241話目
「・・・流民が多いのですね。」
イリスが顔をしかめてサーターに話しかける。
・・・俺じゃなくて・・・
「ええ、せめて住まいをと思いまして
急遽住居の手配をしてはいるのですが、
住居を立てるには時間もかかりますので
どうしてもすべての方を家にとはまりません。
大変心苦しいのですが・・・。」
「・・・いいえ・・・王都にも大量の流民がおりますが、
王たちは何もせずに、ただただ城壁外に追いやるだけで・・・。」
悔しそうな顔をするイリス・・・そんな顔も可愛いな・・・うへへへ・・・
「それは・・・ですが、
エトワール王も苦渋の決断なのではないですか?」
「・・・苦渋の・・・決断ですか?」
「ええ、王都はそれでなくても人が溢れております。
今はシンガー王国の滅亡からくる流民問題が発生しておりますが、
元々の流民対策にも四苦八苦していたのです。
そこにこの問題が加わってきてしまって・・・
だから苦渋に決断として、シンガー王国からの流民は受け入れないと
しているのではないでしょうか?」
「・・・サーター様はエトワール王の肩を持つのですね・・・。」
「いえ、そう言うわけではございませんが、
すべてを受け入れるとはなかなかいきません。」
「・・・バリティッシュ領でもですか?」
「こんな田舎では・・・。」
「・・・それでも受け入れていいるのですか?」
「・・・そうですね。こちらでできることはやるというのが、
バリティッシュ男爵様の方針ですから。」
困った様な笑みを浮かべるサーター。
・・・というか、俺はそんなことを言っていたっけ?
全く記憶にないのだが・・・
とりあえず・・・
尊敬のまなざしでこちらを見てくるイリスには
笑みを返しておいてやるか。
・・・なんで俺と目が合うと引きつった様な顔をするのかが疑問だけど・・・
その後すぐに顔をまた街並みに戻すイリスは、
「・・・亜人も多いのですね?」
「ええ、ここは辺境の地でございますから。」
そう答えるサーターだが、俺には疑問がある。
俺がいたバリティッシュ領は人類・・・いわゆる人種しかいなかった。
この世界にはエルフやドワーフ、レーア、獣人と呼ばれる亜人もいるのだが、
基本的には人間の生息域にはほとんどいない。
多少はいる程度だが、このエトワール王国に関して言えば、
迫害対象であるためほとんどいない。
王都でもほとんどいないのだから
イリスがこの街に来て亜人をみる機会が多いため
驚いているのは間違いないのだ・・・が・・・
俺も驚いている!
いや、ほんと、この間までは人種しかいなかったはずなのに
なんでこんなに亜人がいっぱいいるんだ??
シンガー王国にいたのか?
いや、俺の知っているシンガー王国は
避暑地であってエトワール王国をはじめとした人種が
訪問する土地である。
さらにはあそこの王国の王族の亜人嫌いは
我が国の領民ですら知っていることだ。
だから、シンガー王国からの流民というわけがないのだ。
なのに・・・この人数は・・・
まあ・・・いいんだけどな。
何がいいって?
見たことがあるか?・・・エルフって・・・エロフなんだぜ!
思い出しただけで・・・フフフ・・・笑いが止まらないぜ・・・
「・・・バリティッシュ男爵様は何を考えてらっしゃるんですか?」
俺の後ろを歩くイリスがサーターに話しかけているのだろう。
小声でそう尋ねている。
・・・小声で話していても俺の耳には聞こえてるよぉ~!
「それは・・・
亜人が増えたことで、エルフが増えたのですが・・・
どうせそのエルフがエロいとか思ってらっしゃるんだと思いますよ。
それで、そのエルフとエロをかけて、
エロフとか言葉を作っていて自画自賛しているんじゃないですかね。」
「ふぉ!?」
思いっきり声を上げてしまう!!
「・・・図星ですね。」
「間違いなく。」
後ろからそんな声と共に大きなため息が聞こえてきた。
・・・どうしてサーターは俺が考えていることが分かるんだろうか・・・
悩んでいる俺の横をエロフが歩いていく・・・
えへへへへ・・・
ち、違った!!
エロフじゃなくて、エルフだ!!
・・・どうしてエロフはあんなに胸の谷間をだした服を着ているんだろうか・・・
けしからん!!断じてけしからん!!
・・・あれ・・・もうちょっと谷間が開いた服を・・・
「もっとピッタリと肌に吸い付くような服を作られてはいかがでしょうか?」
「・・・いいな・・・それ・・・。」
その言葉で妄想が膨らむ。
あの弾けんばかりのラインがもっと淫乱に這えるんじゃないか!!
ムフゥーーー!!
想像しただけで鼻血が・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




