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領主(クズ) の結末 ・・・ そんなのバッドエンドに決まってるだろうがー!!!  作者: Taさん
間章Ⅲ ~王国一の鍛冶職人アレックス・ロドリゴの栄光への道?~
223/266

222話目

「・・・なるほど・・・肉壁としての役目は果たしたのですね。」


「お前かぁ!?マリに吹き込んだのは!?」


俺の前で、グンテ殿はサーター殿に向かって大声で叫んでいた。

それもそのはずだろう・・・


俺が同じ目に合ったら、同じように叫んでいるはずだ・・・



「マリ・・・。」


「は、はい。」


グンテ殿が怒りをそのままサーター殿にぶつけ終えると

サーター殿は後ろに控えていたマリを呼ぶと、



「グッジョブです。」


・・・いい笑顔をするなぁ~・・・



「はい!ありがとうございます!!」


それにこたえるマリもいい笑顔をする・・・


なぜかサーターの方を向くことはないけど・・・



「ちーがう!!そこは仲間を見捨てるなとか、

 仲間を馬車から突き落としてはダメだというところだ!!!」


「・・・そんな小さいことをいい男が気にしてはダメでしょうに・・・。」


「そう思います。・・・ほんと、小さい男です。」


・・・これはグンテ殿が悪いと言うのだろうか?


俺の中では決してグンテ殿が間違っているようには思えないのだが・・・



「俺は危うく死ぬところだったんだぞ!?」


「ですが、今も無事に生きているじゃないですか?

 それにマリもこうなるとわかっていて魔法を使用したのでしょう?」


「はい。」


「ほら、マリもグンテ殿ことを信用したうえで

 魔法を行使したのですよ。

 それに敵に囲まれていたという状況でしょう?

 それなら魔法を使用してもおかしな状況ではないと思いますが。」


「確かに衛兵たちに囲まれていて、

 危険な状態であったことは認める・・・。

 その点は認めるが、だからと言って仲間を

 完全に囮にするのはどうかと思うぞ!」


「ですが、それに耐えうる存在なのがグンテ殿だったのではないですか?

 グンテ殿ほどの強靭な体をもってすれば、

 魔法を使用してもいいという判断になるかと思いますけどね。」


「くぅ・・・だが、それなら魔法を使った後で

 馬車を止めて俺を救い上げるのが当然だと思うがな。」


「それもいつ衛兵の増援が来るかわからない状況かですよね?

 今回は救助が第一です。

 まずは要救助対象を安全な場所にまで運ぶのがやるべき優先事項ですよ。」


「・・・それは・・・そうかもしれないが・・・。」


「それにマリはグンテ殿ならその場面でも後れを取ることはないと

 確信していたのですから・・・あなたのことを信頼していたのですよ?」


「くぅ・・・・。」


「さらに言えば、あなた一人であれば、

 確実にどこからでも生き延びてこれますよね?

 あなたは以前に“帰らずの森”から帰ってきた“生還者”の二つ名を持つほどの騎士です。

 むしろ一人のほうが戻ってこれる確率が高ったのではないですか?」


「それは・・・そうだが・・・。」


「なら、マリの判断は正しかった方と思いますよ。

 あなたには足手纏いがいない方が確実に助かるでしょう?」


「・・・ああ・・・。」


「だったら、その足手まといをマリが連れ帰ってくれさえすれば

 あなたの生存確率がぐんとあがりますよね?

 だから、あなたを信頼した結果だということですよ。」


「・・・わかった・・・もう、いい・・・。」


そう言って、大きなため息をついて、

サーター殿とマリへのクレームを止めて、

一歩下がるグンテ殿・・・


いやいや、そこはやりこめらちゃダメでしょう!!!


今もグンテ殿が目を離したすきに、

サーター殿とマリが、



「この手はあと2回はいけますね?」


「3回はいけるかもしれませんよ。」


「いえいえ、ここで欲張ってはダメですよ。

 あと2回ですね・・・タイミングをしっかりと見極めてから、

 使うようにしましょうね。」


「はい!」


・・・確信犯だこいつら・・・


哀れなグンテ殿だけど・・・

確かに彼なら二人が言う通りに一人であれば、

どこからでも戻ってこれるだろうな・・・


グンテ殿の名前を聞いて、俺は思い出していた!


エトワール王国最強の騎士で、

近衛騎士団騎士団長であったグンテ。


あの男の剣も何本も打っているといのに

思い出せないでいたが、

今はすでにバリティッシュ領まで生き延びているため

心に余裕が生まれているためか思い出せた。


そしてあの“帰らずの森”からの生還者である・・・


神が住む森・・・悪魔が住む森・・・いろいろと言われてはいるが、

詳細は不明な森であり、一度足を踏み入れれば2度と戻ってくることがないといわれた森。


そこで唯一生還することが出来たグンテ殿・・・


そこだけは知っている。

ただ、それ以上の情報は見事に流れていない。


その森がどんなところであったのかどうかななどの詳細は

一切流れていないのが不思議だった・・・



「・・・リゴ殿?ロドリゴ殿?」


「・・・は!?あ、な、何でしょうか?」


思いにふけっていた俺は名前を呼ばれていることに気づいておらず、

慌ててサーター殿の方へと顔を向ける。



「我々はあなたのことを受け入れます。

 最初は不便な点もあるかと思いますが、

 これからよろしくお願いしますね。」


笑顔を向けてくれるサーター殿が・・・


この笑顔が悪魔に見えるのは気のせいだろうか・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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