31話目
「ルイス・フォン・バリティッシュ男爵!入場!!!」
その掛け声と共にファンファーレが鳴り響く!
「それではどうぞ。」
衛兵が扉を開けて、俺を中へ入るように促すのであった。
「うむ。」
端的に俺は答えて、室内へと一歩、また一歩と中へと進んでいく。
先日の拝命式の時とは違って、皆から聞こえてくるのは称賛の声である!
「バリティッシュ男爵!!」
「デーモンスレイヤー様!」
俺は魔人を討伐したということで、
“魔人殺し(デーモンスレイヤー)”
この異名をつけられたのだ!!
更には、元々騎士爵だったのだが、今回の魔人討伐の成果として、
2段階爵位が上がった!! (騎士爵 → 準男爵 → 男爵だ!)
今日の授与式は、お城の中庭で行われおり、平民もいる!
・・・まあ、平民と言っても大富豪クラスでないと城には入れないのだが・・・
俺は声をかけてくれる人々に手を挙げて応えながら、前へと進む。
その先には王様が、即席の王座に座っており、
俺に授与するために待っているのである!!
すっかり俺に命を救われた王様は、俺に大変な恩義を感じているようで、
毎日のように俺が安静にしていた部屋に来ては世間話をするのである。
ただ・・・
内容が・・・
「王妃がまた服を買って欲しいと言ってくるのじゃ!!
着てないドレスがたまり過ぎて何部屋あいつのために使っていると思っているんじゃ!!」
とか、
「王都の薬屋の娘が可愛くてのぉ~・・・。
どうにかして、儂に恋をしてくれないか考えているところじゃ。
うん?王命で言えばすぐに側室にできるのでは?と?
そんなの嫌じゃ!!
儂は純愛がしたいのじゃ!
権力を使うことなく!儂自信を好きになってもらいたいのじゃ!!
あと・・・あそこの料理屋の娘が・・・。」
・・・結構、このおっさん街中を歩きまわっているな?
普通、王様ともなれば城の中で過ごすんじゃないのか?
・・・それと・・・
王様・・・
あなたの容姿で恋を所望するのは無理だと思いますけど・・・
オーク!
醜い豚の魔物しか見えない王様に人が恋するわけないでしょう?
だれか、このおっさんに鏡を見せてあげて!!
現実を突きつけてあげて!!!
うん?俺が?
ムリ!無理だから!!
俺、まだ死にたくない・・・
このおっさんにそんなことを告げたら、間違いなく暗殺者を送ってきそうな気がする・・・
そんな話をする?一方的に話される?そんな関係のためか
ずいぶん俺は気にいられている。
そう・・・
それも問題なのは、ひしひしと分かる・・・
歩いて向かっていると、ある一画が目に入るのだが・・・
その一画は、こちらに拍手はしているものの
その顔はまったく俺のことを祝っている感じはしない!
むしろ俺を殺そうとするような殺気を込めているのを感じる!!
・・・チラ。
ほらやっぱり!!
目が怖い!!完全にこっちに殺気を向けてくるじゃないか!?
何なんだよお前ら!!
魔人が現れた時に、いの一番に逃げたのはお前らだろう?
それで王様から追及されたからって、その矛先を王様には向けられないからって
俺に向けてくるのはどうかと思うぞ!!
まずは逃げた自分の行動を恥じれよ!!
そして・・・
第一王子!!!
そのお供ども!!
お前らも殺気の籠った目でこっちを見てくるな!!!
分かってるよ!
俺が王様を助けたから、自分に転がってくるべき王様の座が
自分の元へ来なかったこと・・・恨まないで!!
っていうか、俺が討伐しなかったら、そもそもこの国がなくなってたんじゃないの?
俺英雄だよ?
魔人を討伐した英雄!!
分かっているの?
分かっているのにそれ?
・・・ああ・・・なるほど・・・
俺が手順を間違えたと・・・
王様が殺された後で、魔人を討伐しろと・・・
理不尽な!!!
こっちも必死なんだから!そんなことをいちいち考えて討伐何か出来るか!!
というか・・・
そこら辺の記憶があいまいなんで無理!
俺・・・討伐したんだよな?
・・・いや!討伐したんだ!!俺が討伐したんだ!!
魔人に剣を突き刺したことを覚えているぞ!!
そんな殺気を浴びながらも俺は歩みを止めることなく
王様の元へと歩んでいくのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




