒したかって?
わかりません!!
そこのところがまったく記憶ない!
サーターが言うには、覚醒したような俺になっていたらしいのだが、
覚醒したら俺には記憶が残らないらしい・・・
・・・どうやったら覚醒するのだろう・・・
覚醒しなかったら俺が死ぬのでは?
・・・いやいや、俺にはソウルイーターがある!!
ソウルイーターが当たりさえすれば確実に殺せるのである!!
俺はゆっくりと剣を抜いて、刀身を眺めながら、
「その力・・・発揮してくれよ。」
そういって、俺はソウルイーターに願うのであった。
「・・・願っても無駄ですが・・・。」
「ふにゃぁふほ!?」
聞こえてはいけない声が聞こえて来たので変な声を出してしまう!
だって、さっき、王様とその取り巻き達は帰っていた!!
だからこの部屋には俺しかいないはずなのに!?
そして・・・
聞き覚えのある声がこの部屋で聞こえてくるわけもないのだから!!
俺は・・・
震えている!!足元から、今まさに崩れ落ちそうになっている!!
だって!
これって心霊現象の類だろう!?
そんなのどうにもできないし!
っていうか、こんな時は・・・
「なにとぞ命だけは助けてください。
そうだ!サーターの命なら差し上げます!
私の執事のサーターの命なら差し上げますので!!
ですから、私の命だけは助けてください。」
そういって、目を瞑って拝むのであった。
そんな俺の願いは・・・
“ポン”
肩に何かがのってきたのである!!
俺の願いは届かず!!
俺を狙ってきたんだぁああああ!!!
俺はそのままその場に立つことすらできずに
地べたにヘナヘナヘナとすわりこんでしまうのであった。
「・・・何でそんなに驚いてるんですかね?」
抑揚もなく、冷たい声がまた聞こえてくる!!
どうやら俺は本当に心霊の類に今、ここで殺されてしまうのか!?
「しかも・・・私の命なら奪ってもいいとは・・・。
これほど必死で仕えさせていただいているのに・・・。」
・・・
あれ?
これってもしかして・・・
何やらブツブツと聞こえてくる声はやはりサーターのものであった。
・・・これは・・・
覚悟を決めて目をうっすらと開けてみると・・・
何とそこにサーターがいるではないか!?
俺はすぐに目を見開いて、
「さ~た~!!!」
情けない声と共に安堵するのであった!!
・・・あ!?
俺が気づいた時には時すでに遅し!!
“チョロチョロチョロ・・・”
じわじわと俺のズボンの股間の部分が濡れていく・・・
「・・・汚い・・・。」
恐ろしいほど詰めない視線でこちらを見てくるサーター。
どうやら、俺は緊張と安堵のあまり・・・ちょっと出してしまったようだ・・・
「い、いや、これは!ち、違うんだ!!
そ、そう!これは!汗だ!汗!汗なんだ!!」
「・・・。」
一切俺に向ける目が冷たいままであり、そして蔑むような目で俺を見てくるサーター。
「ほ、ほら!い、今から!決闘だから!決闘だからさ!!」
「・・・。」
どんなに俺が言葉を紡ごうとサーターには全く届いていないようだ。
「さ、サーター・・・。」
何とかしようとサーターに話かけようとした時だった、
“コンコン”
また扉がノックされるのである!
「どうやら今度は使者のようですね。」
「・・・今度は?え?何で、お前が知ってるんだ?」
「・・・チィ!馬鹿なのにそんな所は聞き逃されないとは・・・。」
俺が指摘すると、そんな舌打ちと言葉が俺に耳に聞こえてくる!?
「さ、サーター!?」
「いいですか、領主様!私がここに来たのはただ一つです!
ソウルイーターの発動方法を教えに来たのです!」
「発動方法!?そんなのがあるのか!?」
「はい、発動しなければその剣は、ただのそこら辺の安物の剣ですから。」
「・・・ちょっと待て!安物の・・・。」
俺が言うのを待つこともなく言葉をかぶせてくるサーター、
「いいですか、発動の仕方は・・・・。」
ソウルイーターの発動方法を俺に教えてくれる。
・・・
「ホントにそんなことが発動条件なのか!?」
「はい。」
「いつも俺はそれをしているのか!?」
「はい。」
「う、ウソだ!?そんなことないだろう!?」
「いいえ、毎回発動させる際にしておりました。」
愕然とする発動方法を聞いて、俺は困惑していたのだが、
それでも扉から使者が入ってきて、
「時間ですので向かいましょう!」
そう言って俺を連れていくのであった!
「お気をつけください。」
そう言ってサーターは俺を満面の笑みで見送ってくれる・・・
っていか、俺はそんな満面の笑みを見たことないぞ!!サーター!?
そんな俺達のやり取りを見ながら使者が、
「・・・その濡れてらっしゃるのは・・・。」
俺の股間部分を見ながら使者そう尋ねてくると、
「漏らしたのです。まあ、これから戦いなので、多少汚れていてもいいでしょう。」
サーターがそんなことを言うのである!!
「漏らした・・・」
俺から距離をとる使者!!
「ちょっと待て!!せめて着替えさせて・・・。」
「時間がないのでとっとと行ってください!!」
そういって、サーターに押されて控室から出されて、
扉を閉めらるのであった。
そして、サーターに引っ張られて、使者に従って決闘場へと向かう・・・
使者が距離を置いているのは・・・気のせいだよな?
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




