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1話目

領主の屋敷と呼ぶにはあまりに貧しすぎる。


俺が今いるのは、少し金持ちの家の広間のような部屋だけど・・・


ここがこの屋敷の中で最も作りが豪華な部屋のである!!


そもそもここは父親が執務室として使っていた部屋で、

他には両親の寝室が一部屋、あとは子供が寝るための一部屋、客間が一部屋だけ・・・


4DK!?


どうして貴族ともあろう俺がこんな屋敷に住まないといけないのだろうか?



「何で俺はこんな貧しい貴族の一家の長男として生まれたんだ・・・。」


思わず俺は愕然としてしまう・・・


だが・・・


俺という男は・・・


そんな不幸な生い立ちですらも跳ね返す男だ!!!



「俺は・・・いつかこの村を都みたいなデカい街にしてみせるからな!!」


俺は、立ち上がって、拳を高々と突き上げて宣言をする!


その宣言は、俺のすぐ傍に控えていた執事に向かっての宣言だ!

そんな俺の宣言に対して、執事は・・・



「さようでございますか・・・私が生きているうちにお願いします。」


俺の決意表明を聞いて、胸を熱くするどころか、

完全に俺が出来ないと思ってやがるぞこいつは!!!



「お前・・・完全に・・・できないと思ってるよな?

 俺の熱い思いを聞いたんだから、そこは“さすがは~”とか、

 “どこまでもついてまいります!”ってなことを言うんのが普通じゃないのか?」


「・・・はぁ・・・。」


嫌なため息をつく執事。


こ、こいつ・・・領主の俺に対して、何て失礼な態度を!!!



俺が治めているここバリティッシュ村は、祖父のそのまた祖父のさらに・・・


何代前から治めていたなんてどうでもいい!!


由緒正しくずっと昔からバリティッシュ家が治めてきた村である!!



今は人口が100人ほどの村である。


・・・昔はもっと栄えていたって話だよな・・・


近年・・・というか、最近でも父親がいた頃には、

200人を越していたが、父親が亡くなって数ヶ月で半減した。


やはりこれといった産業のないこの土地では、

どんどん住民が都の方へと流れて行ってしまうのだ・・・


だからこそ!


だからこそ、今こそ立ち上がらねばならいんだ!!


それなのにこの執事は・・・


・・・だが・・・


この執事がいなくなると我がバリティッシュ家は回らなくなる。


こいつがあまりに優秀で人の何倍も働いてくれるから、

何とかこの家はもっているといっても過言ではない。


・・・くそ・・・こいつが優秀じゃなければすぐにでも首を切っているのに・・・


・・・まあ、いい。


器量のある領主とは、こんな奴でも使いこなしてこそだからな!


俺はこのバリティッシュ村を都のように人口10万に以上の街にしてみせる!!!


俺が決意表明をしている中、執事から俺に向けられる目はただただ冷たいモノであったが・・・・


っていうか、ちょっとお前さっきあくびしてなかったか?


片一方の目元に涙がたまってるぞ!?




また始まったいつも中身のない宣言が始まった・・・


執事という身分では、この寝言を聞かなければならないのが

本当に憂鬱でしかたがありません・・・


都のようにする?


人口が100人ほどの村を10万人の都市にするって?


どうやってやるつもりなんでしょうか・・・


以前にその計画を聞いたら、具体的な案は何も答えられるずに、



“何とかするんだ!!!”


・・・こんな返答しかできない・・・


気合で何とかなると思っているのでしょうか?


具体的な案がなければ何も出来ないと思わないのでしょうか?


ただただ口に出したかっただけでしょう!


それも上っ面な言葉を並べて・・・


そんな領主したたらずにハッキリ断言しましょう!


領主クズには無理だ!!


・・・分かってますか?



だいたい父親に毒を盛って暗殺しておいて、

自分は寛大な領主だは・・・無理でしょうに・・・


しかもそのことは村人みんなが知っていますからね?


何で、森に入って毒草を取ってくるのを村人にやらせてるんでしょうか?


その次の日には領主が毒で亡くなったとなったら、

普通に自分が疑われるって発想にはならないのでしょうか?


・・・


ならないか・・・


そっか・・・知能が本当に低かったな・・・


簡単な計算もできないから、私が税金の計算から領地の管理などを

全部やるハメになっていたんでしたね・・・


1+1も計算できないって・・・


どうして1+1が28になるのか教えてもらいたいですよ・・・


・・・いや、教えてもらいたいですけど、時間の無駄だから聞かないです。


だから、そのドヤ顔を止めてください!!



そんな自分の父親に毒を盛って殺すような息子が領主を継いだのだらから

当然、村人は戦々恐々となり、村から出ていくのは当然ですよ。


あ、いや・・・


村から出ていったのは他の理由もありましたね。


っていうか、そっちが本命でした・・・


もともとこの村には2人の名主がいた。


そう・・・“いた”・・・だ・・・


2人の名主の1人の方の娘を・・・ 領主ゆうざいが襲ったのだ!!


それがバレて、その名主は一族を連れて、この村から出ていった・・・と。

それで人口が半分になったんですよね。


はぁ~・・・もうため息しかでませんね・・・


私とこの 領主バカの父親と一緒に村を大きくしようと

一生懸命奔走して、2年間で人口を80人の村を200人以上にしたというのに、

領主バカは、その努力を一瞬で無駄にしやがったからな・・・


おおっと間違えた!!


領主バカは、その努力を一瞬で無駄にしましたからね・・・


ちょっと本音で口調が漏れてしまったではありませんか。



・・・どうしてこのバリティッシュ家というのは、

クズ→いい奴→クズの順番に領主になっていくのでしょうね?


いい奴→いい奴になってもいいんじゃないでしょうか?


しかもこの 領主エロザルは腰を振ることだけを考えているし・・・


だいたい都のようにしたい!という目標を立てているのは、

その分だけ女子が増えるから選り取り見取りだ!っとか安直な発想からなんでしょうね。


領主クズ が話し始めて一時間が経過・・・


何で・・・こんなに無駄に熱いんでしょうね?


っていうか、中身のない話をどうしてこんなに語れるんでしょうか?


・・・はぁ~、とりあえずこのバカは放っておいて、

人口を・・・いや、この村が発展する方法を考えなくはいけませんね・・・


私はは 領主ゴミ の声をバックミュージックにして、

次の手を考えるのであった・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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