231話目
「そ、それは!?」
イリスは自分のお供にすぐに合図を送ると、
お供の者が羊皮紙を取りだして、イリスへと渡す。
「・・・瓜二つだ・・・。」
そういって呆然としながら持っていた羊皮紙を俺へと渡してきたので
その羊皮紙を受け取り、見てみると・・・
何とそこには我が家の家宝の全面体の兜が描かれていたのであった!
しかも色もちゃぁ~んと金色に塗られている。
「・・・これでハッキリしましたね。」
サーターがなぜかイリスの方へと言う。
その言葉を聞いて、大きなため息をつくイリス。
しばらく無言で重い空気が流れたのだが、
意を決したように重い口を開いて、
「間違いないでしょうね・・・。
グンテ殿の名を語ってバリティッシュ男爵様が購入されたのでしょう。」
「100%間違いないですね。」
イリスの言葉を100%だと断言するサーター。
「・・・て、ちょっと待て!!なんで俺になっているんだ!?
グンテが購入したのだろう?
ならグンテだろうにぃ!!!」
俺が熱を込めて否定しているというのに、
まったく俺の熱意を受け入れることはなく、
「はいはい。そうですね。」
ものすっごくめんどくさそうに返事をサーター。
「・・・はぁ~~~。まあ、もういいですよ。」
イリスもまためんどくさそうに返事をする。
「・・・お前ら、全然俺の言うことを信じていないだろう!?
何ならグンテを連れてきて、説明させてやろうか!!!」
グンテは、一応だが俺の家来だ!
こんな時はあいつにすべての罪を擦り付けてやる!
あいつは絶対に受け入れてくれるはずだ!!!
俺は確信に満ちていて、どや顔でイリスとサーターに言い放つのだが・・・
「・・・グンテ殿は・・・やはりいるのですね?」
「・・・は!?し、しまったぁ!?」
そうだった!
犯罪者にされているグンテを探して、
イリスたち査問官たちは、わざわざバリティッシュ領まで来たんだった!?
すっかり忘れてしまってたぁ!!!
締まったという顔をした瞬間、
トン!
そんな音が骨を伝って伝わって来たかと思ったら・・・
「・・・ッシュ男爵様。バリティッシュ男爵様!」
身体を揺り動かされていて、
それでうっすらと目が開いていく。
「・・・どうしたサーター?」
俺は俺を心配しそうにゆすってくるサーターに
目をこすりながら振り向くと、
「どうしたではございません。
いきなり睡魔に負けてしまって・・・
今はイリス様、査問官様の査問を受けている最中でございます。」
「うんぁ?俺・・・寝ていいたのか?」
「はい、いきなり眠気に襲われたようで、
カクンっとなったかと思ったらそこから微動だにしなくなりまして、
慌てて起こしておりました。」
「そ、そうか、ちょっと疲れが出ているのだろうかな?」
なぜ眠気が襲ってきたのかは不明だ・・・
今もそうだが、先ほどだって眠気なんて全くしていなかったはずなのに・・・
まあ、眠気は突然来てもおかしくはないしな。
「さてと俺は・・・。」
そこまで言ったところで首を動かして、
自分の対面にイリスがいることを思い出した!?
・・・けど・・・
「俺・・・さっきはなんの話をしていたんだっけ?」
「些末なことでございますし、すでに話は済んでおりますよ。」
サーターがそう言ってくれるのだが、
そんな些末なことだっただろうか?
・・・そもそもそんな些末なことであったのなら・・・
鬼の形相でこちらをにらんでいるイリスや
査問官たちは一体なんだというのだろうか・・・
「・・・そうですね・・・関係のない領民を犠牲にするには
あまりにも非道ですし・・・。
それに確かに名簿には載っておりませんでしたね・・。
というか、名簿を作成されているとは驚きなのですが、
これは一体・・・。」
途中までは苦々しくこちらを見ていたイリスであったが、
途中からはこちらが用意したという名簿?を見て感心しているようであった。
「名簿ってなに?」
思い当たる節が全くないためサーターに尋ねると、
「我が領土に住む領民を確認しやすいように
名前と住所を記載した名簿を作成しているのです。」
「へぇ~、そんなめんどくさいことをしていたのか~。」
聞いただけでもめんどくさいことだと想像できてしまう。
ここ数か月は人数が急増しており、どれだけ時間がかかるのか
わかったものじゃない・・・
「ええ、領内を管理するには必要なことですから。」
どうやらその名簿をもとにランダムに査問官たちが訪問して
名簿が本物かどうか確認して、すべて正しかったことから
グンテ殿はいないということになったらしい。
あ、そう言えばグンテがいるかどうかの話だったな!
そこで些末な問題とやらを思い出した。
・・・ところで、先ほどからイリスは俺に対して
蔑むような視線を送ってくるのは気のせいだろうか?
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




