250話目
「・・・俺の希望は・・・違うのに・・・。」
ボソッとつぶやいた言葉がなぜか査問官には届いていたいようで、
こちらに向かって目を輝かせて、
「私・・・実は・・・果汁水を作るの得意なんです。」
ポッと頬を赤く染める筋肉だるま
・・・まったく似合わない・・・
だいたい身長2メートル近くあるんじゃないか?
腕・・・丸太みたいだけど?
そんな筋肉だるまがくねくねされても
ただただ気持ちが悪いだけなんだけど・・・
そんな俺の気持ちを全く察することはない査問官は、
「・・・そんな見つめられると・・・。」
そう言いながらますますくねくねとしながら、
頬をさらに赤く染めていくのである。
どうしよう・・・
今すぐソウルイーターで切りつけたい・・・
こいつが査問官でなければ、すぐにでも止めを刺すのに・・・・
「それで・・・きゃぁー!恥ずかしい!!」
・・・何が?
思わず心の中で唾を吐きながら査問官に言葉を放つ。
一応、査問官だということが頭にあったため
口にすることはないないのだけど・・・
「それじゃあ、バリティッシュ男爵様が期待されている
家庭的なお・ん・な・の・こ♪を見せちゃいますね!」
ウフフフと笑いながらそんなセリフをいいながら
軽やかにテーブルへと向かう査問官。
ステップを踏みながら進む彼女なのだが・・・
ステップを踏むたびに・・・
地面が揺れているのは気のせいだろうか?
ズシン!ズシン!と揺れるし、
軋む俺の屋敷・・・
今度から・・・体重制限でもしとくか・・・
後でサーターに相談しようと決めながら
査問官の動きを観察する。
次に査問官はテーブルの上に置いてある果物を見つめながら、
「バリティッシュ男爵様は、どの果物がお好きですかぁ?」
猫なで声で俺に聞いてくるのだけど・・・
「・・・リンゴ。」
「そうなんですかぁ!?」
ぱぁ~と明るい顔をする査問官は、
「実は私も好きなんです!!ウフフフ、もしかして私たち・・・
お似合いかもしれませんね♪」
そう言って、こちらにウインクをしてくるが、
ちょっと・・・気持ちが悪くなった・・・・
今日から俺はリンゴが一番果物の中で嫌いだ・・・
リンゴを手に取った査問官は、
どこから取り出したのかはわからないが、
お皿を取り出していた。
・・・なんで?
・・・なんでお皿なんだ??
ああ!!
そこでどうしてお皿を出したのかに気づいた!
査問官はリンゴをすりおろすつもりなんだろう。
だから、お皿の上にすりおろしたリンゴを入れるといったところか。
・・・まあ、確かにすりおろしたリンゴは
個人的には甘みが増したような気がして
気にいってはいるからなぁ~。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけだけど、
査問官に対して印象が上がった。
そこれで俺はあることに気づいた。
テーブルの上には、そんな都合よくすりおろす道具なんて
あるわけがないのだ。
「ああ、すりおろすなら・・・。」
俺が気をきかせてすりおろし器をメイドに言って
取りに行かせようとした時だった!
「ふん!!」
その一言共にリンゴが・・・
握りつぶされた!?
マジか!?
思わず目を見開いてしまう。
「・・・ちょっともろいリンゴですね。」
そう言いながらテーブルに置かれている新しいリンゴを
手に取ってから、片手でリンゴを握ると・・・
ブシュゥ!!!グチュ!!!
・・・リンゴってあんな音がするんだな・・・
ちょっと驚き、そして感動してしまった。
ドバドバと握った手の中からリンゴの果汁と皮とが
お皿に落ちていく。
・・・斬新・・・
今までそんな作り方なんてみたことがないなぁ~・・・
って、感心するわけないだろう!?
ゴリラかこの女は?!
なんで、握りつぶすって選択肢なんだよぉ!!!!
そんな俺に対して、満面の笑みを浮かべて、
「さぁ出来ました♪」
・・・皿ごと差し出してくるのである・・・
実も皮も種もすべてがまじりあった状態で・・・
って、俺は犬猫じゃないないんだけど・・・
せめてコップにでも移そうか。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




