221話目
だが!!!
俺もただで落ちるつもりもない!
というか、何とか反応が間に合って、
馬車の一部に手をかけることに成功したのだ!!
「っていうか・・・!?」
俺が片手で馬車の荷台の一部に手をかけているような状態だ!
当然馬車に打ちつけられるわ、さらには脚が地面について
転びそうになるわで散々な状態なうえに!
「死ねぇ!!!」
そんな俺に嬉しそうに剣を振るってくる衛兵たち!!
「くそぉ!!!」
俺は叫びながら剣を振るって、なんとかその攻撃をしのぐ!
一発!二発!と防いでいるのだが、
それは自分でも運がいいだけだと思ってしまう。
こんな態勢で攻撃なんて受けたらたまったもんじゃない!!!
どうするか!?
飛び降りるしかないのか!?
こんなスピードを出している馬車から飛び降りて俺は大丈夫なのか!?
不安が頭をよぎってしまい、行動にうつせずにいると・・・
「ありがとございます♪」
御者台の方からなぜかマリが俺に対してお礼の言葉を述べるのだ!
・・・嫌な予感しかしないのだが・・・
そして、その嫌な予感は往々にして・・・当たる!
「深い眠りの中へとその身を誘わん!!!
眠りの声!!!」
「ぐぅ!?」
強烈な眠りへの魔法を放つマリ!
ドサ!!!ドサ!ドサドサ!!!
追ってきていた衛兵たちは
見事なまでにその魔法の手によって眠りについてしまい、
馬から落馬していくのであった!!
さすがはマリだ!!
ってなるわけないだろうが!!!
スリープは広範囲に拡散する魔法であり・・・
当然敵と味方の区別もなく効果を表す!!
だから・・・
俺にもかかるんだけど!!!
絶対にわざとだ!!
先ほどから強烈な眠気に襲われてしまい、
今にも手がほどけようとしてしまっていた!!
だ、ダメだ・・・
このままでは・・・
覚悟を決める!
この魔法の手にもう陥落寸前の俺は、
すぐに自分の剣を持ち替えてから、
自分の脚に刺すのである!!!
「ぐぅ!!!」
その痛みでスリープの魔法の呪縛を取り除く!!
何とか眠気を取り除くことに成功した俺は、
馬車を掴んでいた片手に力を込めて、
何とか態勢を直して、もう一度馬車へとするのだが・・・
「ふふふ・・・。」
嬉しそうに俺の方へと御者台から顔を出すマリ・・・
「・・・その笑みはなんだ?」
「・・・えへへへ。」
・・・ろくな予感がしない・・・
「ちょ、ちょっとまて!!今すぐにお前の元に・・・。」
俺が言い終わるよりも早く、マリは行動に移してきた!
どこから取り出したかわからない杖で
俺が馬車を掴んでいる手を・・・打ちつけてきたのである!?
「ぐぅ!?な、何をする!?」
「え~・・・だって、早く逃げたいじゃないですか?」
「だからと言って・・・。」
俺の意見など聞く気もないマリは、
俺が言い終わる前に、
「グンテ殿はここで・・・降りてください♪」
そう言いながら自分に強化魔法をかけたうえで、
また杖を振り下ろしてきたのであった!?
お、折れる!?
その行動に殺意を感じた俺は、とっさに手を引っ込めるのだが、
それまで俺が掴んでいた馬車の一部は
マリの一撃によってへしゃげてしまうのであった!!
「お、お前!?ほ、本気で~~~~~!?」
「チィ!あの・・・杖越しに伝わってくる骨が砕ける感触がよかったのに・・・。」
本気で悔しがるマリ。
ただ、それでもどうやら嬉しそうで、
「いい声で鳴いてくださいね♪」
そう!手を離してしまった俺は当然・・・
「ぐはぁ!?ぐえぇ!?ぐぉおおおお!!!」
高速で移動していた馬車から振り落とされるのであった!!
地面に叩きつけられることで、
思わず喘いでしまう俺に対して
マリは嬉しそうな目を浮かべながら
馬車を走らすのであった・・・
止まりもせずに・・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




