29話目
目の前で床に倒れ込んでいく領主!
小便を垂らしながら倒れる姿は、まさに滑稽!!
うぅ~ん!いい絵が見れた!!
思わず笑いが止まらないのであった!!
「ふはははっはは!だっさー!!!」
そんな大笑いをしているところに水を差してくる輩がいるのである!
私が、すっと一歩後ろに下がると、
ドン!!
私のさっきまでいた場所辺りを風の牙が通過していき、
壁へと当たって破裂するのであった!!
「・・・貴様・・・何者だ?」
魔人とか呼ばれている奴が私の方へと視線を向けてくるのだが、
何だろう・・・この不快感・・・
完全に自分が上だと思っているようでこちらを見下してくる・・・
「ちょっと不愉快ですね。その見下して感じで見てくるのを止めてもらえませんか?」
「ふん!たかだか人間でとどまっている奴が何をいう!
いいか!俺は魔人へと進化したんだ!!
お前たちとは格が違うんだよ!!」
「へぇ~、格が違うんですか・・・じゃあ・・・見せてください。」
その瞬間私は、その魔人と呼ばれる男の目の前まで詰め寄ったのであった!!
「なぁ!?」
いきなり壁際に居た男が目の前に現れたのである!?
瞬きをしていた瞬間!?
いや、違う、瞬きをしていかどうかなど関係がない!!
壁からここまでゆうに10メートル以上はある距離にも関わらず、
こいつがしゃべり終わった時には、目の前にいたのであった。
「この指・・・邪魔ですね♪」
そんなことを言いだした男が、俺の右手を握ってきたと思ったら・・・
ボキボキボキ!?
「ぐわぁわわあああ!!!」
俺の右手の指をすべて砕いていったのである!!!
激痛が走る右手を思わず目の前に持ってくるのだが、
すべての指があらぬ方向、向いてはいけない方向に指が向いていた!!
そんな俺を一瞥しながら、男は、
「それと・・・
誰がしゃべっていいと言いましたか?」
そう言った瞬間、腹の辺りに激痛が走ったかと思ったら、体が強烈な勢いで、
後ろの壁へと飛ばされたのであった!!
「グフゥ!?」
壁に当たった衝撃に声が漏れる!!
体に力がはいらずにうつぶせでその場に倒れ込んでしまうと、
「また喋りましたねぇ~。どうして私がしゃべっていいと言うまで我慢できないんですかね。」
その声はまた、すぐ傍から聞こえてくるのであった!!
体を動かそうとするのだが、体はいうことを聞かないため
頭だけを前方に向けようとすると、気がつけば、
誰かの足が俺の左手の甲に載せられていた。
俺は・・・次に何が起こるのを理解したと同時に叫んでしまう!!
「や、やめてくれぇーーー!!」
その声を聞いた男は、顔が見えずとも声で分かる!
嬉しそうな声をして、
「また喋りましたね♪」
その言葉と共に俺の左手の指すべてを踏み砕いて言ったのであった・・・
「ぐわぁわわあああ!!!」
俺の叫び声がここの広間にこだまするのであった・・・
・・・
・・・
また、ちょっとやり過ぎましたかね?
完全に死んでしまった魔人・・・
少し・・・ほんの少しだけやり過ぎてしまったようで、
死んでしまいました。
あれか?
質問をするたびに殴っていたのが原因か?
それとも魔石を取り出すときに、
生きたまま、体から引き抜いたことが原因か?
・・・
ちょっと思い当たる節が多すぎて原因が特定できないですね・・・
まあ、今は別に気にする必要もないでしょう!
とりあえず、私がやってしまったということを隠しましょう!
引きずって、領主の元へ・・・
大量の血が魔人から流れ出しているから、引きずったのがバレるな・・・
ならば、領主をこっちに持ってくればいいでしょう!
とりあえずおもちゃをこっちまで引っ張ってきて、
こいつの腰に帯びている剣を抜いて、魔人に差す!と!
そして、この剣をこの領主に持たせて・・・
いっちょ上がり!!
英雄の出来上がりですわ!!
これで、後はこの広間にいるしぶとく生き残っている皆さんの意識を取り戻させて・・・
・・・めんどくさいな・・・
そんなことを思っていた時だった!
「王様!!」
そんな声と共に鎧の擦れる音が響いてきた。
これでわざわざ気絶している連中を起こす必要もなくなった!
ラッキー♪
じゃあ、私はここに座っておいて、
事情を今から来る連中に説明すればいいのですね!!
あ!?その前に手に入れた魔石を飲んでおきましょう!
持ち物検査何かされると厄介ですからね~!!
ゴックン!
・・・へぇ~・・・やはり魔物なんかとは違って、
けた違いに大きな魔力を持っていますね・・・
これなら・・・・
私にかけられた封印も少しは穴が開いてくれるでしょう♪
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




