233話目
「あなた!お帰りなさい!!」
満面の笑みで俺を迎えてくれた妻に俺は、
「・・・ただ・・・いま。」
感極まってしまって言葉が詰まってしまう。
そんな俺に優しく抱き着いてくれて、
「本当に・・・本当に無事で何よりです。」
ギュッと抱きしめてくれる妻を
俺は強く抱きしめ返すのである。
「ああ、こんなに力強く・・・。
噂ではソウルイーターの攻撃を受けてしまって、
腕が腐ってしまったと聞いていたのですが・・・
いいえ、それよりも死んだと聞いておりました・・・。」
真剣な表情で俺を見つめてくる妻に、
「生きてるさ・・・俺は。」
「ええ!!本当に良かった!!
バリティッシュ男爵様には本当に感謝をしなくてはなりませんね!!」
「・・・そうだな・・・。」
妻の言葉に確かに納得はするものの
若干腑に落ちない部分もある・・・
いや、バリティッシュ男爵様に納得がいかないのであはない。
その執事・・・あのサーターに対して納得がいかない!!!
今さらながらだがすべてがサーターによって
仕組まれていたのではないかと思ってしまう。
・・・だが、遅かれ早かれあの国王の手によって
俺は始末されていたとは思うのだけど・・・
俺は国王にとっては、本当に邪魔な存在だっただろう・・・
口うるさいし、いつも細かいことまで言ってくる。
だが、俺からしたら、国王は国民がいてこそ国王であり、
その国民をないがしろに・・・あいつにとっては草木と代わらない存在でしかない。
そんな存在としか思っていないあいつに
臣下として注意をすることこそが正しいはずだ。
ほかの取り巻き共は国王に賛同するだけど
苦言も呈することもない。
・・・というか、ほかの貴族たちにとっても国民など
草木と代わらない存在で、ほっとけば生えてくると思っているのだろうな・・・
「・・・で、いつまで入り口でラブラブするつもりなんですかね?」
俺はマリのため息交じりの声でハッと現実に引き戻されて、
妻との抱擁を解き、すぐに
「そうだな、マリ。中に入ってくれ。」
俺はマリに家の中へと入ってくるように促し、
俺が家の中を案内しようとしたのだが、
「大丈夫ですよ、グンテ殿。だいたい勝手はわかってますから。」
そういってスルスルとわが家へと入ると
迷うことなく居間へと向かうマリ。
・・・意外と広い我が家は、初めての人間は迷うというのに
まったく迷うことがないマリ・・・なんで?
しかも居間に着いたと思ったら、
俺の特等席のソファーに腰を下ろすのであった・・・
「あなたの手紙を2週間に一度マリ様が届けてくれてたのよ。」
「そ、そうなのか!?」
マリが来ていたいのか!
俺はてっきりサーターが来ていると思っていたのだが・・
「サーター様ともたまに来ておりましたよ。」
まるで俺の考えていることが分かっているようにマリが答える。
「・・・そうか。」
「私だけではなく、サーター様にも感謝してくださいね。」
妻に出された紅茶を優雅に飲むマリ。
「・・・あれ?そんなコップあったか?」
マリが持っていたコップは、見たことがないモノであったため
妻に尋ねてみると、
「あれはマリさんのコップよ。」
「専用!?」
なぜ我が家にマリの専用のコップが!?
「ちなみに私専用のお皿もありますよ。」
「はぁ!?」
マリのセリフに思わず目を見開いて驚いてしまう!
どうして、マリの皿が我が家にあるというのだ!?
「毎回来るたびに夕飯、朝ご飯をいただいておりますから。」
「って、我が家に泊まっているのか!?
お、俺は・・・やっと我が家に帰ってこれたというのに!!!」
「それは仕方がないじゃないですか。
それに私とサーター様は、できる限りできることをと思い、
手紙を奥さんにまで届けていたんじゃないですか!」
「そ、それは感謝しているが・・・しかし・・・・。」
「まあ、納得できないのはわかりますけど、
それでもこうして見張りがいなくなったから
すぐにグンテ殿を実家まで連れてきたじゃないですか!」
「「見張り!?」」
妻と俺が思わず驚いてしまう。
我が家に見張りがついていたというのはどういうことだ!?
「ええ、いましたよ。
昼夜問わず外からこの家の出入りを監視する人間がいましたからね。」
「「・・・。」」
その言葉に思わず呆然としてしまう。
「疑われていたんですよ、最初から。
グンテ殿の代わりの死体を用意したんですけどね・・・。
無駄に終わりましたね~。」
あっけらかんと言いながら、
妻が用意したケーキを美味しそうに頬張るマリを
俺たちは呆然と見るのであった。
「まあ、ここの監視がいなくなったのは、
バリティッシュ領にグンテ殿がいると確証したからでしょうけどね。」
「はぁ!?」
マリの言葉に大きな声で驚くのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




