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246話目

「ところでイリス様。」


サーターの言葉に先ほどまで俺のことで

キャッキャッと盛り上がっていたイリスは

ハッとした顔をしたかと思ったら、

軽く咳ばらいをしてまじめな顔を取り繕う。


・・・今更だけど、こいつらは仕事でここにきたんだった・・・


俺もすっかり忘れてたけど・・・


いや、こんなことよりも大事な話をしていたから・・・仕方がない・・・


え?俺・・・俺がそんなことを考えているのを知ってか知らずか

サーターとイリスの会話は進んでいく。



「・・・何でしょうか?」


先ほどまで年ごろの女のといった形ではしゃいでいたが、

サーターに声をかけられてすぐに先ほどまでの冷静沈着な表情へと代わり、

そして澄ました顔で返事をする。



「ここへ来た目的は・・・。」


「お、おぼえております!!!」


・・・前言撤回。


すでにサーターによってかぶられていた仮面は剥がされており、

すました大人なの女性を演じるのには無理があるようだ。


慌てたように返事をするイリスに対して、



「それなら良かったです。

 こちらまで連れてきたかいがあったと思えます。

 それでイリス様がお探していた・・・。」


「・・・アレックス・ロドリゴです・・・。」


その言葉を聞いてニッコリとほほ笑むサーターは、



「その通りです。

 目の前におられるのが、こちらで把握しております

 アレックス・ロドリゴになりますが?」


その言い方は目の前の鍛冶職人?音楽家?太鼓の達人?

正直に言ってどれがあの男の正式な職人なのかが

分からなくなってくるのだが・・・


確かに目の前にあるのは鍛冶屋であるため

鍛冶職人何だろうとは思うけど・・・



「・・・違います・・・。」


小さな消え入るような声で返事をするイリス。


その小さすぎる声は、サーターには届かなかったののだろう。

サーターは再度聞き直して、



「いま、何とおっしゃいました?」


「・・・私の知っている・・・・アレックス・ロドリゴでは・・・ありません。」


首を振りながらアレックス・ロドリゴを否定した。



「・・・その言い方ですと、アレックス・ロドリゴを

 イリス様は知っているのですか?」


「・・・私の知っているアレックス・ロドリゴ・・・

 アレックス・ロドリゴ様は・・・。」


・・・うん?


今、アレックス・ロドリゴに“様”ってつけなかった?



「アレックス・ロドリゴ様は・・・。」


あ、やっぱりつけてる!!・・・どういうこと?



「アレックス・ロドリゴ様は・・・もっと素敵な男性です!!!」


今までアレックス・ロドリゴを見てショックを受けていたイリスは

下を向いていたのだが、その言葉を発するときには

くわっと顔を上げてきた!



「こんなメタボじゃない!!!」


イリスは指をピシッと指しながらアレックス・ロドリゴの腹を指さす。

そこにはたくましいまでの酒樽のような恰幅のいい腹があった。



「それにこんなに陽気じゃない!!!」


太鼓をたたいて、叫んでいるアレックス・ロドリゴを全否定する。



「私の知っているアレックス・ロドリゴ様は・・・・もっと寡黙な方です。

 一心不乱に鉄を打ち続けて、何人も近寄らせない気配を出される方でした。」


・・・ある意味誰も近寄らせない気配は漂わせてるけどな・・・


陽気に太鼓を叩いて、サンバを踊る汗まみれのデブなおっさんに

誰が好んで近づいていくものか・・・



「その真剣さは弟子たちにも求める方です。

 当然弟子たちも寡黙に鉄を打ち、鍛冶の仕事を黙々とこなしていく集団でした。」


・・・踊らない?


その弟子たちは踊ることはなかった?


一糸乱れぬ踊りをしない?ある意味息がぴったりということだから

良い鍛冶職人になるかもしれないよ?



「それが・・・王都一・・・いいえ!

 王国一の鍛冶職人であったアレックス・ロドリゴ様です!!!」


力強く宣言するイリス。



「・・・じゃあ、このアレックス・ロドリゴは?」


サーターが尋ねると、



「違います!!!

 この方は同姓同名なだけのアレックス・ロドリゴです!

 というか、アレックス・ロドリゴって名前を改名してもらえませんか?

 アレックス・ロドリゴ様に失礼ですから!!!

 だいたいアレックス・ロドリゴ様は、ドワーフじゃない!

 それに弟子たちもドワーフじゃない!!

 みんなスマートな、そしてダンディーな職人でした。

 それが踊りを踊る職人?

 はん!鍛冶職人をなめないでいただきたい!!

 そんな中途半端な思いで鍛冶職人と語らないでほしいです!!

 私の知っている鍛冶職人たちに全員に

 土下座をして謝ってほしいくらいです!!

 彼らのあの真剣な思いを、まなざしを、そして一心不乱に

 その道を極めようとするその姿勢を・・・

 そんな気持ちも何もなく、ただ楽しみだけで

 鍛冶職人のまねごとをしようなど腹が立って仕方がないですよ!!!

 それに・・・・。」


・・・ちょっと饒舌すぎやしませんかね・・・


イリスの言葉がまったく止まることもなく、

早口でまくし立てるようにしゃべり続けている。


鋳造?鍛造?なにその違い?


・・・そんなに熱く語られてもこっち側の人間は誰もわからないのだが・・・


ちなみに全否定されているアレックス・ロドリゴは、

もう気にもしていなくて、なぜか太鼓をリズムよく叩いていた。


・・・イリスの語りにリズミカルな音楽がついて、

ますますイリスの語りは熱くなっていくのであった・・・・


・・・今日のご飯何食べよう・・・すでに俺の頭の中には届かないけど・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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