表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
240/266

239話目

「まあいいけど・・・。

 今はこれ以上の詰問は避けてあげるわ。」


「た、助かる・・・。」


・・・こいつ・・・きっとこれ以上に何かあるんじゃないの?


不審な目でスカイを見ると、明らかに動揺しつつも



「そ、それよりもエーザンの方だが・・・どうする?」


「そうね・・・まだサーター様には報告はしていないけど、

 証拠となるべきクーズの身柄を確保しておく?」


「・・・そうだな。

 そんな小娘までもがクーズが情報源と知っているのなら

 王宮内にはすでに筒抜けとだろうしな。

 いつクーズが死んでもおかしくない状況だ。」


「でしょうね・・・。

 証拠が出ても出なくてもクーズは殺されるでしょう。」


「ああ、仕方がない。身柄の確保をしておくか。」


「ええ、それでエーザンに対して賄賂を贈ったということを

 証言してもらってエーザンはご退場願いましょうかね。」


「わかったそれでいこう。」


スカイのほかにもポテトとオルアシも後ろでうなづく。


俺たちがクーズの身柄を確保に動こうとしたところで、急にマリが、



「そう言えば・・・情報を入手したところで面白い話も聞けたわよ。」


「ああん?どうした?」


「ポテト・・・あなた、モテモテみたいね。」


「え!?俺が!?」


マリの言葉に驚いた顔をしつつ、だがその顔は満面の笑みに変わっていた。



「・・・それ罠だろう?」


俺が顔をしかめてマリに言うと、



「心外ね。私は本当のことしか言わないわ。」


「・・・嘘をつくな。」


こいつは普通の顔をして自然に嘘を吐けるタイプの人間だ。


しかも、こいつは人の不幸は蜜の味と思っているから

絶対に人が幸せになることを言うやつじゃない!!


なのに・・・・そんな女が幸せにつながる話をするなんて・・・


絶対にいい事じゃない!!


俺のシックスセンスがそう告げているのだが、

そんな俺のシックスセンスとは違い、

ポテトは二へラ二へラとしながら、



「・・・マリ嬢・・・どこ子がそんなことを言っていたんだい?」


「なんでそんなに無駄にかっこつけてるんだよぉ!!!」


ポテトの聞き返しに思わずツッコミを入れてしまう!


だって、あのバカなポテトだぞ!?


それがどうしてそんな紳士的な返しをするんだ!?



「・・・・ええっとね・・・フワス・グノウルっていう私の同級生よ。」


「フワス・・・いい名だ・・・。」


その娘の名前を感慨深げにつぶやくポテト。



「可愛い子だな・・・。」


「いやいや、お前、その子のこと知らないだろう!?」


「・・・名前でわかる・・・・。」


「お前はエスパーか!?それとも霊媒師かなにか?

 違うだろう?

 一般人のお前がそんな名前で相手の顔が分かるわけないだろうに!?」


「兄ちゃん・・・心の目で相手を見るんだ。」


「いやいや、心の目でって!?お前の心の目は遠方すら見渡せる目でも持ってるのか?

 だいたい心の目ってのは、物事の真贋を見分けることをいっているのであって・・・。」


「兄ちゃん!!!今は・・・そんな理屈なんていらないんだ。

 心で感じるのが・・・そう!愛なんだ!!」


だ、ダメだ・・・ポテトに俺の言葉は全く響かない・・・


俺が愕然とする中で、さらにマリは、



「あとはあそこの○○、それとこっちの△△も・・・。」


さらにポテトを好きだという女の子たちを紹介していくのであった。



「そうか!?そうなのか!?ついに俺にも・・・

 モテ期が到来したのか!!うぉぉぉぉおぉぉぉおおおお!!!!!」


両こぶしを空に向かって突き上げて咆哮するポテト。



「ちょっと待て!冷静になれ!!!」


「何がだ兄ちゃん?」


「そもそもそつらのことをお前は知っているのか?」


「知らない。」


「だろう?お前とそいつらに接点が今までにあったか?」


「・・・うぅ~ん・・・ないんじゃないかな。」


「だろう?なのになんで突然お前のことが好きだというんだ!?」


「・・・それは・・・愛・・・かな?」


「どうしてそこで愛が出てくるんだ!?」


「兄ちゃんはモテたことがないから知らないんだろうけど、

 愛があれば、たとえ接点がなかったとしても相手のことを調べていくのは

 当然のことじゃないか?そして、相手がどんなことをしているのかを知りたくなって

 一日中見張っていき・・・。」


「それはストーカーっていうんだよぉ!?目を覚ませ弟よ!

 決して、道を踏み外すんじゃない!!!」


俺はポテトの肩を掴んでガクガクとポテトを振るのだが、



「ふふふ・・・ついに俺にも春が来た。

 それも一人ではなくて、複数人も・・・。

 俺って・・・罪な男だよな・・・ふ・・・。」


どんなに俺が声を高々に、意識を取り戻させようとしているにも関わらず

全く俺の声はポテトには届かないのであった・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ