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232話目

「・・・今のところは・・・グンテ殿はいないと・・・いうことで・・・。」


こちらを蔑むような目で俺を見てくるイリスが

歯切れが悪い感じでそう宣言する。



「これから調べられるのでしょう?

 ・・・いいえ、すでに調べてるようですね。」


ニッコリとして、そう発言するサーターに、

表情を変えることなくサーターを見るイリス。



「・・・なんのことでしょうか?」


「すでに査問官様たちの手の者が数日前から

 この街を訪問してグンテ殿を探していると・・・言うことですが?」


イリスは表情を変えることはないのだが、

なぜか生唾を呑んで、ジッとサーターを見る。



「・・・我々は把握しておりませんが?

 少なくとも査問官として派遣されたのは

 ここにいる我々だけです。」


「そうですか・・・。

 まあ、それでいいでしょう。

 ところで、グンテ殿だけではなくもう一名お探しですよね?

 そちらはどうなっておりますか?」


「「「「「!?」」」」」


サーターの発言に今度はイリスたちは反応してしまう。

目を見開いて驚いてしまうのであった!!


その表情を見て満足げな表情をサーターが浮かべて、



「アレックス・ロドリゴ氏をお探しなのでしょう?」


「「「「「!?」」」」」


その名前にさらに目を見開いて驚く査問官たち。



「数日前から来訪されていたお連れの方々は

 すでに接触出来ているのでしょうか?」


「・・・知りません。」


驚いた表情と共に苦々しい顔をして答えるイリス。



「そうですか?

 ちなみにその名簿にもアレックス・ロドリゴ氏の名前は書いてありますし、

 そこの住所に先ほど査問官たちのメンバーを派遣して

 お会いになったのではありませんか?」


・・・サーターは・・・何者だ?


普段からつかみどころのない奴だとは思っていたのだが、

どこでこいつはイリスたち査問官が探していたという人物を

把握しているのだろうか?


というか、すでにこの査問官たちがバリティッシュ領へと

来る前から目的も把握しているってどういうことだ?


しかもたぶんだが、査問官たちもしらない?


いや、知っているかもしれないけど、知らないふりをしているかは

判断できないが、そんなお忍びで来ている者たちですら

把握しているというのは一体こいつは何者なのだろうか・・・


・・・俺のエロバイブルもバレている気がしてきたぞ・・・


ちょっとベッドの下に隠すのから、机の中に隠すようにしよう!!


俺はこの発言を聞いて、そう決めるのであった。



「まあ、ここで何を指摘したとしてもだんまりだと思いますが・・・。

 とりあえずアレックス・ロドリゴに直接お会いしに行きますか?」


サーターの中ではアレックス・ロドリゴに

査問官たちが会いに来たのは確定なようで、

今から会いに行くことを提案する。


しばしの沈黙が流れるのだが・・・



「それに今回査問官として我が領を訪れたのは

 その二人がこちらにいるという噂を聞いて来られたのでしょう?

 ・・・違いますか、そちらでは確証を得て来られたでしたね・・・クス・・・・。」


余裕の笑みを浮かべて、鼻で笑うくらいできるサーターに

苦々しい顔を浮かべるイリスたち査問官。



「・・・アレックス・ロドリゴに会いに行きます。」


「ええ、ではご案内いたしましょう。

 なぁ~にご心配には及びません!

 まっすぐに最短でつけるように我々が案内しますので。」


「・・・うん?我々?」


サーターの言葉に疑問が沸いて尋ねると、



「ええ、私とバリティッシュ男爵様が案内します。」


「え!?俺も!?」


サーターの言葉に思わず驚くのだが、



「ええ、だって、ここに残られてもイリス様達にとっては、

 何かをされる心配がございますからね。

 それならイリス様達が行くのに一緒に行った方が、

 我々が何もできないということで、ご安心されますよ・・・ね?」


・・・なるほど・・・


確かに一理あるな。



「ああ、それと査問官様達皆さまで、

 記載されている住所に行きましょう。

 そうすれば、確認が取れなかったからと言って、

 何度も派遣することもなくなりますし。」


・・・何だろう・・・


絶対に自信があるようなサーター。


事前に情報を知っていたことから

すでに万全の態勢を整えているからこんなに余裕があるのだろうか?


・・・ありえるな。


イリスたちもそう感じているのだろうな。

いっそう苦々しい顔をしてこちらをにらんでいるし・・・



「・・・ご配慮いただきありがとうございます。

 それではご案内していただけますか?」


「ええ、もちろんです。

 アレックス・ロドリゴが住んでいる場所は

 バリティッシュ男爵様の屋敷のすぐそばですし、

 すぐにお連れすることが出来ますよ。

 ああ!ご安心ください。

 アレックス・ロドリゴには何も伝えておりませんので

 本人が逃げているようなことはないと思います。」


・・・嘘臭い・・・


何だろう・・・


サーターの言葉が嘘くさすぎる・・・


それでも俺たちはアレックス・ロドリゴの家へと向かうことになったのである。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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