表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/266

20話目

「どうしたのだ?」


そう言いながらこちらに近づいてくる領主。



「はい、ハリーには先日手に入れた討伐部位を換金するために

 隣の町まで行ってもらっていたのですが・・・。」


そこまで言いかけたところで、



「な、なんだと!?どうして俺に行かせなかったんだ!?うらやましい!!

 隣町には歓楽街があるじゃないか!!

 俺も行きたかったなぁ~・・・で、どうだったハ・・・。」


そこまで言いかけたところ、私とハリーからの冷たい視線に気づいたのでしょうね・・・

最後まで言葉を発することなく、



「うおほん!・・・ご、ご苦労であったハリー。」


労いの言葉をかけながら、自分のイスへと戻っていく。


・・・絶対に隣町には連れていかないようにしよう・・・


そう心に決めるには十分の言動である。



「それで、換金は無事に?」


「はい、無事に済ましてまいりました。

 ただ、その時に一通の手紙を渡されました。

 どうぞこちらをお受け取りください。」


そう言いながら、手紙を渡すハリー。

それを受け取った領主は、



「うん?この紋章どこかで見たことがある気がするけど・・・。」


うぅ~ん、どこだったかなっと言いながら首をひねる領主。


・・・領主こいつはどこに所属しているかも分かっていないのでしょうかね・・・




「その紋章は王家の紋章でございます。」


「・・・はぁ!?な、何だって!?あ、いたぁ~!!!」


やっとことの重大差に気づいた領主!

驚きのあまりに立ち上がろうとしてしまったのだが、

その時に思いっきり膝を机にぶつけてしまったのである・・・



「いったぁ~!!!」


そう言いながら、その場でうずくまる領主・・・


私の目の前には見事に後頭部がある・・・


これ・・・


踏みつけたい・・・


そんな衝動に駆られてしまうのだが・・・


グッと・・・本当にグッとこらえる!!


これは堪えないと一瞬でも気が緩んでしまうと踏みつけてしまいそうですよ!!


そんな中、ハリーが心配そうに領主へと声をかける。



「りょ、領主様、大丈夫ですか?」


「いたぁ~い!!」


そんな鳴き声を上げる領主に思わず・・・



「子供か!!!」


・・・


・・・あ!?


思わず後頭部を踏みつけてしまうのであった・・・


おうおう、見事に地面に顔をくっつけてしまっていますね・・・

さてさて、どうしようかっと思っていると、



「さ、サーター、貴様!?」


勢いよくこちらを振り返ってきて、すぐに立ち上がり私の胸倉をつかむ。



「・・・先ほどまでの膝の痛みはどうですか?」


「え?・・・あ、あれ?痛くない・・・。ど、どういうことだ!?」


「これは昔ながらの知恵です。

 痛い所とは別のところに痛みが発生すると最初の痛みを忘れてしまうのです!」


「な、なるほど!?それで俺の後頭部を?」


「はい!衝撃はあったかもしれませんが、今は痛みは?」


「・・・ない・・・ないな~。」


「これも昔ながらの知恵で、怒りを発生すると痛みを忘れてしまうんです。」


「ほ、本当か?」


「子供の時ありませんでしたか?

 泣いて急に強くなる子供がいたりするのと同じ理屈です。」


「・・・な、なるほどな。確かに泣いてから急に強くなる子供はいたぞ!!

 というか・・・あのすまし顔め・・・思い出したらムカムカしてきたぞ・・・。」


どうやら領主の中で、思い当たる相手がいたらしい。

そして、その方は私も知っており、すぐに、



「・・・それは隣町の領主のご子息のことでしょうか?」


「その通りだ!!この辺りの取りまとめをしている奴だからな・・・。

 あの上から目線が気に入らなかったんだ!!

 くそぉ~・・・・あいつめ・・・今は何しているか分かっているのか?」


「ご子息なら、王都で勉学に励んでいると聞いておりますが・・・。」


「なんだと!?そんな・・・そんな・・・。」


「大丈夫です。こちらで領主として実際土地を治める方が、

 勉強を学ぶよりはるかに有意義な経験が得られます。」


そんな心配をよそに領主は・・・



「そんなのはイイんだよ!!俺は・・・


 王都の女性とイチャイチャしているのが気に入らないんだ!!!


 あのやろう・・・今頃、毎日のようにとっかえひっかえして、

 女性をアンアン言わせてやがる・・・くっそ・・・


 うらやましすぎるぞ!!!」


「・・・勉学に励むということは考えないんですか?」


「バカか!!サーター!よく考えてみろ!

 親の仕送りがあって、更には親の監視の目がない・・・


 遊ぶに決まっているじゃないか!!


 俺なら間違いなく毎日パーティーに参加して、過ごしているぞ!」


「・・・自慢げにダメ人間をアピールされても困るのですが・・・。

 それにご自分基準で考えるのではなく、ご子息の考え方で考えられた方が・・・。」


「いいや!あいつはそんな奴だ!!

 あのちょっとイケメンな面で、俺達のような田舎者達に優しい言葉をかけてくる・・・

 そんな奴がいい奴なわけないだろう!!

 絶対に、今頃は王都でギシギシアンアンしているに決まっている!!

 くっそぉ~・・・俺もその道を選択するんだった・・・。」


「大丈夫です。そんな選択肢はございません。

 そんな余裕は我らの領土には微塵もございません。」


「くっそぉ~!!


 生まれてくる家間違えたぁ~!!!」


声高々にこの 領主バカ は何を宣言しているのでしょうね・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ