27話目
王様の前へと歩みを進めるのだが、
その間に周りの貴族達から・・・
「誰だ?あんな男知らないぞ。」
「そもそもどこの村だ?」
「田舎臭さ満載だなぁ~。」
「今日、シエロ侯爵の拝命式があるから、
運よく王様から直接拝命してもらっているだけの輩だろう。」
などなど・・・完全に小馬鹿にされた陰口がされるのであった。
いや、陰口などではなくて、完全に俺に聞こえるように言ってやがるなこいつら・・・
それは王様の前に跪いても続いており、
えらそうな貴族が手を挙げて制して止まるのであった。
「それではバリティッシュ・・・騎士爵。そなたの領土をしっかりと治めよ。
そちに任命の証として騎士爵の短剣とマントを渡す。」
「は!」
そう言って、周りに控えていた従者たちから短剣とマントを受け取るのであった。
そして、俺は元の場所へと戻っていく・・・。
これで拝命式は終わりだ。
・・・だからと言って、退屈なのは分かるが、
主が拝命されている時にあくびをしているのはどうかと思うぞサーター・・・。
マントと短剣をサーターに渡そうとするのだが、
「そんなのめんどくさ・・・それは、やはり領主様が持つべきものかと思います。
王様からありがたく拝命した証なのですから。」
「今、めんどくさいって言おうとしたよな?絶対に!」
「そんなことあるわけないじゃないですか・・・。
いつからそんなに人を疑うような心を持ってしまわれたのですか?
使用人として、そんな成長をされてしまうと心が悲しくなってきます。」
そう言いながらあくびをするサーター・・・
「・・・おまえ・・・今のタイミングであくびはないだろう?
だいたい、こんな式典を主が受けたのなら、感動で涙の1つがでるだろうに?」
「はい、だから今泣いております。」
「それはあくびの涙だ!!今、あくびしたからだろう!?」
「そ、そんな・・・どうしてこんなに心が狭く・・。」
「ち・が・う!
その前の行動を思い出してみろ!
思いっきりあくびをしていたはずだ!!」
「?ちょっと何を言っているかわからないですね?」
「どのあたりがだよ!?俺はまともなことを言ったはずだぞ!?」
そんなやり取りをしている最中に事が起きるのであった!!
ドーン!!
という音が謁見の前に響いたと同時に、窓側の壁がごっそりと崩れ落ちるのであった!!
そして・・・
「これはこれは、王国の重鎮の皆様、こんにちは。」
そう言って、1人の男が壁に穴の開いた部分から謁見の間へと入ってくるのであった・・・
そう・・・
ここ五階の謁見の間に!?
「お、王を守れ!!」
その声と共に控えていた騎士達やなんか高そうなローブを纏った者達が、
王様とその男との間に達、武器を構えるのだが・・・
「鋭き風の刃と化してすべてを切り裂け!!
風の爪!!」
乱入してきた男がそう言って、右手をすっと振ると5本の刃が現れた同時に
構えていた騎士達へと襲い掛かる!!
「「「「「ぐわぁあああ!!!!」」」」」
大勢の者達が悲鳴を上げる!
ある者は体を完全に鎧事引き裂かれ!
またある者は腕を切り落とされて、
「うわぁあああ!う、うでがぁあああ!!!」
と叫ぶ始末である。
完全にこの場では悲鳴が飛び交い、すべての人間が恐怖におびえていた。
悲鳴がこだまする謁見の間であったが、
1人のモノが、悲鳴を上げて、この部屋から出ていくと、
それを見て、やっと我に返ったのだろう。
みんなが一斉に逃げ出して行くのであった!!
それはまさに地獄絵図のようで、1人転んだものがあらわれたのだが、
それを避けることもなく皆がそのうえを踏んで走って逃げていくのであった・・・
そして倒れたモノは血を吐いて動かなくなっていったのである・・・。
俺はただその場でその恐ろしい光景をみていた・・・
なぜって?
腰が抜けて逃げることが出来ないからだ!!
っていうか、腰が抜けたというか、恐怖のあまり体が動かないのである!!!
すでに王様の周りには誰もいない!!
取り巻き達はいない!!
目の前にいるのはあの乱入してきた男ただ1人のみである!!
俺は呆然とその光景を見ていたのだが、
俺の横を走って逃げようとする女性を見て、
やっと正気が戻ってくるのであった!!
俺も逃げなければ!!!
そう思って、後ろに体を反転させて逃げようとした時である!!
「ああぁ!!!」
腰が抜けている状態なのだから当然なのは、足が思うようにはまったく動けない!
そして、完全に絡まってしまい、思わず転んでしまったのだ!!
しかも!!
俺の前を行く女性のスカートを掴んで転んでしまう始末だ!!!
当然、俺につかまれて、俺が転んだのだから、その女性も転んでしまう!!
「な、何をするのです!!!」
転んですぐに俺の方を向いた女性はそんなことを俺に言ってくるのだが、
次の瞬間!!!
ザン!!!
先ほど見た風の刃が俺とその女性の頭の上を通過していくのであった!!!
こ、転んでなかったら間違いなく2人とも死んでいた・・・
チョロチョロチョロ・・・
そんな音が聞こえて来たと思ったら、
俺が掴んでいたスカートが濡れてくる。
そして、女性の足をつたって液体が流れてくるのであった・・・
あ、こいつ漏らしたな・・・
すぐに分かる・・・
だって・・・
俺の股間も濡れているから!!!
止めようと思っても全く止まる気配がないんですけど!!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




