206話目
ドン!ゴロゴロ!!!ドーン!!
俺の目の前でカリグラは見事なくらいの
横っ飛びを披露した。
否!
本人の意思には反している!
そもそも本人はなぜ横っ飛びをするはめになったのかを
全く自覚していないはずだ!
・・・あいつもバカだな・・・
何か技名なのか?それとも剣の名前を言っていたのかはわからないが、
何やら長々と横文字を並べて叫んでいたのだが
まあ叫ぶのはいい・・・
叫ぶのはいいが・・・
目をつぶって叫ぶバカがどこにいるんだ?
・・・いや、ここにいるってのはわかるのだが・・・
普通の騎士が敵を目の前にして
視線を外すなどありえないだろう?
大きく振りかぶるストーンゴーレムの腕を見ても
まったく動じることなく何かを叫んでいたカリグラ。
そして、何かを叫び終えた途端に
その振りかざしていたストーンゴーレムの腕が
カリグラに直撃する!!
王は唖然とした顔をしている。
ちなみに俺の横の貴族も唖然とした顔をしながら
こめかみに青筋を立ててピクピクしている。
その気持ち・・・わかるぞ・・・
きっと想定外なんだろうな・・・
俺が察するに何か吹き込んでいてその吹き込んでいた内容であれば、
俺の作った剣は俺て、そしてカリグラは剣のない状態になり、
ゴーレムに痛めつけられるというのが王とこの貴族が描いた策略だろうが、
それ以前に倒されるとは・・・
どうやら・・・
俺の願いは神に届いたらしい・・・
本当に神よ!感謝します!!!
このまま気絶してくれていたままであれば、
何事もなく終わる!!
俺はきっと助かる!!!
希望の光が見えてきたぞ!!!
ただ・・・
そんな俺の希望の光はすぐにへし折られた。
数人の神官たちがカリグラの傍へと駆け寄っていく。
そして何やらポーションを飲ませると
すぐにカリグラは意識を取り戻した。
そして、神官たちに無理やり立たされた・・・
・・・羽交い締めをしてでも立たせるか?
・・・剣も握れる状態にないぞ?
足元には俺が作った剣が転がっていた・・・
何とか立たせることに成功した神官たちはい
一斉にその場から立ち去っていくのだが、
カリグラに関して言えば、立っているのは立っているが意識がないのか
呆然としているままであった。
・・・あ!
当然そのすきをストーンゴーレムが見逃すはずがない!
それはそれは見事な一撃がまたカリグラに炸裂する!!
・・・人ってあんなに見事に舞うんだな・・・
そしてまた神官たちが走っていく。
・・・あ!?今度は神官たちはバツの字を作ってしまった!
・・・何だったんだ・・・この茶番は・・・
王の方はげんなりとした顔をしており、
横にいた貴族はわなわなと震えていた。
・・・思い通りにならなくて残念だな・・・
俺はそう心の中で囁きながら
その場を離れたのだが・・・・
「どちらに行かれるのですか?」
「・・・今日はもう終わっただろう?」
この茶番がと言いそうになったが、それは口には出さずに
俺は笑みを浮かべて貴族に言い放ったのだが、
そこで終わる・・・貴族・・・王ではなかった。
「あ、アレックス・ロドリゴを捕まえよ!!!」
いきなりそんなことを叫びだすのである!!
「・・・は?」
俺は唖然としてしまったのだが、
その声を聴いた貴族はニヤリとしながら
俺に向かって、
「アレックス・ロドリゴ・・・お前を捕まえさせてもらうぞ!!」
その言葉と同時に周りにいた騎士たちが俺に剣を向けてきたのだ!!
逃げれるわけがない・・・
というかどうなっているんだ!?
俺がいったい何をしたんだというんだ!?
どういう理由で俺を捕まえようというのだ!?
困惑する中、俺はその兵士たちに力で屈服されて
地べたにたたきつけられて、
ロープでぐるぐる巻きにされるのであった。
「な、何かの間違いだ!?一体俺が何をしたというのだ!!!」
「・・・それはこれからゆっくりと話そうじゃないか。」
その貴族はニヤリと笑いながら俺の顔を思いっきり蹴り上げた・・・
俺の意識はここで切れて、次に目覚めたときには
牢屋の中にいたのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




