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32話目

「この度の魔人討伐、大儀であった!!

 ルイス・フォン・バリティッシュ男爵!

 そなたにこの勲章を送ろう!」


そう言って隣にいた大臣に指示をだして、

大臣が俺の元へと勲章を持ってきて、そして、胸に勲章をつけてくれる。



「そなたはあの魔人を討したということで、最強の貴族である!!

 これからもその力を王国のために尽力してほしい!」


「はい。喜んで!」


そう返事をすると割れんばかりの拍手が巻き起こるのであった!!


それに俺は胸を張って答える!


俺は皆から英雄としての賛辞を一切に浴びるのであった!!




城内でのセレモニーが終わると、

今度は、城から出て王都内をパレードすることになっていた・・・


俺は王様と王妃が乗っておられる馬車に乗って、

王都内を練り歩くのだが・・・



「王様ぁ~!!」


「王妃様ぁ~!!」


「国王陛下万歳!!!」


当然、王都であるのだから、当然この2人への声援が湧き上がる。

それはそうだけどさ・・・



「誰だあの隣のは?」


「ルイス・フォン・バリティッシュ男爵?・・・知らないな?」


「何でそんな変な貴族が王様と王妃様が乗られている馬車に同乗しているんだ?」


誰も俺が何ものであるかを知らされていない・・・

・・・事前に俺のことを少しでも通知してくれてもいいんじゃないだろうか?



昨夜のことである。

執事のサーターと一緒に過ごしていた時に、



「明日はパレートだな・・・、これで俺は一躍英雄だ!!」


「さようでございますか・・・それは良かったですね。」


「・・・何かとげのある言い方に聞こえるのだが?」


「そんなことはないのですが・・・。

 元来このように感情の起伏があまりないものですから。」


「なるほど・・・。

 って、納得しかけたけど違うだろう! 

 お前、人をイジメている時、どれだけ嬉しそうなの?っていうくらい

 笑みを浮かべるじゃないか!?」


「本当ですか!?お恥ずかしい・・・気づいておりませんでした。

 それでは以後気をつけて・・・


 私が笑っているのが分からないくらい、物理的にも精神的にも追い込みたいと思います。」


「いやいや、気をつける点がおかしいからな!

 追い込む方を気をつけるんじゃない!

 それに別に執事が笑みを浮かべても何ら問題ないからな!!」


「さようでございますか?それなら・・・しゃあなしですが今まで通りさせていただきます。」


「お、お前しゃあなしって言うのはなんだ!?  

 ・・・まあ、明日はめでたい席もあるし、今日のところは許してやるが・・・

 そう言えばどうだ?自分の主が爵位が上がるというのは?」


「はぁ・・・特には何も・・・。」


「いやいや、そこは感動しました!だろうに!?」


「いえ、全然・・・。」


「全然って!?お前、俺をそもそも主としてう・・。」


「それよりも明日ですが!」


俺がしゃべろうとするところに被せてくるサーター。

完全に俺の言葉を遮って、俺の話を終わらせようとしているのは明白である!



「・・・な、なんだよ?」


「パレード・・・ご参加されるのですか?」


「当然!そもそも俺のために開かれるパレードなのに

 どうして俺が出ないという選択肢があるんだよ!」


「ですが・・・王都の民誰もが、領主様のことを知らないんですよ?」


「・・・え!?だって、今回俺が魔人討伐を・・・。」


「それは民には伝えられていないみたいです。」


「?どういうことだそれ?

 それなら俺がパレードに参加しても何の意味もないだろうに?」


「さようでございます。ですので、そんな無意味なパレードに

 参加されるのですか?っと聞いているんじゃないですか。」


「・・・いや、実はそう見せかけて・・・。」


「大丈夫です!私が先ほど聞きまわった成果がそれですからね。」


「・・・。」


そう忠告されていたのだが、それでもそんなことはないと思って、

パレードに参加したのだけど・・・


俺は王様たちを信じていたのだけど・・・


声をかけられるのは王様と王妃様に集中するのであった・・・


俺・・・


これに参加する意味があったのだろうか?


というか、こうなることは丸わかりなのになぜにパレードをするんですか王様!!!


その時、俺達の馬車を操作している業者が、



「やはり王様のご栄光はすばらしいですね!」


その言葉に満足そうな顔をする王様・・・


更には、



「デーモンスレイヤーという、素晴らしい称号を持ったバリティッシュ男爵と一緒にいても

 王様への声援が勝るとは・・・爺は感激しております!!」


そう言って、涙を拭きだす業者なのだが・・・


気のせいだろうか・・・


涙はからっからなのだが・・・


フリ?それは完全に涙を拭いてるフリだよね?


っていうか、王妃も全然涙が出てないのに、

なぜにハンカチを目元に当ててるんだ!?


そして俺は悟る・・・


俺は王様の機嫌をとるための当て馬にされていることを!?


そ、そんな・・・


俺が呆然としている時に王妃が王様の目を盗んで俺に一言伝えてくる・・・



「何をショックな顔をしているのです?笑いなさい。

 王と一緒の馬車に乗っていられることを!名誉と思いなさい!!

 もし不穏な動きをしようものなら、周りに配置している者達が、

 一斉に矢を引くと思いなさい。」


そう言って、路地などを示すとそこにはこちらに向けて矢を構える衛兵たちの姿が!?


・・・もう嫌だぁ~!!!


完全に俺は道化じゃないかぁ~!!!



「王様!やはり王様は民に慕われておりますね!

 このバリティッシュ、とてもとても王様には及びません!」


「ほほほ!何の何の!」


そう言いながら満足気な笑みを浮かべる王様と、

俺に更に褒めちぎれと肘鉄を加えて俺に催促してくる王妃。

それと催促を込めて鋭い目をしてくる業者・・・


そして、俺の目には・・・


そんな俺を見て大笑いしているサーターの姿が移るのであった!!


な、なんでこうなったぁーーー!!!



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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