249話目
イリスから一つの提案があった。
というか、国王からの委任状を持っているイリスからの提案と言われれば、
こちらに断ることもできない強制なのだが・・・
「提案というのは何でしょうか?」
サーターが俺の対面に座っているイリスに尋ねる。
イリスはかしこまった顔をしながら、
「サーター様とバリティッシュ男爵様に
査問官をつけさせていただければと思います。」
ニッコリとほほ笑みながら、
だけど断ることが出来ないように威圧感を与えてきながら
そのような提案をしてくる。
俺とイリスの間にあるテーブルには
国王からの委任状を置いて・・・
さてどうしようかと思った矢先に、
「かしこまりました。
イリス様もお仕事ですので、喜んでお受けさせていただきます。」
・・・なぜかサーターがイリスに返事をする。
「ありがとうございます。」
笑顔でこちらに・・・いいや、サーターに返事を返すイリス。
まあ、俺も受けてもいいとは思っていたのだから
別段受けるのはいいのだけど・・・
それでも・・・
付くのなら希望がある・・・
「・・・希望でございますか?」
「ああ、当然だ。
一日中一緒にいるのなら、俺の負担になるような人物は遠慮したい。」
「・・・どういったご要望が?」
「当然、女!女だな!」
一緒の部屋にいるのなら
当然性別は女がいいに決まっている!!
「・・・かしこまりました。」
「あ!?それに料理が得意な女なんかはいいな!」
「・・・料理ですか?」
「ああ!俺が書類業務をしていると
気をきかせてスッと果汁水などを差し出してくれる・・・
いいじゃないか!!」
そんな気が利く女と共に一緒に仕事がしたい!
誰しもが抱く男の夢だろう!!
そして・・・
あわよくば・・
「ば、バリティッシュ男爵様!?お、お仕事は!?」
「もう・・・我慢が出来ないんだ!
お前だって・・・してほしいんだろう?」
ニヤリと笑う俺に、頬を染めながら
「そ、それは・・・・。」
もじもじとする女・・・いいや!この場合は秘書だな!!
女秘書は!!
抵抗するようで抵抗は見せずに、
俺へと腕を絡めてきて・・・・
「・・・バリティッシュ男爵様?」
肩をゆすってくるサーターの声で俺はハッと我に返る。
・・・なぜか白い目でこちらをみてくるイリスと目が合うのだけど・・・
「声が駄々洩れでしたよ。」
「なぁ?!」
サーターがそぉっと俺に告げた言葉にビックリしてしまう!
俺は自分の想像の世界にいたはずなのに
声が漏れていていたというのか!?
・・・なら、あの冷たい目はわかる・・・
そんな俺にひたすら冷たい目を向けてくるイリスに対して、
軽く咳ばらいをしながら、
「高圧的な男が一緒の執務室にいると息も詰まる。
それに俺の仕事は、町の中の巡視もあるんだ。
その時に、強面の男が一緒にいると
街の住人に対しても高圧的となり、
彼らの本音が聞けないかもしれないだろう?
そうならないためにも女・・・女性のほうが望ましい。
いいや!女性であるべきだ!!
女性以外は受け付けないぞ!!!」
鼻息荒くなってしまうが、
俺は正しい理由を見つけてまくし立てるようにイリスに伝えると
しばらくの沈黙・・・冷たい目線・・・が続いた後に
観念したかのようなため息をついて、
「・・・わかりました。
それでは女性を・・・配置させていただきます。」
「ああ!頼む!!!」
どんな女が配置されるんだろうかな~♪
俺はワクワクしてしまっていた。
ちなみにサーターは、
「私は・・・どなたでも構いません。
イリス様がご都合がいいようにしていただければと思います。」
・・・本当に誰でもいいのか?
お前、せっかくなら自分の希望を言えばいいのに・・・
そう思ってしまう発言をするサーター。
ただ・・・イリスは朗らかな笑みをサーターに向けているけど・・・
「・・・なんで・・・。」
「どうされましたかバリティッシュ男爵様?」
俺は執務室にいる・・・
目の前のソファーには配置された査問官もいる・・・
確かに女だ・・・
だが・・・誰がこんな筋肉隆々でポージングを取る女を女と認めるというんだ!!!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




